2019.9.20

欧州視察④オランダ

【欧州視察④】
9月13日、オランダアムステルダムに着きました。オランダでは、①自発的生命の終結(安楽死)協会、②安楽死地域監査委員会、③ビュートゾルフ(民間地域包括ケア)④シャボットあかね氏との面談を行いました。

尊厳死・安楽死の議論は、2015年にオランダに訪問した際、かなり突っ込んで調査や議論をしてきました。オランダでは、生命維持の為の装置を外す事は尊厳死として、自然死の扱いになります。自らが終末期に自死する場合、他人のサポートを受けるとサポートした人は自殺幇助となり罪に問われます。先日、NHKでは、スイスに安楽死を求めて渡った日本人女性の話が有りましたが、スイスでは、自殺幇助の罪はない為、問題になりません。そう言う意味で、幇助罪があるオランダが、日本と同じ状況の中で安楽死をどう扱うのか議論となったのです。

逆に、安楽死を認める法律を制定きた2001年、安楽死の執行を監視する為、安楽死地域審査委員会が設立されました。そして、まさにオランダに訪問した今回、安楽死を巡る設立以来初めての審査が行われました。事件は、事前の安楽死への意思はあったものの後期認知症の患者が安楽死実施の直前にその意思は本当にあったのかと言う問題です。結果は合法となりましたが、まだ議論は続いています。

自発的生命の終結協会(NVVE)では、代表のAgnes Wolbert氏から安楽死の実施を拒否した家庭医の代わりの巡回医について聞きました。また、安楽死地域審査委員会では、委員長のJacob Kohnstamm氏から先日の事件や厳格な審査のあり方を伺いました。