2014.6.6

国民生活センターの役割と消費者生活相談の現状について質疑しました

6月4日、参議院消費者問題に関する特別委員会にて質疑を行いました。

議事録(未定稿)

○山田太郎君

 みんなの党、山田太郎でございます。
 今日は、この消費者特、実質審議最後ということなので、一生懸命頑張ってやっていきたいと思います。
 思い起こせば、景表法、随分いろんな細かいところも含めてやらせていただきました。今日、質疑を皆さんのも拝見していると、やっぱり終盤、最後、体制についての話が非常に多かったかなということで、私もちょっとこの体制についてお話を今日質疑としてさせていただきたいと思っています。
 その前に、私もやっとこの消費者特、慣れてはきたんですけれども、だんだん分かってきて分からなくなってきたのが、消費者庁、消費者委員会、消費者センター、国民センターと、この四つがありまして、先ほど清水議員の方からもいろいろありましたけれども、またこれに地域の協議会があるということで、多分消費者は逆によく分からないのかなと。私も、専門で質疑をしている委員ですら、この四つの関係が何となく分かってみたり分からなかったりするので、その辺り、今日ちょっとこの法案をしっかり実現する執行機関として整理しておく必要があるかなと思って、この辺、ひとつ集中して質疑させていただきたいと思っています。
 国民センターについてまずちょっと触れていきたいと思いますが、これ、私、前回もちょっと質疑でやったんですけれども、民主党政権のときに、消費者庁と統合すると、こういうことの閣議決定が一度されたということであります。平成二十五年から国民センターは消費者庁の一つの機関として再出発するはずだったということでありますが、自民党政権になりまして、今度、逆にまた閣議決定が凍結されまして独法として存続すると、こういうことになったという経緯であります。
 私どもみんなの党としては、できるだけ独法は廃止して、国の機関としてダイレクトに戻すか、又は民間としてやるか、こういうことを目指しているわけでありますけれども、独法として存続する以上、きちっと機能していただくことも重要なので、そんな視点からも質疑したいと思うんですが。
 まず、お手元に今日資料を配らせていただいています。これ、国民生活センターの在り方の見直しに係るタスクフォース取りまとめという報告書からの抜粋を今日皆さんにお手元に配らせていただいていますが、民主党の政権のときに、どうして消費者庁と国民センターを統合するのか、当事者の消費者庁とまさに独法である国民生活センター自身が自ら検討して結論を出したと、これが内容なんですけれども、逆に言うと、存続させるということは、このときに指摘された内容がクリアされたからこそ存続するというふうに結論も出たと思っておりますので、その辺り、お伺いさせていただきたいと思います。
 そこで、お伺いしたいんですが、まず抜粋の一番上の部分になりますけれども、消費者庁と国民センターの業務が大半の分野で重複していて、別々に同じ課題に取り組んでいるという指摘があったんですね。内容は、消費者事故情報の収集、分析、注意喚起、消費者教育、リコール情報の発信、地方消費者行政の支援と、こんなところがあるかと思いますが、こういったことに関してどういう整理がされたのか、教えていただけますでしょうか。
○国務大臣(森まさこ君) 民主党政権のときに、国民生活センターについては三回会議体が開かれました。それについては、何か同じような題名の会議体があって内容もころころ変わるんだというような御指摘がされていたところでございますが、今御指摘のタスクフォースはその一番目の会議体でございます。
 平成二十三年八月二十六日に、国民生活センター在り方の見直しに係るタスクフォースの取りまとめが出されました。その四か月後に、国民生活センターの在り方の見直しに関する検証会議というものの中間取りまとめがなされました。そのまた八か月後に、国民生活センターの国への移行を踏まえた消費者行政の体制の在り方に関する検討会報告書というのがなされました。
 今御指摘の大半の分野で重複という部分でございますが、私の意見としては、分野はもちろん消費者行政ですから重複するところもありますが、機能は別々だと思っております。この大半の分野で重複しているということについては、検討が、二回目の検証会議というものの中では、引き続き検討するという一行があるだけです。そして、三回目の検討会というものの中では、今度は、私の意見に近いんですけれども、消費者庁、消費者委員会、国民生活センターそれぞれの権限、機能があるというふうに書かれております。
 ですので、私としては、分野は重なる部分があっても機能がそれぞれ別でありますので、それぞれの機能をしっかりと生かしながら連携をしていくということが最も消費者行政の効果的な運用に望ましい形ではないかなというふうに思っております。

○山田太郎君

 そうすると、大臣は機能の重複というのは基本的にないという御認識でよろしいのでしょうか。

○国務大臣(森まさこ君)

 大半の分野で重複という御質問でございましたけれども、私は、機能のことについて申し上げますと、機能については別であるというふうに思っております。

○山田太郎君

 これ、自らの組織がそれぞれまとめたレポートでありますし、昨日を含めてレクで聞いても、どう聞いても、同じような業務が機能として重複しているんじゃないかなと。これ、お役所だけの話ならいいんですけれども、消費者行政をやっているわけですから、できるだけ消費者に分かりやすいという意味ではスリムにされた方がいいんじゃないかなというふうに思っています。
 もう一つ、まさに、類似事務を行政機関と密接に連携するには限界があるという指摘までこの中ではされているんですね。大臣も、昨年の十一月の本委員会で私の質問に対して、国民センターとは上下の関係にないので通知も出せないと、こんな答弁もされたわけであります。そうなってくると、消費者庁の機能強化のために、独法では、国民センターが独法では限界があると結論付けたのかどうか、ちょっとこの辺りももう一度お答えいただけますでしょうか。

○国務大臣(森まさこ君)

 今御指摘の委員配付資料の二つ目の赤線が引かれております類似事務を行政機関と密接に連携して行うには限界があるという点についての御質問だというふうに思いますけれども、機能がそれぞれ別でございまして、それを有機的に密接に連携して行うようにするというふうに判断したわけでございます。

○山田太郎君

 もう一個、今回の景表法改正の十五条の中に関係者相互の連携という規定が新設されているんですね。そして、消費者庁、それから事業所管の大臣、それから都道府県知事、国民センターという長が、まさにキーパーソンが集まって必要な情報交換、それから一般消費者の利益を保護するために密接な連携に努めると、こういうことが規定されているわけであります。
 情報交換といっても、今回の法律の改正で事業所管の大臣とか都道府県知事が消費者被害の現場とか調査とか、そういったところに入るようになるわけでありますから、今度は国民センターに蓄積されている被害情報なんかを速やかに所管の大臣や都道府県知事に提供することが重要になる。そうなってくると、国民センターとの速やかな情報連携、こういうことが重要になってくるかと思います。これ、どうやって独法等の間で連携を図っていくのか、プロセスがいまいち今回分からないんですね。
 せっかくPIO―NET等含めてたくさんの情報が集まっているものを活用する非常に重要な側面だと思いますので、御答弁いただけますでしょうか。

○国務大臣(森まさこ君)

 本法案において、国、都道府県、国民生活センターの密接な連携に関する規定として第十五条を設けております。具体的には、各機関の窓口担当者の間で景品表示法違反が疑われる事案について必要な情報交換を行って、より効率的な法執行を行うことや、景品表示法に関して、協力して普及啓発活動を行うなどの連携を想定しております。
 本法案成立後は、消費者庁において関係者に対して規定の趣旨の周知を図るとともに、消費者庁が中心となって一層の情報共有を進めるなどして関係者相互の連携を図ってまいりたいと思います。
 また、独立行政法人国民生活センター法で、国民生活の安定及び向上に寄与するため、総合的見地から国民生活に関する情報の提供及び調査研究を行うことは国民生活センターの目的とされておりまして、行政庁の依頼に応じて国民生活に関する情報を提供することは業務内容の一つになっております。そのため、国民生活センターは、景品表示法違反の未然防止や是正についても積極的に協力、連携していくものというふうに考えております。

○山田太郎君

 まさに大臣がおっしゃられたことを実現するのであれば、独立行政法人としてあるよりも、元々検討された形でもって、風通しがいいというか、一つ屋根の下でやられた方が消費者庁の理念からも近いんじゃないかなと、こんなふうにも思うわけでありまして、どうしてそんなに頑張って三つも四つも組織を維持しようとされるのかというところがちょっと気になるんでありますが。
 もう一つ、国民センターなんですけれども、相談とか研修のフロントオフィスの人数の割合というところもいろいろ調べさせていただきましたら、これ資料にもありますが、消費者センターで八一%に対して、国民センターは六三%ということなんですよね。こういったところも改善点だということは自ら認められています。
 それからもう一つ、商品テストの効率化ということに関しても、これ大変問題が大きいというふうに思っておりまして、これはなぜかといいますと、国民センターをつくった、あるいは維持している一つ大きな理由というか売りは、商品テストをするというところだと思います。
 ただ、これ資料見ていただきますと、実は経産省が所管しているNITEが、実際の外部機関へのテスト依頼のうち七割を占めているという実態でありまして、この国民生活センターのシェアは約、僅か六%と、こういうことになっているわけであります。余りこの国民生活センターの商品テストを信頼されていないのか、又は支持されていないのかということにもなるかと思っています。
 こういった問題点を抱えながら、今回、景表法の法律でもって消費者行政を始めるということなんですけれども、それぞれ、例えばフロントオフィスの人員の問題ですとか、この辺の、商品テストの効率化やガバナンスの課題ですとか、この辺り、大臣どのようにお考えでしょうか。

○国務大臣(森まさこ君)

 三つも四つも組織があるというふうにおっしゃいましたけど、四つってどれのことかなと思って考えていたんですが、消費生活センターの、地方自治体の組織でありますので、それだけは申し上げておきます。
 商品テストについての御質問でございますけれども、お尋ねのシェアについては、当時その算出根拠とした数値を継続的に調査をしていないため、お答えはちょっと、正確には分からないというふうに思います。
 製品評価技術基盤機構、いわゆるNITEでございますけれども、消費生活用品を対象として、製品安全関連業務を実施するに当たり、製品事故の再発、未然防止を図るため、消費生活センターから製品事故の情報を収集しておりまして、消費生活センターからの通知件数は、平成二十四年度五百三件、平成二十五年度は四百四十二件となっていると聞いております。
 他方、国民生活センターでは、衣食住、乗り物など、消費生活全般の幅広い分野の消費生活センターからの依頼に対し商品テストを実施しているところ、その件数は、平成二十四年度二百三十九件、平成二十五年度二百二十三件でございます。こういった商品テストを実施するに当たっては、地方公共団体のニーズを踏まえて、消費者被害の未然防止、拡大防止を図っていくような運用をしてまいりたいというふうに思います。
 人員の割合でございますけれども、この数は、七十九名という平成二十三年一月時点から平成二十六年の八十四名まで増えております。平成二十五年二月に策定された現在の中期目標におきまして相談業務等への重点配置など人員配置の適正化を指示しているところでございますので、事業を適切に実施できる体制が確保されるように取り組んでいただけると期待をしています。

○山田太郎君

 複雑な組織を抱えているとなかなか分かりにくいというところは出てくるでしょうから、そういう問題是非しっかりやっていただいて、問題はこの景表法に基づく消費者行政しっかりやっていただくことですので、引き続きよろしくお願いします。
 さて、消費者生活の相談実態ということ、これは斎藤議員の方も聞かれていたんですが、ちょっと関連で私の方もお聞きしたいと思っています。
 これも資料の方を見ていただきたいんですが、消費生活相談員というのが数として出ておりまして、平成二十五年四月一日で三千三百七十一名、年間の相談件数は九十二万件ということであります。これ、一人当たりの相談件数というので割り算をしますと、二百七十四件。大体、年間実営業日数二百二、三十日と考えれば、相談員一日一件と、こういう割合になるのかなと思いますが、これがちょっと多いのか少ないのか。私としては何となく、えっ、一人一件なのという、ちょっとそんな感じもあるのでありますけれども、その辺り、ちょっと御感想というかお考え、いただけますか。

○副大臣(岡田広君)

 お答えいたします。
 山田委員が今御指摘がありました相談件数でありますけれども、数字は今委員がお述べになったとおりであります。
 この消費生活相談員の中には、週の開所日数が四日未満の消費生活相談窓口等の相談員や、相談員からの相談を受けるアドバイザー的立場の相談員も含まれています。よって、相談件数を相談員の人数と消費生活センターの開所日数で除することにより単純に一人の相談員の一日当たりの相談件数を算出することはできないんだろうと考えています。
 また、あっせんによる解決を行う場合には、契約書面等を相談者から入手した上で商品、サービスの内容や契約内容の確認、受領商品等の状態の確認、本人の意思確認、解約等に向けた申出書面の作成、事業者等の交渉などで長い時間を要するわけであります。これに加えて、近年は高齢者相談の増加で聞き取りや本人の意思確認等に従来よりも時間を要する傾向にありますので、ここも御理解をいただきたいと思います。

○山田太郎君

 そうであれば、単純に除したら分かんないよという話であれば、じゃ、出勤日数というものも加味した上で大体お一人がどれぐらいやっているのかというのはどうなんでしょうね。
 何でこんなことを聞くかというと、足りているのか足りていないのか、これから制度をつくって、試験制度もつくって増やそうとかと言っているわけですから、大体把握するというのがすごく重要なことだと思うんですよね。どれぐらい足りていないのか、忙しいのか、いやいや、もうちょっと相談件数を増やさなきゃいけないのか。政策目標にもなると思っています。
 そういう意味で、その辺はじゃどう把握されているんでしょうか。

○副大臣(岡田広君)

 今手元に資料がありませんが、委員御指摘のことは十分重要なことだと判断しております。

○山田太郎君

 別に敵対的に責めたりしているわけじゃなくて、どう改革しているかというのを導きたいので、是非その辺りしっかりやっていただいて、何が問題なのかということを解決していっていただければと思っています。
 それから、中身なんですが、相談件数九十二万件のうち、あっせん解決とあっせん不調を足しても八万件と、これは斎藤議員の方も少し指摘されていたと思います、大体全体で八%ぐらいだと。その他、九割以上は助言とか情報提供ということで、実際、あっせんとか問題の解決に踏み込まないで助言や情報提供で済んでいるということだと思うんですね。
 もちろん、生活相談員がそれで済ましているという面もいろいろあると思うんですけれども、このあっせん数がすごく割合的に少ないということに関してどのように見ていらっしゃるか、御感想でもいただけますでしょうか。

○国務大臣(森まさこ君)

 あっせん件数でございますけれども、あっせん件数が多いか少ないかということは必ずしもなかなか比較というのができないかというふうに思っております。あっせんを求められる又はあっせんが適当である事案が生じたときにあっせんを行っているわけでございますので、その成功率というものと件数というのは必ずしもイコールではないというふうに思っておりますけれども、あっせん件数、そしてあっせん率が消費者のニーズに合わせてより上がっていくように、また努力をしてまいりたいと思います。

○山田太郎君

 何となく私が森大臣に聞くと、何となく反論されちゃう構図がずっと続いているんですけれども、そうではなくて、であれば、これは適当なのかどうかという、もうつくったばかりの仕組みですから問題あるのは分かっていますし、だからこうやって質疑して、法律まで作って、相談員も国家資格にしてということなので、余りここで、別にやれ少ないじゃないかとかやっていないじゃないかということを言いたいわけじゃないんですね。
 どういうふうに把握されていて、もし把握されていないんであれば調べなきゃいけないし、把握されているんだったらそういう問題を解決していきましょうと建設的に質問しているつもりでありまして、何となくいつもかみ合わないことがあるんで、それが質疑なのかなという気もしているんですけれども、是非本当に、ゴールは何か与野党で責め合うんではなくて、私ども、この特に消費者特は消費者に向いてどうやっていくかということの場でありますので、是非そういう前向きな御答弁いただければなと思っています。
 そういう乗りで、他機関への紹介というのもやっぱり二万八千件あるんですね。これについても、悪く言うと、こういうふうに言うから反論したくなっちゃうかもしれませんが、たらい回しとも取られかねないと。こういうことでありまして、やっぱり他機関に対しても相談員が丁寧に引き継ぐとか対応が必要なのかなというふうにも思っていますが、ちょっとこの辺の実態ももし把握をされているんであれば、教えていただけますでしょうか。
○国務大臣(森まさこ君) 消費生活相談は消費者にとって最も身近な相談窓口として消費者の安全、安心を確保するため重要な役割を果たしているところです。
 消費生活相談を受け付ける中で、そもそも消費生活相談になじまない案件が寄せられる場合もございます。その場合は本来の相談機関を紹介しているところでございます。また、消費生活相談であっても、専門の相談窓口があって、より適切な対応が見込まれる場合など、他の機関を紹介することでより相談者のためになる問題解決を図る場合もございます。例えばもう弁護団が結成されているなどの場合でございます。他の機関を紹介するに当たっては、委員御指摘のとおり、たらい回しにならないように相談者の要望を十分に確認した上で、できる限りその紹介予定の機関が適切か否かなどの確認を行い、たらい回しにならないような細心の注意を払うとともに、相談者の事情に適した具体的な解決が見込まれる機関を紹介するようにしているものと承知をしております。

○山田太郎君

 やっと大臣と分かり合えたかなという感じでありまして、もう一個行きます。
 九十二万件の相談のうち、助言して終わったというものが六十二万件なんですが、その後の処理結果が分からないというのが六十万件もあるんですね。ほとんどの相談結果をフォローしていないという結論も出ています。この辺りはどうでしょうかね。

○国務大臣(森まさこ君)

 相談案件の事後調査についてのお尋ねだと思いますが、消費生活相談を実施するに当たっては、消費者と事業者の間の情報の質及び量並びに交渉力などの格差に鑑みて、消費者の立場に立ってあっせんを積極的に実施するなどして、消費者トラブルを解決に導くことが求められるところでございます。
 相談対応といたしましては、相談者の自主交渉のための助言、情報提供、あっせん解決等が行われておりまして、あっせんをした場合には消費生活センター等がその経緯と結果を把握している一方で、助言、情報提供等を行うことで相談対応が終わったものについては、その後の個別事案に対するフォローが必ずしも十分には行われていないところでございます。
 消費生活相談がどのように役立っているかを把握するためには、できる限り事後的なフォローを行うことが有意義でございますので、困難な面もございますが、その方法については検討してまいりたいと思います。

○山田太郎君

 もう一つ、相談担当者の質とか試験とかという話も出たんですが、それというのは、どんないわゆる消費者生活相談をされているかというニーズ、内容が把握するということが必要なんだと思うんですね。その相談された方のニーズ、要望なんかをどう把握されているかということを昨日レクの方でも御担当者に聞きましたら、実はそういうことはやっていないと、こういう回答が来ました。
 私は、これから内容の充実をしていく、質的にも、相談員、どんなものを受ける確率が高いのか、こういったことを改善していくためにも、そういった調査をしっかりやられた方がいいんではないかなと、こういうふうに思っています。別に、相談したものに対してきちっと数を捉えていくということですから、全然難しい話じゃないと思いますので、その辺は今後の課題としてはいかがでしょうか。

○国務大臣(森まさこ君)

 まず、消費生活相談については、その分析、統計は行っております。それが、そのレクのときに行っていないというふうに言ったというような御指摘でございますが、何か、確認をしてみますけれども、私の理解では、これは統計を出しております。
 さらに、消費者庁では、消費者問題の現状や求められる政策ニーズ等を把握する目的で、全国の十五歳以上の一万人を対象として消費者意識基本調査も実施しております。本年は一月に実施済みでございます。同調査では、消費者被害、トラブルの経験や、その被害等についての相談の状況等について尋ねておりまして、消費者相談へのニーズという意味では、こうした調査を通じ、潜在的な消費者被害、トラブルがどの程度あるのかを把握しております。
 平成二十五年に実施した消費者意識基本調査によりますと、この一年間に購入した商品や利用したサービスについて、何か不満を持ったことがある人は二六・一%、健康被害に遭った人が〇・五%、金銭的な被害に遭った人が一・一%となっております。

○山田太郎君

 ありがとうございます。大臣に言うと出てくるというのがちょっと不思議なので、是非、その辺も今後改善していただければと思っていますが。
 まさに大臣おっしゃるとおり、一般の国民に対する無作為抽出アンケートというのはやられているようなんですね。
 実は、消費者センターは信頼度が結構高くて、七八・七%の人が認知している、信頼していると、こういう回答は得ているようですが、中身をまた見ていると、名前だけは、そのうち名前だけは知っているのが六四・三ということで、じゃ、実際使ったかとか、それ以上詳しいことを知っているかというと、実は、名前も知っているんだけれどもそれ以上ではないというところでありまして、私は、まだまだアピールというか、認知度が低いんではないかなと。
 もう一つ続けて時間も迫っていますから行きますが、実際に健康被害とか金銭被害を受けた人というのが、ちょっとお手元の資料にもあるんですけれども、今回、基本調査ということで、百一人いたということですが、このうち消費者センターへ相談に行ったという方は二%なんですね。だから、認知はされているんだけど実際には相談に来てもらえない、知っているけれども余り頼りにされていないと、こういったこともあるかと思っております。
 内容の充実も重要なんですけど、やっぱり消費者に認知され、使われて初めてこの仕組みというのが生きてきますし、消費者行政というのは良くなってくると思いますので、その辺り、どのように対処、対応されていこうとされているのか、是非、大臣の方からお答えいただけますでしょうか。

○国務大臣(森まさこ君)

 御指摘の基本調査におきまして、消費生活相談等の相談窓口に相談したという方が二%にすぎず、誰にも相談したり伝えたりしなかったという回答が約三割というふうに、最も高くなっています。そして、その誰にも相談しない、伝えない理由を聞きますと、四割弱が、相談しても仕方ないと思ったと回答しています。これは困ったときに頼るべき消費者行政に対する信頼度が依然として余り高くないことに起因している可能性もございます。また、消費者教育というものをきちっと展開していく中で、消費者が消費者被害というものに関する認識を高め、そして消費者行政とともに、被害の回復、予防につながっていくように不断の努力を続けてまいりたいと思います。

○山田太郎君

 質問、最後になりますけれども、今回の法律がうまくいくためには、私はやっぱり箱というか仕組みがきちっとしていること、これ制度設計ということで何人かの委員も質問あったと思います。
 それから、中身のやっぱりこれは使えるなという認知、それによってどんどん良くなるし、どういうことを聞いているのかということが自ら把握して、いわゆる消費者庁さん、あるいは消費者センターの機能がどんどん良くなっていくということでうまく回っていくと思います。
 何となく、大臣に質問していると厳しく回答されちゃうんですけれども、是非、消費者庁の窓口はいろんな傷ついた方もたくさんいますし、是非、そういった形で優しく建設的に、一緒に考えて消費者行政頑張ってやっていこうと思っていますので、よろしく今後ともお願いします。
 これで質問を終わりにします。ありがとうございました。