2014.10.9

農協改革、規制改革会議について、質疑を行いました

6月19日、農林水産委員会にて質疑を行いました。
議事録(未定稿)

○山田太郎君 みんなの党の山田太郎でございます。
今国会、今日が通常国会最終戦ということでありまして、お花もあるし、何か穏やかにやろうかなというふうに思っていたのでありますけれども、規制改革会議の話をどうしても触れざるを得ません。ちょっと殺伐とまたするかもしれませんが、大事なことだと思っておりますので、しっかり議論していきたいと思っています。
今回、農業改革に関する意見というのが出て、その後、二次答申というのが出ました。その間、いろいろ記事がありまして、農協改革腰抜けとか、それから農協改革、この秋山場とか、中央会制度廃止断念へと、こういろんな記事が躍ったのでありますが、一転、昨日の衆議院の農水委員会の方で後藤田副大臣の方のいろいろ御発言もあったりして、いや、実は全中の改革はやっていくんだと、こういうような議論がありました。何が何だか分からないというところもありますので、一つ一つ今日は、重要な問題ですので、しっかり内容をただしていくと、こういう形で分かりやすく質疑ができればなというふうに思っております。
まず、どうしてこういうふうに随分右によれたり左によれたりということになっちゃったのかということで、答申がまとまっていく途中のプロセスについても少し確認していきたいなというふうに思っております。
まずその前に、先週十三日の規制改革会議の答申については総合的にどのように受け止められているか、スタートのところ、農水大臣、林大臣の方から少しコメントをいただけますでしょうか。

○国務大臣(林芳正君) この農協、農業委員会、農業生産法人に関する見直しにつきましては、まず与党において農業、農村の発展のために熱心に御議論をいただきまして、十日に農協・農業委員会等に関する改革の推進について、これを取りまとめていただきました。十三日に、今お話のあった規制改革会議から規制改革に関する第二次答申が出されました。今後、与党の取りまとめと規制改革会議の答申を踏まえて、農林水産業・地域の活力創造プラン、これに適切な改革の方向を盛り込んだ上で、次期通常国会に関連法案を提出できるように検討を深めていくことになると思っております。
私としても、農業者、特に担い手の農業者から評価をされまして、農業の成長産業化に資する改革となるように真剣に検討していく考えでございます。

○山田太郎君 今大臣の方からも簡単な概要、日程観についてお話しいただいたんですが、まず、十三日の規制改革会議の答申の、それに先立つ六月六日ですね、これも規制改革会議が行われております。そこでは各分野の答申の素案というのが議論されているようですが、農業分野の答申だけは全部ペンディングというような状況になっておりました。なかなかまとまらなくて大変だったのかどうか、ちょっとそんなことも感じるわけでありますけれども、その当時の、農業分野の答申の検討が当時先送りされていたという理由があれば教えてください。

○副大臣(後藤田正純君) まず、委員から冒頭お話あった、いろいろ、我々規制改革会議としてのいわゆる事実関係として、意見が出たこと、またそれまでのプロセスの御説明を衆参の委員会でも述べさせていただいております。
しかし、それを受けて、やはり今後、農水省さんを中心に法律改正も含めてやる上では、皆様方立法府の方々の御意見も拝聴しなくてはいけません。また、その背景にある国民そして農業関係者の方々の意見も聞くというのは当然のことだと思います。
ですから、そういう中でいろんな、紆余曲折という言葉がございましたけれども、そういった中で物事を決めていかなければいけない、そういう中ではいろんな議論をしていくというのは当然だと思います。
その中で、六月六日、ペンディングということで、今御質問ございましたが、これにつきましても、今申し上げましたように、与党におけます検討、協議の継続がそのときもなされており、関係者の方々、また与党の関係者の方々が大変汗をかいていただいておったわけでございます。そういう与党プロセスをお待ちしていたということで、そのときの六月六日には農業分野につきましてはペンディングとさせていただいたというのが事実関係でございます。

○山田太郎君 その規制改革会議の資料を内閣府から今回いただいているんですが、農業分野の答申の文案については、金丸座長の指示に基づいて内閣府の事務局が書いたというふうにレクの方ではお伺いしています。答申の文案に関しては、金丸座長の方からいつどんな形で指示があったのか、メールなのか電話なのか等も含めて少し教えていただければと思います。

○副大臣(後藤田正純君) 六月の十一日でございますけれども、これ、委員からも事前に我が方の事務方とも、前日ですか、お話あったかと思いますけれども、今までの意見を、ワーキンググループの中の意見も踏まえて、その中でも、我々事務方ももちろん改めて入りながら、金丸座長から我々の規制改革推進室に対しまして答申の原案の作成についての文書化の指示がございました。
これはもちろん、先ほども申し上げましたように、いろんな与党プロセスを始めとした部分も踏まえて、そういった形の文書化の指示が六月十一日になされたというのが事実関係でございます。

○山田太郎君 中身についても少し、大事なのでやっていきたいと思うんですけれども、まさにこの改革案、政府とか政党から独立して、言わばどちらかというと中立の立場で大胆な提案をすると、こういったところには実は本当は意味があるんではないかなと、こんなふうにも思っているわけであります。
ただ、中身について、じゃどう変わっていったのかという話について少し見ていきたいと思うんですが、お手元に、今回資料を整理をさせていただきました。農業改革に関する意見と、それから今回の第二次答申というものがどのように違ってきたのかという辺りですね。そういう意味で、じゃ第二次答申の本当の意図するところ、何が実は言いたいのかという辺りも確認できればというふうに考えています。
まず第一に、都道府県の農業会議、それから全国農業会制度の廃止ということに関して、元々の農業改革に関する意見というところでは付いておったんですけれども、新たな制度に移行すると、こういうふうな書きぶりに実は変わっています。この辺り、考え方は変わっていないのか、何かが変わったのか、まずこの辺りから少し教えていただけますでしょうか。

○副大臣(後藤田正純君) 私どもは、規制改革会議のワーキンググループ、総理の諮問を受けて、それを意見を出さなければいけないというミッションがございまして、その中で、いろいろな方々のヒアリングも含めて、また今後の農政、農業改革の在り方につきまして意見を述べさせていただいたわけでございますが、この我々の意見というのは、あくまでその時点での意見でございます。
先ほど申し上げましたように、その後の国会の審議、先生始め多くの方々の御審議ももちろん当然我々はしっかり踏まえなければいけないという思いでございます。そういう中で、最終的な答申につきましてはこういう文言になっているということでございます。あくまで我々の意見が答申に移る過程においては、国会また与党のプロセスも踏まえてやっていくということが、物事を決めるという意味では、進めるということでは重要だと考えております。

○山田太郎君 まさに今、後藤田副大臣が言われたこと、それはそのとおりの部分もあるんですが、非常に気になっているのは、六月十日に出ました自民党さんからの案のもしかしたら丸のみになっているのではないかというところも感じておりまして、それはちょっといい悪いということよりも、どういうふうに元々のトーンが変わって、最終的にどうなったのかということを、大事なことですのでフィックスさせたいというのがこの場であります。まず、いい悪いと言う前に、その答申がなかなか分かりにくくなっているという危惧があるので是非個別に聞きたいということなので、プロセスはともかく、中身についていろいろ教えていただきたいと思う趣旨で進めていきたいと思っております。
二点目なんですけれども、権利移動の在り方の見直しというところについても少し見ていきたいんですが、許可制から原則として届出制に緩和するというのが元々まとめられておったわけでありますが、新しい答申の方では記載なしということになりました。これは許可制を届出制に緩和するということに関しては、新しい答申の方では断念したと考えればよろしいんでしょうか。

○副大臣(後藤田正純君) これにつきましても、一つの意見として規制改革会議としては出させていただきましたけれども、与党プロセスの中でこういう結果になったということでございます。

○山田太郎君 それでは、また確認していきますが、今度は農地を所有できる法人、農業生産法人の見直しという辺りも少しお伺いしたいんですが、いわゆる事業要件ですね、今農業が売上げの過半を持っていないと基本的に農業法人ができないということに関しては、事業要件は廃止というような元々の案がありましたが、新たな二次答申ではそれらの事業要件に関する記述はありません。その事業要件廃止ということに関しては変更されたという理解でよろしいんでしょうか。

○副大臣(後藤田正純君) そのとおりであります。

○山田太郎君 次に、農協の辺りも少し聞きたいと思います。農業協同組合の見直しという辺りに少し移っていきたいと思います。多分、今日の議論の中でも一番重要というか、マスコミでも大きく報道されております中央会制度の廃止の問題に関して少し触れていきたいというふうに思っております。
元々の農業改革に関する意見ということでは、中央会制度の廃止を明確にうたっていると。農業協同組合法に基づく中央会制度を廃止と、こういうふうにうたっているわけでありますが、新たな二次答申においては、新たな制度への移行というふうな書きぶりに変わっているわけであります。適切な移行期間を設けた上で、これは五年を目途というような議論も元々あったようでありますが、現行の制度から自律的な新たな制度に移行ということでありまして、明確に中央会制度の廃止ということが文言からは消えているように思っております。
ただ、いろいろレクも含めてお伺いしたところ、とはいうものの、中央会の役割というのは前とは随分変わりましたと。元々、中央会は、たくさんつくられてしまっている農協を統廃合するために強烈ないわゆる指導権限を持つと。強力な指導権限を持つということを立て付けにこういった力を与えたということだったんだけれども、七百にその数も減ってきたし、もう少し現場がこれからはどうしていくのかということを考えなければいけないということであって、そういう意味では、中央会の制度の仕組みそのものは、この新たな第二次答申においても役割が変わらなければならない、こんなふうにお話を伺っています。
中央会が単協の自由な経営を制約しないように、その在り方を抜本的に見直す必要があるということも答申の方には残っておりますので、その辺り、前と何が変わったのか。書きぶりが変わっただけで、実は中身、最も重要な強力な指導権限を持つといった部分については、それを変えていくということは変わっていないのかどうか、非常に重要なところですので確認させていただきたいと思います。

○副大臣(後藤田正純君) まず、事実関係から申し上げますが、農協改革でございます。この五月二十二日の意見の中央会制度の廃止という項目でございます。その中身の文章は、単協が地域の多様な実情に即して独自性を発揮し、自主的に地域農業の発展に取り組むことができるよう、中央会主導から単協中心へ、系統を抜本的に再構築するため、農業協同基本法に基づく中央会制度を廃止し、中央会は、新たな役割、体制を再定義した上で、例えば農業振興のためのシンクタンクや他の団体等の組織としての再出発を図ると、これが正確な文章の文言でございます。
そういう前提を踏まえて、御承知のとおり、農協の中央会につきましては、農協法が二十二年にできておりますが、中央会につきましては、昭和二十九年に農協に対する強力な経営指導により農協経営を再建するために導入された特別な制度でありまして、全国段階、都道府県段階にそれぞれ一つに限り設立されたと。こういう背景の中で、今申し上げましたように、現行の制度から自律的な新たな制度に移行するという今の答申を含めて、また、新たな制度は、単協の自立を前提としたものとし、具体的な事業や組織の在り方については農協系統組織内での検討も踏まえて関連法案の提出に間に合うよう早期に結論を得るという形で、答申という形で変わっております。
よく全中制度の廃止が、全中の廃止だとかそういう、何というのか、ネガティブに聞こえてしまったというのは、これはなかなか残念でございますけれども、我々は廃止ありきということではなくて、新たに再出発していただきたい、そして単協という組織を更に力を付けていただきたい、そして中央会さんも、例えば経団連とか同友会さんは法定されていない組織でございますけれども、どんどんどんどん政府に対しても政治家に対しても要求していく、要望していく、こういうことがもう今現実のこの世の中では可能でございますので、そういうことも含めて新たに中央会というものの在り方を改革していただいてもよろしいのではないかという中身でございますので、私どもの最初に出した意見から答申への変化につきましては、私どもは現在の中央会制度とはかなり違うものになるというふうに考えておりますので、後退という言葉は当たらないと思います。

○山田太郎君 今、済みません、後藤田副大臣の御発言の中で、何か中央会が政治に対しても発言をどんどんしてくるようにと言われたんですけど、ちょっと中央会さんの元々の制度の立て付けとは随分違っていると思いますので、何となくそうだったのという話でびっくりしているところもあるんですが。
もう一度確認したいんですが、重要なポイントは、この中央会の制度の本質は強力な指導権限を持っているというところ、これが結局、現場の単協の自由な経営の阻害につながっているのではないかというところが論点だったと思うんですね。これに関しては、まあ書きぶりはいろいろあるものの、見直すべきなんだということについては変わらないのかどうか、その辺りをもう一度確認させてください。

○副大臣(後藤田正純君) 中央会につきましては、補足しますが、いわゆる単協への指導もそうでございますが、やはり建議するという、そういった部分の法律的にも文言がございますので、それは一つ今申し上げておきたいと思います。
今の御質問でございますけれども、先ほども申し上げましたように、現在の制度とは違った形に変化していくことが農協及び農家の方々、そして国民経済に利するという農協法の第一条にまさに適合し得ると、このように考えております。

○山田太郎君 次は、全農の株式会社化という辺りについても確認させていただきたいんですが、全農を株式会社に転換すると、これが元々の農業改革に関する意見書の中で当初あったものが、今、何かよく分からない、随分長い書きぶりになっているんでありますが、とはいえ、最後のところ、農協出資の株式会社に転換することを可能とするために必要な法律上の措置を講じると、その上で、独禁法の適用除外がなくなることによる問題の有無を精査して、問題がない場合には株式会社化を前向きに検討するというふうに言っておるんですが、というと、私は、素直に読むと、結局全農を株式会社化に転換しなさいと。ただし、ただし文が付いて、何か独禁法が外れちゃうということに関しては精査しておくのよと、こういうふうに読めるわけですけれども、この辺りも大事なところですから、正確に教えていただけますでしょうか。

○副大臣(後藤田正純君) これも繰り返しになりますが、やはり全農という組織というものが、何度か委員とも議論させていただきましたけれども、農家の方にとっての仕入れ機能、そしてまた販売機能というのが果たして農家の満足を充足させているか、こういった起点から、全農につきましても、これからどんどん株式会社となって、バリューチェーンの構築を始め、どんどん世界に出ていっていただきたいと、そういう形の改革案でございました。
今の御議論でございますが、御承知のとおり、独禁法の適用除外ということで法人税の減免という部分もございますけれども、これも繰り返しになりますが、与党のプロセスの中で、全農という一つの組織が、いわゆる農業協同組織の発達を促進する上での必要性も鑑みながらこういう文言にさせていただいたということでございます。

○山田太郎君 何となく今の、済みません、答弁で分からないところがあって、多分、道として、全農さんは、株式会社化することによって資金調達ができる自律的な組織といったものを目指せという道と、もう一つは、独禁法の適用団体として一種の販売とか購買のカルテルを結んだ、まさに協同組合に近い組織として立て付けるのか、これは大きく違うんだと思っています。
どっちも一長一短あると思うんですけれども、どちらを志向して新たな二次答申は作られているのか。明らかに農業改革に関する最初の内容では、全農を株式会社にと、まさに後藤田副大臣おっしゃられたように、グローバルに展開する場合にはやっぱり資金も必要でしょう、そういった形での株式会社化ということを明確に打ち出していたと思うんですが、ちょっと二次答申に関しては違う道を両方選べないわけでありますから、どちらの方を向いて提言をされているのか。そうでないと答申が何を言っているか分からないので、その辺り、少し明確にしていただけないでしょうか。

○副大臣(後藤田正純君) 今委員もいみじくも御指摘ありましたように、改革というのは一長一短ございます。そういう中で、ここに書いてありますとおり、いずれも株式会社に転換することを可能とするための必要な法制上の措置を講じるということを明記しておりますし、後段におきましても、株式会社化を前向きに検討するよう促すということを明記させていただいておりますので、いわゆる当初の意見というものを尊重していただきながら、しかし、先ほども申し上げましたとおり、全農組織、そして農家、農協の皆様方の御理解を得ながら進めていただきたいというような文言にさせていただいたところでございます。

○山田太郎君 言い方は悪いんですけれども、実はそれじゃ決まっていないと言っているのと同じ感じに聞こえまして、ここはしっかり、どこか答申はっきり今後させていただきたいなと思っております。
もう一つ、信用事業に関して、ちょっとこの表にはないんですが、信用事業ですね。JAバンクさんと農林中金さんとの関係というのもあるんですけれども、このいわゆる二次答申を見ていると、ごちゃごちゃいっぱい書いてあるんですが、正直言ってよく分かりません。とどのつまりは、経済事業とそれから信用事業は切り離して、独立してやっていけるということを思考して実は作られているのかどうか。例えば、文章の中には、単協が自立した経済主体として利益を上げ、組合員への還元と将来の投資に充ててくださいと、こう書いてあるので、一見すると、信用事業とも切り離し、経済事業としてしっかりやっていくんだ、こういうふうに書いてあるかにも思えるんですが、その信用事業と経済事業との関係性は今後どうあるべきだというふうに二次答申は言っているのか、整理して教えていただけないでしょうか。

○副大臣(後藤田正純君) 御承知のとおり、今回の農業改革は、特にいわゆる経済事業、本来の農業経済活動という収益が非常に厳しい状態の中で、信用事業、共済事業の利益で言わば補填をするような形になっている、このことに私どもは問題を提起をさせていただいたところでございまして、しからば、より農家の方々をしっかりサポートするための経済事業に特化していただく、そこに力を集中していただくというのが私どもの考え方でございます。より単協の皆様方に事務負担をなくしていただいて、そして、この委員会でも先生に答弁させていただいたように、いわゆる代理店的な形でいわゆる事務負担を減らしていくという形で当初から申し上げてきたところでございますが、いずれにしましても、大きな方向としましては、冒頭申し上げましたように、経済事業に専念をしていただく体制をつくるということが我々の思いでございますので、その方向で是非お願いしたいということでございます。

○山田太郎君 経済事業に専念すると同時に、単協は買取り販売を数量目標を定めて段階的に拡大するとか、調達先を徹底比較して最も有利なところから調達すると。まさに行間を読めば、まさに、これは大臣もおっしゃっていましたけれども、担い手のために農協が、特に単協を中心に買取り販売というわけでありますから、在庫責任をきちっと持って売れと。それから、コメリさんなんかに負けて、農協の方が高くいわゆる飼料代が付いちゃったとか、そういうことはないようにということなんだと思いますが。
ただ、もう一つ大事なのは、この委員会でも幾つかほかの委員からも議論出ていたんですが、果たして農協が今後も、とはいうものの、確かに担い手を向いたとしたとしても、経済事業だけで自立してやっていけるのかどうか。信用事業がその経済事業の穴を埋めているという議論も実はさんざんありました。いい悪いは除いて、私は、できれば単独で、経済事業だけでやっていけることの方がしっかりしたことなんですが、じゃ、切り離すという議論をした場合にどんな道があると考えているのか、答申の中ではどんな議論になっていったのか。あるいは、第二次答申としてはその辺りはどう触れているのかあるいは触れていないのか、その辺りも少し御意見いただけますでしょうか。

○副大臣(後藤田正純君) 事実関係としては、答申では触れておりません。ただ、今までの議論で、まさに委員おっしゃるように、今の現状がそうだからといって、すぐに共済事業、信用事業を切り離すということは、これはもう現実的にはあり得ないことだと思います。
ですので、改革というのは、これは時と、やっぱりいろんな関係者との折衝が必要でございます。ただ、私どもの規制改革会議のミッションは、その方向性を示す、何もやらない、やらない理由を言うということではなくて、政府としてやはり結果を出す、前に進めるという形の中で意見、そして答申という形になった次第でございますので、今のお話につきましては、答申につきましての意見は述べておりません。

○山田太郎君 最後に、組合の在り方という辺りも少しお聞きしたいんですが、元々は、准組合員の事業利用は正組合員の事業利用の二分の一を超えてはならぬと、こういう明確な線を引いていたようですが、新たな二次答申では一定のルールを導入すると、こういうふうになりました。
実は、これに関しては、この農業改革に関する意見の前にかなり農協に関する議論があった中で、政府の方から准組合員の利用率が高いというのはおかしいというさんざん議論があって、それから、二分の一ぐらいがガイドラインではないかなんという別の答申もあった中から見ると、随分ここは後退しちゃったような感じはするのでありますが、これ、元々ずっとそんな議論がされていたのに、ここに来て、特に二次答申になってこういう形になったというのは何か理由があるんでしょうかね。

○副大臣(後藤田正純君) 委員おっしゃるように、いわゆる農協法の中で、先ほど来の独禁法の問題もそうでございますが、いろんな意味での役割というものがございますし、元々、農業者、そしてそれをしっかり守るために、生産性を掲げて、農業者の経済的社会的地位の向上を図り、もって国民経済に資するという第一条、こういう現状からすると、昨今の現状はいささか当初からは違ってきたという中でこういう意見が規制改革会議の中で出されたわけでございますが、しかし、それをすぐにそういう状況にはなかなか難しいんではないかという御議論が与党プロセスの中でも、国会審議の中でもあった。そういう中で、それは一定のルールをやはり導入すべきでないかという答申にさせていただいたところでございます。

○山田太郎君 ありがとうございます。
林大臣にお伺いしたいと思うんですが、規制改革会議のこの答申案なんですけれども、元々の改革会議意見という書きぶりとは随分変わってきた。ただ、多くが中身は一緒なんだというような後藤田副大臣などからの御答弁なんかもあったと思います。今後は農林水産省の方に舞台も移ってきて政府としてどういうふうに進めていくのか、又は関連法の改正ということになれば国会でもしっかり議論しなければいけないと思っております。
ただ、私の感想を言わせていただきますと、第二次答申は、多分何となく自民党さんの御意見もいろいろ入れたからなんでしょうけれども、ますます分かりにくくなったところもあると思いますので、是非その辺りは整理してしっかり、まさに大臣がおっしゃっている担い手のための改革ということをやっていただきたいんですが、何か今のやり取りを聞いていて、ここはとか、感想とか、御決意とか、いろいろいただければと思っていますが、いかがでしょうか。

○国務大臣(林芳正君) 実は私、昔、今の後藤田副大臣のポストをやったことがあるんです。内閣府副大臣で、当時、規制改革それから公務員制度改革というのを担当しておりまして、当時の大臣は誰かというと渡辺大臣だったわけでございまして、だから苦労したということを申し上げるつもりはございませんけれども、大変に今、後藤田副大臣が分かりやすく御答弁いただいたように、規制改革会議の意見というのは、そういう総理に対する諮問機関ということでいろんな意見を言って議論を喚起していただくということでありましたけれども、私も申し上げましたし後藤田副大臣からもありましたように、その廃止というのがどうも見出しの的に独り歩きをしていってしまったというのがちょっと反省点というか、残念なところだったなということはありますけれども。
今お話しいただいたように、与党プロセスも経てしっかりと、私の、昨日の衆議院の委員会ではそったく同機という言葉を使わせていただきましたけれども、やはり改革というのは、これにとどまらず、一般論としてもそったく同機、すなわち一緒になってみんなでやっていこうということがないと、単に我々が決めて押し付けても、当事者がそれでやっていこうということにならなければ結局改革ができないということになってしまいますので、しっかりと内部でも議論をしていただいて、今のままで、全部このままでいいというのは関係者を含めてどなたも思っていないわけでございますので、そういう意味でしっかりと、冒頭申し上げましたように、農業者、中でも担い手農業者のためになるような改革をしっかりとまとめていきたいと、こういうふうに思っております。

○山田太郎君 まさにそのとおりだと思うんですが、何となく総花的にいろんなところに手を付けちゃったので、やっぱり改革というのは言えば反論もいっぱい出てくるわけでありますから、豪華一点主義とは言わないですけれども、どこが優先順位なのかということを是非設計し直した方が、ちょっとこれを全部やっていこうと思うと、制度を全部、農協をひっくり返すのかと、こういうことにもなっちゃうわけなので、進め方というのはこれから重要だと思っておりますので、特にその優先順位ですね、これは何が何でもやり切るというところだけは決めていただいてしっかり前に進めていただくのがいいんじゃないかなというふうに思っております。
さて、ちょっと残りのところをがらっと雰囲気を変えまして、今国会この雰囲気で終わるのも嫌なので、和食レセプションについて少しやりたいと思っています。
今年の五月に、パリのOECDの本部で和食のレセプションが行われました。総理も出席されて、農水大臣も出られたということであります。五月五日に昼、夕、夜で三回行って、昼間はフランスの大統領も来られたということであります。
この和食のレセプションなんですけれども、昨年の十二月に和食がまさにユネスコの世界遺産ということになりまして、平成二十三年から非常に関係者は苦労されて、二年間も頑張ってきたということだと思っております。
しかし、私の方で実はそこを興味を持ちまして、調べてみましたら、お手元のちょっと資料を見ていただきたいんですが、この出された和食なんですけれども、当時ですね、カモ肉の胸肉焼き鳥ソースというメニューに使われたものは、カモはフランス産、サケ握りに使われたサケはノルウェー産の養殖物、あるいはすしに使われていたタイやヒラメ、ウナギ、エビもパリの市場で買ってきたと。で、おだしのかつおぶしに至ってはベトナム製だということでありまして、和食の魅力を広めるのであれば、日本のおいしい食材を使うべきだったんじゃないかなというふうにも思っているわけでありまして、どうして日本のカモとかサケとかエビとか使わなかったのかなというふうに担当者に聞きましたらば、準備に間に合わなかったと、こういうふうな回答がありました。
どうして、こう間に合わないなんてことがあるのか。日本食をデビューさせる、ある意味で、これは変な話ですけれども、詐欺と言っちゃうと怒られますけれども、和食のレセプションでその素材が和食じゃないみたいな、これでいいのかなという気はするんですけれども、何でこんなになっちゃったのか、是非お答えいただけますでしょうか。

○国務大臣(林芳正君) 多少雰囲気が変わると期待しておりましたが、そういうお問合せでございますので。
一連のレセプションで、天ぷらそれからミニ天丼等々、今御紹介いただいたメニューを出しました。検疫手続というのがございまして、かなり時間がこれに掛かるということで、やはり現地調達をせざるを得ない食材もあったということでございます。
それから、たしか私の聞いたところですと、かつおぶしはまだEUのいろんな規制があって、日本から持っていくのが難しいと、こういうこともあるようでございまして、逆に言いますと、今後、このメード・バイ・ジャパン、日本食がもうここまで来たということでありますから、これをメード・イン・ジャパンの日本からの輸出につなげていくために、どういう課題があるかということも今のかつおぶしの例でも分かってきておるわけでございます。したがって、こういうことを一つのまた契機として、いろんなことがスムーズに行くように、今回、一回のレセプションですから、量も限られておりますけれども、本格的な輸出ということになりますと、継続的に大きなロットで動いていくと、こういうことになりますので、しっかりとやっていきたいと思います。
また、和牛、米、ホタテ、昆布、こういうものは日本産食材も調達させていただいて、特に和牛についてはBSEがあった後、初めての解禁だったということもあって、大変好評でございまして、私のところに食べた方から今日はお代わりはないのかということが相次ぎまして、お代わりが欲しい方はこの今日作っていただいたシェフのレストランのところへ行ってくれと、こういうことを申し上げたところもあったわけでございます。
御指摘を踏まえて、しっかりと取り組んでまいりたいと思います。

○山田太郎君 なかなか、結局野党ですし、キャラが変えられなかったかなというふうに思っていますけれども。
本当にこの農業の改革に関しては、いいとか悪いとかということよりも、自由な議論というのが一つはすごく重要だと思っておりまして、官邸は今回大きな問題意識を持って、こういう意見をまとめてきて、そして政府、もちろん与党との協力も必要でしょう。我々国会議員全員でどうあるべきか、これを一時の感情であったりとか、どこから指示されているかということは一旦置いて、私も含めて、是非前向きな議論をしていく必要がもう本当に差し迫っていると、このことは認識して、これからも秋に向けて山場だというふうに記事にも書いてありましたから、特に後藤田副大臣にはひるむことなく、内閣改造、今後どうなるか、よく知りませんけれども、力強い方が自民党の中にもたくさんいらっしゃるでしょうから、良い日本の農政のために頑張っていっていただきたいなというふうに思って、今国会、通常国会の私の質疑、これで締めくくらせていただきたいと思います。
本当にどうもありがとうございました。