2014.3.20

日本の発展途上国への放送コンテンツ普及状況に関して質疑を行いました

3月18日、政府開発援助等に関する特別委員会にて質疑を行いました。

現在、日本の発展途上国への放送コンテンツ普及状況は、アメリカや韓国にかなり遅れをとっています。
私が議員になる前に仕事でミャンマーを訪問していた際、「将来は韓国人のようになりたい。」と言われた経験があります。NHKのおしんを見て日本は大変そうだというイメージを持っていたのです。そして同じくTVで見た韓流ドラマから韓国への憧れを抱いていたのでした。せっかく予算をつけて取り組んでいるのに、これでは意味がありません。

放送コンテンツ海外展開に関するODA予算の増額と、思い切って人員も若い世代へ刷新し、日本がイニシアチブを取れる中身にするよう求め、岸田外務大臣より、予算を充実させ関係省庁と協力しながら内容も改善するという答弁を引き出しました。

議事録

○山田太郎君

 みんなの党、山田太郎でございます。
 今日はODAの予算ということでありますが、まさにODAが質的な転換を遂げるときだということで、ハードからソフトへというような観点でどのようにしていくのか、この辺り、特に発展途上国への例えば放送番組、テレビ番組をODAを使って普及できないかと、こんなところを少し質疑させていただきたいというふうに思っています。
 途上国に今、日本のファンを増やしていくということは非常に重要なことだと思っておりますし、日本の考え方を伝えていくということも非常に大きないわゆる支援になるのではないかと、こんなふうにも思います。日本ブランドの形成ですとか、日本のイニシアチブ、どのように図れるのか、国際世論をどうつくっていけるのか、これはテレビ番組等をうまく輸出していく、これがODAとしてできないだろうかと、こういうことを少し質疑したいと思っています。
 まず、この点なんですけれども、非常に日本のいわゆる放送番組に関する輸出、海外展開は、アメリカ、特に韓国に比べても遅れていると。韓国と日本の放送番組の市場規模は八倍の差があって日本の方が大きいんですが、実は番組のいわゆる輸出を見てみますと韓国は日本の三倍なんですね、という開きがあります。これ、年々どんどん拡大しているということであります。ただ、日本も黙っていませんで、外務省さん始めとして、総務省さん、それから経産省さんもタッグを組んでやっているということを説明いただきました。
 コンテンツに関しては特に総務省さん所轄でやっておりますので、どのようなそれでは海外展開、コンテンツ、対策を講じられているのか、その中でも課題は何なのか、その辺り簡単に総務省さんの方からお答えいただけますでしょうか。

○副大臣(上川陽子君)

 山田委員の御指摘の点でございますけれども、放送コンテンツの海外展開の促進ということで、昨年の六月に日本再興戦略、閣議決定をいたしまして、クールジャパン戦略を大きな国家戦略の一つとして位置付けているところでございます。五年後までに放送コンテンツの海外事業の売上高を現在の三倍近くに増加させるという国家目標を掲げて、今鋭意取り組んでいるところでございます。
 課題は何かという御指摘がございましたけれども、大きく三つあるというふうに考えております。
 第一点目は、放送局のみならず、幅広い業種の企業あるいは関係省庁を巻き込んだ形で、関係者間の連携を一層強化する必要があるのではないかという点でございます。特に、放送コンテンツの海外展開を通じて、先ほど御指摘ありましたとおり、日本のファンを増やすということでございますので、そのための総合的な戦略というところに力を入れなければいけないということが一点でございます。
 また、二点目につきましては、海外展開先として有望なASEAN等のアジア諸国ということでございますが、現地の言葉の字幕の付与ということでローカライズのためのコストが掛かる一方で、一般的に放送コンテンツの販売単価が安いというケースが多いということでありまして、その意味で放送コンテンツ単独では収益確保がなかなか難しいというところがございます。
 また、三点目でございますが、海外展開の折には、二次利用に係ります権利処理の問題ということでございまして、煩雑であり、また迅速かつ効率的な処理ということが求められているということで、この点につきましても課題の一つとして掲げております。

○山田太郎君

 いろいろ課題があるということで、やっぱりある程度お金を付けてやっていく必要もあるのかなということで、これはお手元の方に皆さんの方お配りしてあると思うんですけれども、どんなお金がODAで海外コンテンツ展開に使われてきたのかということを調べました。
 文化無償資金協力としては、平成二十一年からいろいろちょっと表にあるような形で様々な国に、それから国際交流基金交付金でもいろんな国に対してお金が付けられているんですが、これ見ていただくと、文化無償資金の方はどちらかというとかなり途上国の放送機材等を展開する、提供するというのが趣旨の予算でありまして、コンテンツとしては国際交流基金運営費交付金ということになりますが、実はこれ何となく年々減っているんですね。せっかく課題として増やそうというふうに三省庁集まって頑張っているわけですから、是非この予算を少し増やしていく。これからODAの中身の箇所付けについては検討されるということですので、これ箱物からソフトへと。
 まさに、私もこの委員会で何回かお話ししているかもしれませんが、海外でも働いてきまして、ミャンマーなんかへ行きますと、将来韓国の人みたいになりたいと。なぜならば、韓流ドラマが毎日流れている状況でありまして、日本のドラマはいまだに「おしん」を使っていると。何か大変そうだね、日本人はと、こういうふうにやっぱり言われてしまうわけですよね。是非、そういった意味では、予算を拡大すると同時に、中身についても少し今風というか、日本のイニシアチブを図れるようなものを是非前向きに進めていただきたいと思っています。
 それで、まだまだ予算が少ないんですが、日本は非常に真面目でありまして、それはそれでいいんですが、どちらかというとNHKの今のようなドラマということなんですけれども、是非、例えばももクロとかAKBとか、そういった今風のものも是非どんどんどんどん採用して展開していくと。こういったお金と質というんですかね、その辺りも是非今後考えていって日本らしいイニシアチブを取っていただきたいと思いますけれども、是非、外務大臣、いかがでしょうか。

○国務大臣(岸田文雄君)

 外務省としましても、日本の放送コンテンツを海外において普及させることによって日本文化を紹介する、あるいは日本に対する理解が深まる、さらには親日的な感情が醸成される、こういった観点から大変重要であると認識をしております。
 そして、先ほど委員からも御指摘をいただきましたこの文化無償資金協力、そして国際交流基金、こうした取組によって支援を行っているわけですが、文化無償資金協力の方は、途上国の教育、人材育成の観点から開発途上国のテレビ局における日本の教育・ドキュメンタリー番組の整備を支援する、また、国際交流基金の方は、文化紹介とか文化交流、こういった視点からテレビ番組紹介事業によりアニメーション、ドラマを含むテレビ番組を提供する、こうしたそれぞれ特色があるわけですが、相手国のニーズを踏まえまして、是非、戦略的、そして効果的にこうした取組は充実させていかなければならないと存じます。
 そして、そのための予算という御指摘をいただきました。財政厳しい中ではありますが、外務省としましては、こうした放送コンテンツの海外での普及、大変重要だと認識をしており、これを支援するための予算、できるだけ充実に努めなければならないと考えております。そして、内容につきましては、是非、政府全体、関係省庁と協力しながら環境整備に努めていきたいと考えています。

○山田太郎君

 最後になりますけれども、是非、まずここで予算を増やすと、分かりやすいので、この予算を是非増やしていただきたい。
 それから、質的には、担当者がお若い方が少ないのかどうか分からないんですけれども、ちょっと御年配が見るようなものがどうしても放送コンテンツとして中心なので、いっそのこと要員も刷新して取り組むと。何かその辺り、もうちょっと突っ込んで大臣の方から御答弁いただけないでしょうか。

○委員長(岸宏一君)

 大臣、ちょっと時間が迫っておりますから、簡潔にひとつ。

○国務大臣(岸田文雄君)

 予算の充実の必要性については、先ほど申し上げたとおりであります。
 内容につきましても、やはり効果的な内容でなければならない、御指摘のとおりであります。そのためにどうあるべきなのか、人間の問題等も含めて、是非、関係省庁としっかりと連携し、検討していきたいと考えます。

○山田太郎君

 ありがとうございました。

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