2025.5.29

ゲームを取り上げても、解決しない!

孤立したこどもは、外遊びもしないし、ゲームすらしない。「何かしなきゃ」と思ったとき、私たち大人はつい“制限”や“取り上げ”に向かいがちですが、その前に目を向けるべき現実がある。

5月27日、院内にて、赤松健議員とともに「こどものゲームやネット」をテーマに議論しました。

私はこれまで、大人の孤独・孤立対策に取り組んできましたが、こどもの孤独には十分に向き合えていなかったと痛感させられました。
こどもたちは、家庭や学校で苦しさを抱えながらも、自分たちなりに“つながる手段”としてゲームやSNSに居場所を求めています。

ゲームは、彼らにとって“最後の避難所”かもしれません。無理に取り上げることは、その小さな「安心の場」すら奪うことになりかねません。
それでも、ゲームやSNSにさえつながれない子どもたちもいます。

見えないところで孤立し、苦しさを抱え続け、搾取されているーそんな子どもたちが確実に存在しています。
この構造を、私たちは直視し、変えていかねばなりません。

講師の関正樹先生(児童精神科医)からは、こどもの信頼できる大人の存在がゲーム障害の予防にもなること、またゲームの中で育まれる協力や友情が、こどものwell-beingに好影響を与えるとのエビデンスの提示がありました。

「外遊びを増やそう」という声は多いですが、すべてのこどもに合うとは限りません。
現実を踏まえ、ゲームも含めた“新しい支援の選択肢”を政策として検討すべきです。

地域に多様で小さな居場所を増やし、選べる環境を整えることが、こどもたちを支える鍵です。
いじめ対策も同様に、学校規模の縮小や柔軟な学びの“流動性”を重視する改革が求められます。

そして、最も深刻な課題の一つが医療体制です。

こどものメンタルヘルスを支える児童精神科医は深刻に不足しており、小児科医が心のケアにも関われる体制づくりが急務です。
引き続き、こどもたちの孤独と向き合い、現実に即した支援の拡充を求めていきます。