2013.11.19

TPP、コメの生産調整について、質疑を行いました。

11月12日(火)、参議院農林水産委員会にて、質疑を行いました。

議事録(未定稿)
○山田太郎君 みんなの党の山田太郎でございます。
 本日も先週に続いて大臣所信に対する一般質疑ということで、TPPそれから米の生産調整ですか、について基本的な内容について質疑させていただきたいと思います。
 その前に、農水省さんには、御丁寧に五百八十六品目のタリフライン、回収を条件ということで拝見させていただきました。御配慮をいただきまして、ありがとうございます。
 さて、まずTPPということなんですけれども、我が国はその交渉で守秘義務があると、こういうことをお伺いしています。その内容を一切出せないということを重ね重ね承っているわけではありますが、しかしこれでは、交渉が妥結しても、協定文書とそれから関税の譲許表ですか、などを、協定附属文書としてこれしか公開されないんじゃないかという実は疑問がございます。協定の規定とか関税率がどうしてそういうふうになったのかということが分からないと、その後、国会に議論が移ってきた後、批准としての議論が十分にできないんではないかと。バックグラウンドを示すような文書がある程度公開されないと議論ができないんじゃないかと、そんな懸念も持つわけであります。
 そこで、TPP御担当の内閣府西村副大臣にお伺いしたいと思うんですけれども、協定の妥結というものが、一体それは何を示すものなのか。例えば政府代表の署名というのがその段階になるのか、またその妥結の後、いつどのような文書が公開されるのか、お答えいただければと思っております。

○副大臣(西村康稔君) お答えを申し上げます。
 先月、バリで開かれましたTPP首脳会合では次のような声明文が出されておりまして、交渉は大きく進展しているもののまだ困難な課題が残されており、年内の交渉妥結を目標として残された課題の解決に取り組むと、こういう趣旨のことで合意をなされました。つまり、ある程度進展はしたけれどもまだ残された課題があるということでありまして、その交渉妥結、御質問の妥結とは、ここの首脳間で合意がされたとおり、残された課題も含めて交渉参加国間で実質的な合意が形成された状態、これを交渉妥結ということだと思います。
 その後、交渉妥結の後、参加国間でその合意内容の主要点についてどこまでどういうふうに説明するかということの共通理解を得た場合には、達した場合にはその範囲でまた説明をするということになりますけれども、交渉妥結後、署名までは、協定文の整理、つまり各分野ごとに交渉して大体合意が得られたになるわけで、妥結したとなるわけですけれども、それぞれちょっと整理、分野ごとの条文の整理みたいなものも必要になってきますので、そういう整理とか、日本でいいますと、それを国内、日本語に直して、法制局の審査みたいなものがありますので、そうしたものを全部経た上で署名ということになりますから、通常、妥結から署名まではしばらく時間が掛かると、数か月ぐらい、今回は大部になりますから少なくとも数か月は掛かるんじゃないかなというふうに思います。
 その後、署名の後、協定の本体とか附属書が公表されて国会の審議いただくということ、国会で御審議いただくということになるわけですけれども、その段階になりましたら、当然、公開されている協定文、附属書以外に、その解釈はこういう趣旨であるとか必要な説明の事柄をしっかりと丁寧に説明して、できる限り情報提供をしっかりやった上で御審議いただき、批准をしていただくということになります。

○山田太郎君 ちょっと今の御答弁、曖昧な部分があるのでもうちょっとはっきりさせたいんですが、つまり、政府代表の署名があった後は直ちに例えば我々国会は、あるいは国会議員はそれを見ることができるということの解釈でよろしいでしょうか。

○副大臣(西村康稔君) 署名の段階では、今申し上げたとおり、協定文の整理とか法制局の審議なんかが終わった段階で署名しますので、その段階ではお見せすることはできると思います。

○山田太郎君 もう一つ再確認いたしますけれども、そうしたら、署名以降は協定文それから附属文書全て関連するものは出てきて、我々は見ることができるという判断でよろしいんでしょうか。

○副大臣(西村康稔君) 協定自体と、それからそれに関する附属書、これは公表されますので、御覧いただいて国会の審議に備えていただくと。その段階で我々としても、解釈はどういう解釈なのか、そういったことの御説明をしっかりしたいというふうに思います。
○山田太郎君 次に、TPPの守秘義務というところも少し触れておきたいんですけれども、各国代表が署名した書簡を交換して約束としているということなんですけれども、その守秘義務の内容を取り決めた文書というのがあると。我が国の場合は、ちょっと私も要求したんですが、見せてくれないということだったんですが、実はニュージーランドの方は堂々と外交通商部がホームページにひな形を公開しております。実は、皆さんに、お手元にお配りしたのがその一部のコピーでございます。
 これを少し確認したところ、昨日、内閣官房にもお伺いしましたら、おおむねこのひな形と同じ内容だと、こういうふうにお伺いしております。そうなってきますと、このひな形によると、TPP交渉文書、これは交渉中だったとしても、政府関係者、それから政府の行う国内協議に関する政府関係者以外の者に情報の提供が限られるということで、その者は見ることが逆にできるというような文書になっております。
 さて、そこでお伺いしたいんですが、我が国の場合は、この政府が行う国内協議に参加する政府関係者以外の者に交渉文書を提供する場合というのはあるんでしょうか、ないんでしょうか、お答えいただけますでしょうか。

○副大臣(西村康稔君) ニュージーランド外務省が公表しているものはあくまでひな形でありまして、ちょっと内閣官房、どなたがどう答えたか承知をしておりませんけれども、実際に保秘を、保秘契約を結んでいるわけです、契約というか保秘を約束しているわけですけれども、その文書提供を受ける対象にこの政府関係者以外の者が含まれるかどうかも含めて、これはお答えすることは差し控えたいというふうに思います。
 ただ、先般のバリの会合での首脳会合の声明においても次のようになっておりまして、「交渉を妥結するべく取り組むにあたり、国民の関心に適切に対応する最終的な協定を作り上げるため、ステークホルダーとの協議を更に強化する。」というふうになっておりますので、これは、関係国間でどのような形でどの範囲で公表するかというのは共通の理解を求めなきゃいけませんけれども、引き続き我々としても適切な情報提供には努めてまいりたいと思います。

○山田太郎君 ちょっとそこも曖昧なのでもう一度確認しますが、今の西村副大臣のお話ですと、これ、あれですか、政府関係者にも知らせることは協議の段階であるという認識なんでしょうか、ないという認識なんでしょうか。

○副大臣(西村康稔君) TPP関係閣僚会議におきまして、そこで一定の取決めをしておりまして、TPP政府対策本部で一元的に情報を集約して、情報を取り扱う者をあらかじめもう厳密に管理をいたしておりますので、その範囲でしか見れないということであります。

○山田太郎君 そうすると、政府関係者以外ではどんな方が見れているのか、ちょっとその辺もお伺いしたいと思うんですが、いかがでしょうか。

○副大臣(西村康稔君) 今申し上げたのは、政府内でのどういう情報管理をやっているかという仕組みで、政府以外の方が見れるかどうかも含めて、これは答弁を差し控えたいと思います。
○山田太郎君 じゃ、具体的に言いますと、例えば、自民党の政府関係者じゃない国会議員関係の方とか、それから、もしかしたらJAの方とか、そういう方々は見ることが、あるいは見ている、あるいは情報が伝わっている可能性はあるんでしょうか。

○副大臣(西村康稔君) 文書、この内容を提供を受ける者が政府以外の方が入っているかどうかということも含めて対外的には言わないということになっておりますので、答えは差し控えたいと思います。

○山田太郎君 堂々巡りなんでこれ以上はやりませんけれども、もう一つ気になるのは、これは仮に、ひな形と言っていますけれども、ニュージーランドのケースだという御答弁かもしれませんが、もう一つ、実は参加国が四年間内容を開示しないという項目も入っているんですね。そうなった場合に、例えば妥結した後、先ほど西村副大臣は直ちに様々な文書を出すというふうにおっしゃっていたんですが、それは大丈夫なんでしょうか。

○副大臣(西村康稔君) ちょっと正確に言いますけれども、妥結の後全て出すわけじゃなくて、妥結の後、条文の整理とか日本語に直すときの法制局の整理があります。その後に署名をすることになりますので、署名をした後は公表するということになります。

○山田太郎君 この文書では署名後四年間出ないというふうになっているんですけれども、署名をしたらば、もう一度繰り返して確認しますが、全ての文書は出るというふうなことでよろしいんでしょうか。

○副大臣(西村康稔君) 協定本体、条約文とか附属書は公表して、それで国会審議、御審議いただいて、我々批准の手続に入りますので、これは公表いたします。ただ、途中段階でのどんなやり取りがあったかとか、それ以外の資料についてはその限りではないということです。我々、できるだけ丁寧に背景とか条文の解釈とか御説明はしたいと思いますけれども、それには一定の制約があるということでございます。

○山田太郎君 例えば、関税の譲許表が出てきたところで、何でそういうふうに減ったのか、どうしてそれが対象になったのかが分からなければ、国会の中では十分な議論ができないと思うんですが、全て出していただくということにはならないんでしょうか。

○副大臣(西村康稔君) できる限り御審議のプラスになるように我々努力をしたいと思いますけれども、一定の制約のあるところは是非御理解をいただきたいと思います。

○山田太郎君 まだ批准までには時間があると思いますので、ちょっとこれはまた別の機会にやらせていただくことといたしまして、もう一つ、このTPPの内容と、今議論になっております秘密保護法との関係についても少しお伺いしていきたいと思います。森担当大臣、それから岡田内閣府副大臣、様々いろんな御答弁されているようでございます。
 このTPPの内容が特定機密に指定される可能性又はそれに当たるのかどうか、この農水委員会でもきちっと確認しておきたいと思いますけれども、是非この辺り、これは福岡政務官ですか、よろしくお願いします。

○大臣政務官(福岡資麿君) お答え申し上げます。
 TPP交渉に関する情報につきましては、特定秘密の保護に関する法律案の別表のいずれにも該当しないというふうに考えておりまして、特定秘密の指定の対象とはならないというふうに思っております。

○山田太郎君 もう一つ、農水省との関係も少し、これは大臣なのでしょうか、お話しいただきたいんですが、農水省として特定秘密に関するものがどれぐらいありそうかといった辺りについても是非お答えいただけますでしょうか。

○国務大臣(林芳正君) 今これは法律案ということで御審議をいただいておるということですが、この特定秘密の保護に関する法律案においては、行政機関の長が、一つ目は、行政機関の所掌事務に係る防衛、外交、特定有害活動の防止、テロリズムの防止に関する情報であって、そして公になっていないもののうち、その漏えいが我が国の安全保障に著しい支障を与えるおそれがあるため、特に秘匿することが必要であるもの、これを行政機関の長が特定秘密として指定するものとされております。
 農水省の場合は私ということになるわけでございましょうが、農林水産省においては、今申し上げた情報に該当するものとして特定秘密を指定することは現時点では想定されないと、こういうふうに考えております。

○山田太郎君 それでは、TPP交渉に係る行政情報なんですけれども、これ国家公務員法の方から少し質疑させていただきたいんですが、国家公務員法百条の守秘義務の対象となる秘密に当たる情報も含まれているかどうか、これ、お話しいただけますでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) TPP交渉のテキストなど、TPP交渉に関する情報については多種多様なものが含まれておると、こういうことでございますので、一概に申し上げることは難しいわけですが、秘密保持に関する所管、先ほど委員も取り上げられておられましたけれども、こういうものを交換した上で交渉に参加をしていると、こういうことでございますので、外交交渉が効果的に遂行される、そのことが阻害される危険性に鑑みまして、国家公務員法百条一項において、職員が漏らしてはならないとされている秘密に該当するものもあり得ると、こういうふうに考えております。

○山田太郎君 含まれているということですけれども、更にお伺いしたいんですが、与党の方に開示されているTPP交渉に関する行政情報というのは国家公務員法の秘密に当たるんでしょうか。

○国務大臣(林芳正君) 今申し上げました国家公務員法の百条一項で規定されている秘密とは、一般に知られていない事実であって、実質的にもそれを秘密として保護するに値すると認められているものと、こういうふうにされておりまして、最終的には司法により判断されるものと承知をしております。
 政府が与党と連携して交渉に臨むために、これに必要な情報については、これまでも与党議員からの要請に応じて、国家公務員法の規定に則しつつ可能な範囲で提供をしているところでございます。

○山田太郎君 そうすると、与党に与えても守秘義務違反にはならないけど、野党に漏らすと守秘義務違反だと、こういうふうにも聞こえかねないんですが、国家公務員法の守秘義務もかなり恣意的に運用されているのかなというふうに思わざるを得ないと思います。
 国民からすると、これ、我々国会議員ですから与党も野党もないわけでございまして、ちょっとその辺り、与党も野党もなく、分け隔てなく是非開示していただきたいと思うんですけど、いかがでしょうか。

○国務大臣(林芳正君) これは先ほど私が申し上げましたように、やはり連携して、与党と連携して交渉に臨むために必要な情報と、こういうふうに申し上げましたので、その範囲内で可能な、国家公務員法の規定に則しつつ可能な範囲で提供すると、こういうことでございます。

○山田太郎君 この問題、まだ時間もありますし、引き続きやりたいと思います。
 時間が迫ってきました。少し減反、生産調整の話もさせていただきたいと思います。
 生産調整なんですけれども、前回は税金の額を伺いまして、七兆六千億円ということがはっきりしました。今日は、じゃその生産調整によって転作された水田は何ヘクタールぐらいあって、また耕作放棄地、農地でなくなった水田というのは何ヘクタールぐらいあるか、是非数字の方をお聞かせいただけますでしょうか。

○大臣政務官(横山信一君) お答えいたします。
 米の生産調整は昭和四十六年度から本格実施されてきておりますが、現在までの間に助成金の対象水田として主食用米から麦や大豆等へ転換された累計面積は約二千六百万ヘクタールとなっているところでございます。
 また、平成二十二年の耕作放棄地面積は約三十九万六千ヘクタールでございます。生産調整を開始した昭和四十六年は統計を取っておりませんが、最も古い昭和五十年の耕作放棄地面積は約十三万一千ヘクタールで、それ以降、約二十六万五千ヘクタール増加をしているところでございます。
 さらに、昭和四十六年から平成二十五年までの田の壊廃面積の合計は約百七万五千ヘクタール、田の拡張面積の合計は約十二万二千ヘクタールとなっているところでございます。

○山田太郎君 この数は大変大きいというのは、ちょっと比較すると、本州の面積が二千三百万ヘクタールなので、延べではありますけど、それ以上の水田が対象であった。それから、特に壊廃の方に関しては、百七万五千ヘクタールという御回答いただきましたが、これ岐阜県と同じサイズの面積がこの間失われたということだと思っております。
 今回の国会でも、この委員会ではこの生産調整をめぐって様々な議論があるかと思っております。ただ、次の政策を考えるためには、このこと自身の例えば反省、良かった点、悪かった点ということをまとめていく必要があるかと思います。
 そこで、もう本当にお時間がないんですけれども、まず今回の生産調整又は減反政策、プラスだった面それからマイナスだった面を、例えば消費者それから生産者から見た場合にどんなことが言えるのか、是非お答えいただければと思っています。

○国務大臣(林芳正君) 戦後のこの米の生産調整の歴史をちょっと二、三分で言うのはなかなか難しいところがございますが、簡略にちょっとはしょって申し上げますと、実施当初はやはり主食用米の生産抑制の色彩というのが強かったわけですが、私が先ほど午前中にも申し上げましたように、今日的には水田のフル活用ということで、自給率、自給力の向上を図る観点で、非主食用米の加工用米や米粉用米、飼料米、こういうものや大豆や小麦等にシフトしたと、こういうようなことになってきたと、こういうふうに思っております。
 プラス面としては、米の需要に応じた生産が行われるという、水田の有効活用が行われるということがあったと思いますが、他方、米の生産調整は今実質的には選択制となっておりますけれども、さらに、やはり農家自らの経営判断で需要に応じた生産を行える環境を整えていく必要があるということは申し上げてきたとおりでございまして、進め方についても、今まで議論があったように、現場に混乱を招かないように地道な取組の積み重ねによってやってまいりたいと、こういうふうに考えておるところでございます。

○山田太郎君 時間がなくなったのでこれで締めたいと思いますが、いずれにしても、生産調整の話、今後の農政のビジョンの話、しっかりこの委員会でもいろいろ質疑をさせていきたいと思っております。特にシミュレーションですね、今後どうなっていくのか。これは生産農家ばかりではありません、国民側からも見た場合にどういうふうに農業を考えていけばいいのか、農作物を我々国民側としてもどういうふうに考えていけばいいのか、こういうことにもなるかと思っていますので、しっかりした議論を求めて、私の質問を終わりにしたいと思います。
 ありがとうございました。

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