2013.2.15

石巻訪問(1日目 後半)

石巻・女川訪問の2回目の報告は1日目の午後になります。午前中は市役所・仮設住宅・原発と行政に近いところを見て回りましたが、午後は民間の現場の声を拾ってきました。

牡蠣養殖場見学

昨年10月に会社を辞めて牧浜(まきのはま)で牡蠣の養殖をはじめた阿部さんにお話を伺いました。このあたりは1mほど地盤沈下があったそうで、その影響がかなり出ていました。具体的には新しく建物を建てようにもカサ増し(地面に土を入れて土地を高くすること)をしないといけないために、資金がかなりかかるということです。漁協を通じたカサ増しには制約があったり時間がかかったりするので自力でおこなうことも検討しているそうです。

阿部さんのように消費者の感覚を持った人が、1次産業に入ることで産業自体が活性化するはずなので、是非頑張って頂きたいです。ただ、既存の受益者とのかねあいは大変そうだでした。こうしたやる気のある人が自由に活動できるような環境を整えてあげるのが政治の役割だと思うので、無駄な規制等は排除していきたいです。そのうえで、その力を加速していくのに予算が必要であれば、予算をつけるというやり方を取っていくべきだと思います。

そういった活動は、後継者が育っていないというこの地域/産業に対する課題にに対しても解決策になると思います。魅力的なモノを生産し販売することで地域に雇用を生み出し、活力が生まれ地元に人が戻ってくるという流れが作り出されるからです。

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ただ、実はすごく寒くて(寒くないと美味しい牡蠣はできないとのこと)、その中での養殖はホント大変そうでした。だからと言うわけではないですが、これからも積極的に東北の牡蠣を食べていきたいと思っています。

牡鹿半島で蛤浜(はまぐりはま)にて若者からの声を聴く会

夕方から12人の若者達と牡鹿半島の活性化について意見交換会をおこないました。会場となった「カフェはまぐり堂」は蛤浜の古民家を改装したカフェで外から見ると高台にライトがぽつんとついていてオシャレなカフェです。

蛤浜は小さな浜で、震災前に9世帯あったのが今は3世帯しか住んでいません。その浜を魅力あるものにして人を呼び戻そうと地元の水産高校先生だったの亀山さんが3月で学校を辞め、蛤浜の自分の家を改装してカフェを作ったそうです。それ以外にもゲストハウスや食堂、コミュニティーハウス、海の家等を作る計画があるそうです。

ディスカッションしていく中で、牡鹿半島の復興の問題は実は過疎の問題であることが浮き彫りになりました。一致した意見は食べ物などの地元密着のものを売りに半島をブランド化していかなければ、復興予算で建物を作っても、結局はそこに来る人がいなくなってしまうということでした。

また、出て行ってしまう人が多い一方で、実は入ってくる人もいるということも話題に上がりました。こういった、外から来た人を取り込んでいくことも活動の中に入れないともったいないと思います。手弁当でボランティアをしもらって帰させてしまうのではなくて、一緒に美味しいものを食べて、楽しんで、街のファンになってもらうよう活動が必要なのかもしれません。わかめや牡蠣に代表されるように、外の人しか気付かない牡鹿の魅力はたくさんあるのですから。

牡鹿で生まれた人から、好きで牡鹿に住んだ人、復興ボランティアでその魅力にとりつかれた人、いろいろな人がいたけれども、これだけ前向きな若者が地域の復興を真剣に考えているのだから、この地域は安心だと思いました。どのような活動をしたらいいかは、地元の人たちでじっくり話し合ってもらって政治はその後押しをしていきたいと思います。

また会いに来ると皆さんと約束をしました。私も皆さんからの宿題を前に進めますので、次回は皆さんもまた面白いものを見せてください。

話していて、半島と市の中心は違うことを感じました。半島は浜(小鹿半島には30ほどの浜があり、いままではそこに独立したコミュニティがありました)といういままで閉じられた生活のコミュニティがあって、そこが市内と比べても大きく破壊されてしまったところが大きな違いな気がします。これを回復していくのはすごく大変だと思います。単純に回復するのが良いのかということも含めての議論が必要です。

わかものたちと語る会


蛤浜プロジェクトの企画書はこちら

石巻の街づくりを考える方たちとの会合

石巻の街づくりを考える街づくりまんぼうさんの方たちにお話をお伺いしました。石巻の街の現状は建設業は震災前より良い状態にあるけれども、それ以外の業態は未だ厳しいということでした。また、補助金等で現金はみんな持っているのだが、使われるところを見られたくないせいか実際にお金を使うのは仙台になってしまい、石巻でお金が回っていない状況とのことでした。

コンパクトシティを目指していくとのことで、丸亀をはじめとした各地の町おこしの成功事例を研究し、実際に足を運ばれているということで、まずはそれをマネしていき、石巻のプラスαを追加していくことが必要だという話をしました。

また、震災関係の補助金で県の窓口との連携がうまくいっていないケースがあり、最初から言ってくれれば違ったのにという事例も教えていただきました。書類を書かないといけない量が多かったり、震災前の状態に戻すことにしか補助金が下りないという問題点も明らかになりました。

皆さん方、本気で町おこしを考えているのは素晴らしいです。そしてなによりも町おこしのために粘り強く行動されているので、今後も継続的に情報交換させていただきたいです。

石巻NPOの皆さん