2014.11.12

農地中間機構(農地バンク)について、質疑をおこないました

11月6日、農林水産委員会にて、質疑を行いました
(未定稿)

○山田太郎君 みんなの党の山田太郎でございます。
 まず、大臣、大臣におかれては、就任早々、政党交付金始めとする政治資金で御子息の方からの買物をされたとか御親戚の会社から事務用品を大量に買われていたとか、また、御子息に政策秘書の勤務実態がないのではないかといった、まあ違法性を問われるかどうかは別としても、やはり大臣、それから国会議員としてのモラルを問われるような局面が続いているかと思っております。
 一方で、野党の我々の方も、国会で小さなことばかり聞かないでもっと政策の議論をしてほしいという声も確かにありますが、やはり小事は大事ということわざもあります。小さなこともおろそかにしてはいけないというのが我が国の繁栄の基礎を築いてきた先人たちの教えだと、こういうふうに今日は思って、まずは大臣に小さなことを伺ってみたいと、こういうふうに思っております。
 まず、大臣の政治資金についてでございますけれども、大臣の方は、十月十六日の本委員会の質疑で、私の農政連又は農協関係団体からの政治資金とかパーティー券の購入をこれまで受けたことがあるかということに対しては、政治資金については政治資金規正法にのっとり適正に処理してまいりましたと、こういう御答弁をいただきました。
 そこで、私の方で大臣に関する政治団体、政党支部の自民党栃木県第二選挙区支部、それから資金管理団体の幸湖会の、これは選管で公開になっているものを平成二十二年から二十四年までの間で収支報告書と、平成二十四年の総選挙の選挙運動費用等収支報告書、さらには農政連の下部組織団体の収支報告書などをいろいろ突き合わせて調べさせていただきました。その調査結果は、農林水産関連団体からの政治資金ということで、お手元の実は資料に配らせていただいております。
 まず、赤字の栃木県興農政治連盟、これは農政連、農協の政治団体でございますけれども、ここから二十万円、栃木県興農政治連盟の収支報告書には陣中見舞いというふうに記載されているようです。受取は自民党栃木県第二選挙区支部とされているんですが、この陣中見舞い、その自民党栃木県第二選挙区支部の収支報告には記載されていません。これは政治資金規正法に言う不記載又は虚偽記載に当たらないのかと。資料は昨日お渡ししていますから御確認いただいていると思いますので、御回答ください。

○国務大臣(西川公也君) この収支報告書への記載については、何度もチェックして万全を期してきたつもりでおります。しかし、それでもミスがあれば、事実を確認の上、収支報告書を訂正させていただきます。
 そこで、今、山田委員から指摘がありました。これ全くそのとおりでございまして、御指摘、むしろ私の方からお礼を申し上げます。
 本件については、記載すべき収入が記載されていなかったことが分かりましたので、直ちに収支報告書を訂正いたしました。支部から領収書を発行していることからも分かるとおり、これは単純ミスであったと私は思っております。

○山田太郎君 冒頭でも申し上げたんですが、先日の委員会で大臣の方は、政治資金については規正法にのっとって適正に処理してまいりましたと御答弁されています。本当にしっかり調査されたのかと。
 昨今いろいろなものが出てきておりますので、大変これは大臣にとっても不名誉なことかもしれませんけれども、我々、一緒に政治を担っている国会議員としてもやはり影響は大きいことであります。小事もきちっとされるということをもう一度世の中に訴えるために、改めて大臣の政治資金収支報告書の不記載がこれ以上ないのかどうか、徹底的な再調査をしていただいて、後日委員会に報告していただきたいんですけれども、いかがでしょうか。

○国務大臣(西川公也君) 報告書については、政治資金規正法にのっとり適正に処理をしています。
 そういう中で、私も何度も何度もチェックをしてきたのでありますが、この度記載漏れがあり、今日直させていただきましたが、このような不名誉がないようにこれからも努力をしてまいります。

○山田太郎君 こんな問題でずっと国会が審議がなかなか進まないということでは大変ですので、もうこれ以上は間違いはないと、こういうふうに考えてよろしいんでしょうか。

○国務大臣(西川公也君) 更にチェックを重ねて万全を期してまいりたいと考えております。

○山田太郎君 もう一つ、お手元の資料を見ていただきたいと思いますが、様々な農業団体から大臣の方は政治資金の方を受けていらっしゃいます。こうした政治資金が、大臣就任前ですけれども、西川議員、候補にまさに集まったと、この期待の大きさというのはただならぬものがあるなというふうにも思っております。
 ただ、国民誰しも、政治資金やパーティー券の購入というのは何らかの期待を込めてお金の提供をすると、そしてお金をもらったら何かサービスをするんじゃないかと、こういうふうに思うのは普通だと思うんですね。ましてや、大臣になって、お金をもらった農林水産業関係者にサービスしようと思えば、極端なことですね、できる立場にもなったと、こういうことなんだと思います。ましてや、お金をもらっているのは業界団体ですから、見返りは政策であり予算と、こういうことにもなりかねない。お金をもらった業界に関する改革はこんな状態でできるのかどうかといったところが非常に我々からしても危惧しているところであります。
 そういった意味で、国民の誤解を受けないよう大臣の在任中は農林水産業団体から政治資金の受領やパーティー券は辞退されるべきではないかと。特に、今、西川大臣、一生懸命調べたといってもまだまだ出てくるようですから、そういうことも踏まえて、是非その辺り、大臣ですし、今、農政転換期で物すごく大事な時期、国民の世論もしっかり支持を得なければ前に進まないと、政治は前に進まないと思いますが、いかがでしょうか。

○国務大臣(西川公也君) 農林水産大臣としましては、誤解を受けないよう、そして予算執行に限らず適正な職務遂行に邁進してまいりたいと考えております。また、寄附などを受け取った場合には、今後も政治資金規正法等にのっとり適正に処理してまいります。
 いずれにいたしましても、寄附を受けたことによって利益誘導を行うといったことはあり得ないと、こう考えております。

○山田太郎君 そこのところが、ちょっとしつこいようですが、大事でありまして、確かに今の大臣規範では業界団体からの政治資金の辞退までは求められていないんですが、この際そういうことがあってもいいじゃないかと思いますが、大臣の御所見、もう一度伺えないでしょうか。

○国務大臣(西川公也君) 国民の疑惑を招かないよう大臣規範にのっとって身を律してまいります。

○山田太郎君 時間がありませんので、政治資金の問題はまた後日取り上げる機会があったらやらせていただきたいと思います。
 さて、大きな方の話でありますけれども、昨年の今頃になりますけれども、先ほど話題にもなりました農地中間管理機構法案の件について少し質疑を進めていきたいと思っております。
 大変な膨大な予算を充てて、農地中間管理機構法案、臨時国会で昨年通ったわけでありますが、そのとき我が党としては、その予算の積算根拠、それから本当に実現性があるんだろうかと、こういうことを含めて実は反対の立場をさせていただきました。ただ、委員会も含めて本会議では賛成多数となり可決されて今に至っているところであります。
 そこで、これは安倍政権にとっても農政の大事な政策でありますので、今どうなっているのかなということを今回の一般質疑に合わせていろいろと調べさせていただきました。それで、農水省さんに今どういう状況なのかということを調べていただきましたらば、ちょっと三週間ぐらい掛かって大変だったんですが、その結果がお手元の二枚目の紙でございます。ちょっと見ていただきたいと思いますが。
 まず、農地中間管理機構、今年の八月末の段階で東京都以外四十六都道府県に設置されているようでございます。八月末の段階で、機構による農地の借受け面積、それから農地の整備状況、土地の貸付面積は資料のとおりということでありまして、特に赤でフォーカスしているところを見ていただきたいんですが、借受け面積は五百五十二ヘクタール、機構による農地の整備状況、これは耕作放棄地等は整備をしながら農地にするということでありましたので、それについてはないと。それから、機構から農地の貸付け状況は貸付け面積五百六ヘクタールだということであります。
 農水省さんから資料をいただきましたのでデータはこのとおりだと思いますが、問題は、予算を付けるに当たって、初年度十五万ヘクタールをやりますと。十五万ヘクタールの農地を借り受ける予定になっているということで、予算措置もそれを前提にした金額であると思うんですが、法律施行、半年たったわけでありますけれども、実際は約五百ヘクタールぐらいしか借りられていないんですね。これで本当に予定どおり十五万ヘクタールやれるのかどうか、大変心配でもあるんですけれども、その理由は一体何なのか。この辺り、大臣、教えていただけないでしょうか。

○国務大臣(西川公也君) 御承知のとおり、補正と本予算と組んで、これを積極的にやると、こういうことでやってきました。
 これから本格化してくるだろうと、こう思っておりますし、今まで農繁期でもあり、なかなか接触が十分でなかったと、こういう面もあったかと思いますが、私どもは十五万ヘクタールの目標を掲げておりますので、これを達成すべく最大限の努力を図ってまいります。

○山田太郎君 先ほど関連で郡司委員の方からも、米の価格が下がらない、それで米農家をやめようか、そういうものと政策がまさに一致しているんではないかというちょっとうがったような質問もされたんですが、本当に、じゃどうなっているのかなということで、今直近、県別の資料を実は私の手元にいただきました。五百五十二ヘクタールの借入れ面積のうち、実は半分は北海道なんですね。大規模にやっているところから半分借り上げても、本当に政策目標としてどうなのかと。その他、実際にできているところは山口県、これ、さすがに前大臣の御地元だったのかなというふうに思いますが、百五十四ヘクタールだそうでありまして、もちろん桁が全然違いますので、これを足し上げても大した数にならないんですが、あとは兵庫県で三十八ヘクタール、新潟では三十五ヘクタール、岩手三十六ヘクタールと、あと一桁ヘクタールぐらいということでありまして、ほとんどが県で実施、執行されているのかどうかということは疑問にも思うところであります。
 農繁期なのでできませんというような、実は農水省さんの御回答も事前にいただいていたんですが、であれば、やっている県があるのは何でなんだろうと、こういうことにもなるわけでありまして、こういうことを見ると、私自身も、むしろ要するに補正予算を確保して、使いもしないのに都道府県に基金として二百九十億円ばらまいたんじゃないかと、こういうふうにもうがった見方できると思うんですが、ちょっとこの辺り、大臣の方からも、一体どういうことなのか、御答弁いただけますでしょうか。

○国務大臣(西川公也君) 御指摘のように、金額の割には仕事の進み具合が遅かったと、こういうことは御指摘がされるかと思います。
 そこで、県単位でこれ基金として積んでいます。しかし、しっかり予算付けがあるんだということも、これから事業進捗に大きな力になってくると私は考えておりまして、今、貸したいと、こういう人の希望もたくさんありまして、目標は実現できるように最大限の努力をしていきたいと、こう考えています。

○山田太郎君 実は、耕作放棄地のうち耕地可能面積が大体十五万ヘクタール前後と言われていますので、これを無理くり充てて政策目標を達成しちゃうんじゃないかと私もうがった見方をしているんですけれども、そんなことがないようにしっかり大臣の方にはやっていただきたいんですが、ただそうなってくると、来年度予算、これから議論になると思いますが、概算要求でも五百七十六億円を更に要求しているんですね。これもどうかと思いますが、本年度末になっても、もし十五万ヘクタール、目標達成できない場合、大臣はどういうふうに責任を取られるのか。
 これはどうしてかというと、多分、大臣が責任を取ると言われないと、農水省さん、それから都道府県の現場も一生懸命やらないと思うんですね。これは本当に安倍政権にとっても農政の最大のいわゆる政策の一つでありますから、やるならきちっとやっていただきたい、こういうふうに思うんですけれども、大臣、その辺はいかがでしょうか。

○国務大臣(西川公也君) 私どもは最大の課題のうちの一つだと、こう思っています。
 それで、十五万ヘクタールを目標にしておりますが、今希望が出ておる借受け希望、二十三万ヘクタールが出ています。これが確実に実を結んでいけば十五万を達成できていけると。こういう数字ではありますけれども、いずれにしましても、収穫期が終わり、農地の利用調整が進めやすい時期になってきましたので、この目標を達成に向かって全力を挙げて努力してまいります。

○山田太郎君 今大臣の方から、借受け希望が二十三万ヘクタールあると。これも初めて聞いて驚いたんですが、それでは貸付希望はどれぐらいあるのか。そのギャップを埋めるために、この半年の間、行程とか施策というのは当然あるというふうに考えておりますが、その辺り、大臣いかがでしょうか。

○国務大臣(西川公也君) まず、受け手があって、今は貸したいという人もたくさんあるわけですけれど、とにかく借りてくれる人がいなけりゃ実際に耕作につながりません。そういう意味で、私どもはまず借受けの希望者を調べてみたと、こういうことでありまして、これから当然、貸したいと、こういう希望者についても状況を把握して、各県のこの農地中間管理機構の皆さんとともにこの仕事を進めていきたいと考えています。

○山田太郎君 残念ながら、今の農政に失望をして農地は出したい人が殺到していると。でも、その農地を借り受けてやりたいという人は本当にいるのかどうか、こんなうがった見方もできるんじゃないかと思いますが、今私が質問しましたようにそのギャップをどう埋めるかということが最大の政策のポイントだと思いますが、もう一度伺います。
 その辺りの政策、どんなポイントがあるのか、一つでも二つでも三つでも教えていただきたい。もしそれができなかった場合に、大臣の責任、別に大臣の責任だけを問いたいわけじゃありません。安倍政権の真剣度を伺うためにも、そこのところから始めなければ、農水省さん、都道府県一体となってこの政策、絶対に成功しないと思いますが、もう一度お伺いしたいと思います。

○国務大臣(西川公也君) 四十七都道府県で今四十六の管理機構ができています。そこで最も進んでいるのが、私どもは鹿児島県の仕組みは非常にうまく、あっ、熊本県ですか、失礼しました、熊本県です。これ間違ったら大変なことで、熊本県の皆さんは大変熱心にやってくれておりまして、これを全国に今知らしめています。なかなか、新しいことでありますから、先進地の事例を早く知らせると。それがなけりゃほかの県でも最初の取組が、動き出しが時間掛かると思いますので、私どもはこの優良事例を全国に分かっていただいて、努力を重ねていきたいと、こう考えています。

○山田太郎君 確かに熊本県は六・三ヘクタール上がっておりますので、桁が違っていると思いますが、ここ十一億円、各県よりも割と多い形で予算が配付されております。これ、無駄にならないようにやっていただきたいと思っております。
 まさに、平成二十六年予算と合わせると、約六百億円の国費が基金として都道府県に積み立てられています。どうも農水省さん、ALICさんの特会の方でも指摘したんですが、使いもしないのにお金をため込む癖があるのかなという気がしておりまして、やっぱり我々、私、民間出身ですけれども、お金は流れて価値がありますし、大切な元は全て税金でありますから、是非、これは安倍政権としても大事な施策でもありますし、国民の大切な税金が投入をされて、そのお金も既に都道府県の向こう側に行っているわけですから、これがどんどん基金として現金でたまっているよという異常事態を招かないようにやっていただきたいと。
 今日は残念ながら大臣の責任について聞けなかったんですが、改めてまた、引き続きこの問題やっていきたいと思います。
 時間になりましたので、私の質疑、これぐらいにしたいと思います。ありがとうございました。