2014.10.9

安倍総理に対して、農協改革とTPPについて質疑しました

6月12日、農林水産委員会にて、質疑を行いました。
議事録

○山田太郎君 みんなの党、山田太郎でございます。
総理とは、月曜日の決算委員会の質疑、昨日の本会議、今日の質疑、それから実はあしたの本会議の討議も立つつもりでありまして、連日お顔を拝見させていただいております。私など、この委員会の質疑を含めてもうくたくたなんでありますけれども、総理は、連日の国会質疑、外遊、党務、もちろんトップとしての様々なあらゆる領域に果敢に取り組んでおられまして、その点、大変感心を本当にしております。
私、実はみんなの党で政調副会長として経済財政の責任者をやっておりますし、党のアジェンダの実は取りまとめの責任者をやっておりまして、特に経済財政の関係に関しては、総理の進めています改革、大変近いものがありまして、是非一つ一つ実現していただきたいということで、我が党として後押しをしたいわけであります。
特に、今回の農協改革を含む規制改革会議の農業分野のワーキングチームの内容に関しては、いろいろこの委員会でも議論があるところではありますが、我々としては是非一つ一つ進めていただきたい。まさにドリルの刃となると言って規制とそれから既得権益打破に関してスタートされた総理でありますから、それを我々は後押ししていきたいというふうに思っております。
ただ、政府今回の提出の二法案に関してはちょっと不可解な印象も受けるわけでありまして、元々、農業の大規模化と担い手への集中、それから生産性の向上を目指しているというふうに思っておったんですが、何となく政策的な整合性を感じないということです。多分、農水省さんの中でも心ある官僚の方はもうちょっとすっきりした法案を作りたかったんではないかなと、こんなふうに思っておりますが、あれやこれやと注文が付いて、小規模農家、小規模農地を温存していくというような法案になってしまったんではないかと、こんなふうにも思うわけであります。
私は、まさに既得権益にしがみつこうとする農協であったり、もしかしたら族議員の皆さんの力で少しずつゆがんでしまったんではないかと、こんなうがった見方もするわけでありまして、いつも委員会ではこんなことを言っているわけですから、何となくこの委員会でも最近嫌われてきているわけでありますが、決して私は農協憎しということでやっているわけではなくて、あくまでも農業協同組合にしっかり戻って、農業者一人一人の生産と販売、そういったものに寄与していただきたい、こう思って発言しているわけであります。
そんな問題意識を持って、是非、今回の農協改革に関して少し質疑させていただきたいんですが、政府の規制改革会議が五月二十二日にまとめました改革案、全中の廃止、それから全農の株式会社化という非常に意欲的な改革案だったと思います。ただ、本件、私も決算委員会で取り上げたんでありますが、余り踏み込んでお話がなかったのかなと。議事録の方を、今日配付した資料に、お配りさせていただいていますが、改めて、そういった意味で、ここは農水委員会でありますのでお伺いしたいと思っております。
日本の農業の再生のためには全中の廃止や全農の株式会社化が必要だとお考えかどうか、安倍総理から是非お聞かせください。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) まさに農協は農民のための組織であり、今までその機能を発揮をしてきたと、このように思います。しかし、大きな時代の変わり目の中において、原点に戻りつつ、新しい時代にふさわしい農協に改革をしていく努力をしなければならないと、こう考えているところでございますが。
十日、与党においては、「農協・農業委員会等に関する改革の推進について」が取りまとめられたというふうに承知をしております。取りまとめに当たっては、農業、農村の発展のために農協はどうあるべきかという視点で大変熱心に御議論をいただいたと、このように思います。
こうした議論を踏まえまして、農業協同組合の在り方について、地域の農協が主役となってそれぞれの独自性を発揮して農業の成長産業化に全力投球できるように抜本的に見直しをしていきたいと、こう考えております。

○山田太郎君 その六月十日の対案ということなんですけれども、今回の案、全中の廃止それから全農の株式会社化も見送りということで、かなり後退した内容だということがマスコミでも書かれているわけであります。
この自民党案に対する受け止め方、本当にこれでいいのか。総理の元々期待していた農政、農業改革に資するものなのかどうか。また、五年間掛けてやっていくということでありますが、もう待ったなしだと思っております。総理が先ほど五年やるかどうかという議論もあったんですけれども、スピード感を持ってやるんであれば、こんな悠長にやっていてはいけないんではないか、こういうふうにも思うんですけれども、その辺り、いかがでしょうか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 我々は、この改革自体が目的ではなくて、あくまでも改革は手段であります。言わば、農家、農村が将来に向けて発展をしていくためには、そこで暮らす人々の営みも大切でありますから、そうした人々のことにも目配りをしながら、農業、農村全体で発展をしていくような仕組みにしなければならないという観点から議論がなされていたわけでございまして、その中におきまして、与党において取りまとめが行われたと。
繰り返しになりますが、やはり主役は地域でありますので、地域の独自性を発揮できるような、そしてそのことによって農業が成長産業になっていくという形になるように、農業協同組合の在り方についてこれからもしっかりと改革を行っていきたいと、このように思います。

○山田太郎君 是非、本当は今日この場で一歩も後退させないという強い決意を示していただければ、規制改革会議も勇気を持って明日の答申に盛り込むこともできるでしょうし、農水省もそうやって動くと思っております。ここが正念場だというふうに思っていますので、改革の方、是非力強いリーダーシップを図っていただきたいというふうに思っております。
あと、最後一問なんですが、TPPとの関係でお伺いしたいと思います。
農業に関しては、非常にTPP、マイナスのイメージが強い。ただ、これプラス面はないのかどうか。TPPに我が国が入ることによって日本の農業に及ぼすプラスの影響というのは、どのように総理は考えているのか、その辺り、お答えいただけますでしょうか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) このTPPに関わりなく、農業そして農政の改革を行っていかなければならないわけでありまして、より地域の活力を引き出していく上において、なすべきことをなさなければならないと、その観点から今回、二法案、御審議をいただいているところでございますが。
このTPPにつきましては、アジア太平洋地域に大きな新しい経済圏ができるわけでございまして、その経済圏ができるということをチャンスとして捉えるかどうかということが大切でありまして、農業においてもチャンスとして捉え、日本の農産品の魅力を更に磨きを掛けて輸出を増やしていく方向にこれは活用することも当然できるのではないかと、このように思っております。

○山田太郎君 もう一度、しつこいようですが、このTPPに参加することによって日本の農業がどう強くなっていくのか、それから輸出産業としてどういうふうに強くなっていくのか、もうちょっと深掘りをして、是非教えていただけないでしょうか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) これからまさにこのTPPについては最終合意に向かっていくわけでございますが、TPPというのは、先ほど申し上げましたように、これは物品のアクセスだけではなくて様々なルールもつくっていくという大きな特徴があるわけでありまして、二十一世紀型の新しい自由経済圏をつくっていくわけでありますが、その中において、農業というのはしかし当然これはそれぞれの国が事情を抱えているわけでありますし、食料というものはいざというときにはお金で買えないということもあるわけでありますから、そういう観点ももちろん必要でありますが、同時に、今まで農業というのは守ることだけしか考えてこなかったと言ってもいいんだろうと思いますが、例えばお米を、これはTPPの国ではありませんが、第一次安倍政権において中国に日本の米を輸出した際には一俵が七万九千円で売れたんですね。これはもう大変なことだったと思うわけでありますが、そうした可能性が出てきているということであります。
そうした可能性が出てきている中で、よりそうした所得が生産者に行くようにしていくことも大切だろうと、こう思っておりますが、一番の大きなポイントは、まさに今までは日本地図しか見ていなかった、しかし、これからはTPPによってTPP加盟国のアジア太平洋地域に目が向くと、そういう中でこれから産業戦略を考えていくことも農業にとっても可能になってくるということではないかと思います。

○山田太郎君 まさに総理おっしゃったとおり、農業の弱い側面を守っていくという観点だけではなくて、是非攻めの農業ですね、農業の日本のまさに強い面も研ぎ澄まして是非新しい農政をつくっていっていただきたいと思っております。
本日はありがとうございました。

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