2023.5.15

地方デジタル特別委員会〜マイナンバー法改定案について〜(2023年5月12日)

〇山田太郎君 自由民主党の山田太郎でございます。

私も、実は古巣で前の政務官を、デジタル大臣政務官をやらせていただいていまして、本法案は内部でも検討してきた本人でもありまして、とはいえ、今日は厳しくやりたいと、こう思っております。

ただ、デジ庁さん始めとして官僚にばかり厳しく言っていても駄目で、やっぱり立法府が自らを律する必要もあると思っています。デジタル化、働き方改革とも関連していくと思うんですが、例えば、今回を含めて、質問の通告が各会派、各党でちゃんと定時に行われていたのか、いるのか、その辺りを、冒頭でありますけれども、お伺いしたいと思います。

〇国務大臣(河野太郎君) ありがとうございます。

霞が関の働き方改革も、国家公務員制度を担当しておりますので、非常に大事だと認識しております。

おかげさまで、今日のこの委員会は、お一人を除いて質問通告を定時までにしていただきました。ありがとうございます。

〇山田太郎君 やはりまず我々が律しないと、幾らデジタル化をしたとしてもなかなか生産性は上がらないということだと思っておりますので、我々立法府、心を改めていきたいなと、こう思っております。(発言する者あり)

いや、じゃ、済みません、会場の方からも呼ばれますので、どの会派さんから遅れてしまったのか、教えていただけますでしょうか。

〇国務大臣(河野太郎君) お答えをしていいのかどうか。よろしいですか。

本日の最初の質問者六名からは定時以内に御質問を通告をいただいたところでございます。

〇山田太郎君 ということで、これ以上これをやっても仕方ないので、我々自身が厳しく律していくということにしたいと思っております。

さて、最初の質問入っていきたいと思うんですが、これも、これはデジ庁に厳しく問われなければいけない、マイナンバーカードを利用した住民票等のコンビニ交付において、その住民票等の発行で別人の証明書が発行される不具合が起こったということであります。本年三月から相次いでおりまして、三月二十七日には徳島、横浜、そして五月二日に川崎ですか、本当に信用を失墜してしまうんではないかということで、ちょうどこの議論をしている最中にこういうことが起こるということは本当にゆゆしきことだというふうに思っています。

政府としてこの問題を把握したのはいつなのか、また五月九日までにどのような対策を講じたのか、また原因と再開の目途はどのようになっているのか、お答えいただければと思います。

〇政府参考人(村上敬亮君) お答え申し上げます。

コンビニ交付サービスについて、システムの不具合により別人の証明書が交付される事案、最初に政府として問題を把握したのは、横浜市で最初に事案が発生した翌日の三月二十八日でございます。個人情報の保護に関する国民の皆様からの信頼を傷つける重大な事故であり、誠に遺憾であると考えてございます。

その後のいずれの事案も富士通Japan社が開発したアプリケーションを原因とするものであり、まず、総務省とJ―LISからの要請によって、他社システムも含めて、コンビニ交付システム及びこれと連携するシステムの総点検を進めるなどの対策を進めていたところでありますが、四月二十八日、五月二日、再度にわたり誤交付事案が判明したことを受け、二度とこうした事態が起こらないよう、今度はシステムの運用を停止してでも徹底的に再点検をするよう、五月八日に改めてデジタル庁から要請を行ったところでございます。

現在、開発ベンダーの方で対象となる全自治体に停止を要請をし作業に入ろうと、まさに今日この瞬間やっているところでございますが、一生懸命しっかりと点検をさせていただきたいと思ってございます。

〇山田太郎君 こういうことは起こってはならないんですが、やっぱりシステムをやっている以上起こることもあるんだろうと思います。

問題は再発防止等今後の対策ということなんですけれども、まずお聞きしたいんですけれども、個人情報がこういった形で漏えいした場合も、セキュリティーの関する分野はデジ庁さんが責任を持っているのだということについても確認したいんですけど、いかがですか。

〇政府参考人(村上敬亮君) 当然、マイナンバーカードにつきましてのセキュリティーにつきましては、マイナンバーの企画調整やっておりますデジタル庁が自ら積極的に責任を取って対応すべき問題であるというふうに考えてございます。

〇山田太郎君 今回の事案は、簡単に言ってしまえば大変初歩的なミスでありまして、私も実はシステムを組んでいた人間でありますので、要は、システム負荷があったらアクセスが集中したので、処理が遅れちゃったのでタイムアウトになっちゃったということで、ファイルがほかのをつかんで出しちゃったということでありまして、ある意味で初歩的なプログラマーが書くとこういうことをやっちゃうということで、本当にこういう初歩的な制御ミスというのはあっていいのかなというふうに思うんですね。

なので、潰すだけじゃなくて、本来設計とか仕様の段階でこういったものは確認できないのかどうか。似たような問題をそこここで起こしてしまったら、まさにマイナンバーカード等の信頼を全て損ねてしまうというふうに思うんですけれども、そこも改めて、大臣、今後どうしていかれるのかという意気込みというか、改めてお伺いしたいと思います。

〇国務大臣(河野太郎君) デジタル化の推進とこのサイバーセキュリティーの確保、これはもう国と地方自治体、行政機関全体で進めていかなければいけないことだと思っております。

今回、地方自治体の情報システムのセキュリティー確保につきまして、NISC、内閣サイバーセキュリティセンターにおいて政府情報システムのセキュリティー水準の引上げを図るために政府統一の基準を策定しており、総務省においてその政府統一基準群を参考に地方公共団体における情報セキュリティポリシーに関するセキュリティーガイドラインを作成し、これを踏まえてセキュリティー対策に万全を期すものとしております。

デジタル庁としては、政府の情報システムに関する整備方針において、NISCが策定する政府統一基準群を踏まえたセキュリティー対策を取るよう方針として示すとともに、地方公共団体にも利用いただいている例えばマイナポータルを始め、デジタル庁が整備、運用するシステムを中心に検証、監査、これをしっかり実施してまいりたいと思います。政府内の役割分担に基づきまして、デジタル庁としては、NISC及び総務省に必要な協力をしていくこと、そういうことでサイバーセキュリティーの確保に万全を尽くしてまいりたいと思っております。

〇山田太郎君 次は、公金口座等に関する質疑に行きたいんですが、まさに申請主義からの脱却というんですかね、その要件に合った人であれば、例えばこういう仕組みだとか申請がなくても、当てはまるんであればどんどんその方々に給付をするということも今後考えられるのかなというふうに思っております。

そこで、ちょっとこの公金口座に関して、これまでの経緯というのも少しお聞きしたいんですが、二〇二〇年の四月二十日に閣議決定されました新型コロナウイルス感染症緊急経済対策によって一人当たり十万円給付されたという例の特別定額給付金なんですけれども、結局、これは何世帯に支給されて、その給付対象世帯に占める割合は何%だったのか。給付額ベースで例えば五割とか九割に達するまでどれぐらい掛かったのか、今回公金口座をひも付けることによってスピーディーにできるんじゃないかということだと思うんですが、これが国会の予算成立からどれぐらい掛かったのか。全体で掛かった経費は幾らなのか、事務手続の経費は国や自治体合わせて幾らだったのか。また、この事業費として計上されたんだけれども国民に給付されなかったお金というのは最終的にどういうふうになったのか、それぞれお答えいただけますでしょうか。

〇政府参考人(足達雅英君) お答え申し上げます。

特別定額給付金の給付世帯数は約五千九百十五万世帯、各市区町村における給付対象世帯数の合計の九九・四%でございました。給付額ベースで五割に達するまでに要した日数は国の予算成立から一か月半程度、九割に達するまでに要した日数は二か月半程度でございました。給付金、事務費を含めての給付事業全体で掛かった経費は約十二兆七千七百億円であり、このうち国、自治体の事務手続の経費の合計は約九百億円でございました。事業費として予算計上されたが給付されなかった金額は約五百五十億円でありまして、国予算において不用額として処理されたところでございます。

〇山田太郎君 もう一つ、スピードアップということで、今回改正で行政機関等経由登録の特例制度ということが創設されるわけですけれども、これ、登録率が仮に一〇〇%になった場合に、給付までに掛かる日数ですとか事務手続の経費はどれぐらいというふうに想定されるのか、是非これもお答えいただけますでしょうか。

〇政府参考人(楠正憲君) お答え申し上げます。

一般論として、デジタル化により給付事務の効率化が可能になると考えられておりますけれども、公金受取口座登録制度による給付事務に掛かる日数及び費用の削減の見込みにつきましては、給付事務の主体により事務の体制が異なることを考慮する必要があるというふうに考えられます。委員が想定されるような、自治体が給付事務の主体となる場合は、自治体ごとに使用するシステムや執行体制等が異なるため、なかなかこれ、定量的に申し上げることは困難でございますけれども、公金受取口座を活用することによって、給付対象者においては口座番号等を給付主体に提供する手続負担が軽減されるほか、給付主体となる行政機関等においては、自治体確認済みの振り込み先口座の口座番号等をオンラインで入手することが可能となるため、通帳やキャッシュカードの写し等の確認作業が不要になること、口座番号等についてシステムへの入力作業の省略や短縮化が可能になること、振り込み不能の発生や、それに伴う申請者への確認作業、再振り込みに係る作業が不要になること等を通じて給付事務の効率化が見込まれるというふうに考えております。

〇山田太郎君 結局分かんないという話なんですよね。やっぱり政策効果を予測して、今回、公金口座受取になるんであれば、やっぱりどれぐらい費用が削減されるのか、短くなるのかって、これ本当に大事だと思いますよ。逆に言うと、ターゲットはしっかり持つべきだと思っておりますので、それはそれでしっかり目標を策定していただいて進めていただきたいと思います。

それからもう一つ、公金の給付というのは、低所得者を対象に行われる場合もあるんですけれども、これまでは住民非課税世帯であるとかあるいは生活保護といった、ある線引きが分かりやすいところに対して給付されました。ただ、最近、イエローゾーンと言われる、その一つ上なんだけれども、上の所得を持っている世帯なんだけれども、なかなか厳しいというところに関して今後制度設計をする場合に、例えば給付金の対象にどういうふうに線引きをするのか非常に難しいというふうに思っています。

マイナンバーを活用することによってきめ細かい給付、公金の給付の受取の設計とか実現をする必要があると思いますが、河野大臣、この辺り、今後そういったことが可能になってくるのかどうか含めてお答えください。

〇国務大臣(河野太郎君) 特定公的給付に指定することで、地方税の情報ですとか、あるいは児童手当、生活保護の関係情報など、この行政機関が持っている情報を取得、利用することが可能になります。それらの情報をマイナンバーを利用して管理することもできるようになります。

ただ、どういう方を給付の対象とするかというのは、一義的にはこの給付金を所管する行政機関において検討されるものではありますが、デジタル庁として、緊急時において本当に真に支援を必要とする方に的確に給付支援ができるように、こうした公金受取口座法、特定公的給付、こういう制度を積極的に活用していただきたいというふうに思っております。

〇山田太郎君 そういう意味で、今回の見直しは、生産性とかデジタル化というところだけじゃなくて、福祉の側面でもきめ細かく行政がいろんなサービスを設計できるということで効果あるんだということもしっかり受け止めて今回の質疑、あっ、議論をですね、すべきだと思っています。

さて、次は氏名の振り仮名に関しても少し触れていきたいと思います。

戸籍の記載事項等、氏名の振り仮名がないということで、漢字登録されている場合には個人の特定を漢字で行わなきゃいけないと。私も、議員になるまで、あるいはデジタル庁に実は来るまでそんなことは実は正直知りませんでして、当然振り仮名あるものだと思っていたんですけれども。戸籍の漢字が正だと、そうすると、よく言われるのがサイトウのサイの字とかワタナベのナベの字ですね。調べたんですが、サイトウのサイの字は分かっているだけで八十五種類以上あると。ワタナベのナベの字は五十種類以上あって、中にはそれ以上あるのだという議論もあったりしますが、どういうふうにやっているかと、外字ということでイメージデータで読ませているということなんですよね。この外字の使用の割合ですとか、行政システムで外字処理のために掛かっている費用というのも大変ばかにならないというふうに思っています。

実は、本来、今回仮名を振るのであれば、この漢字そのものの見直しというものも含めて議論してもよかったのではないかというふうに思いますが、その辺り、今後も含めてどういうふうにされていくのか、あるいは費用等その他どういうふうになっているのか、教えていただけますでしょうか。

〇政府参考人(松井信憲君) 委員御指摘のとおり、戸籍事務においては氏名が基本的な情報であり、現在、これについては振り仮名が付されておりません。

個人の特定のためには、氏名に外字が使われている場合もありますが、市区町村によって対応可能な外字に差異があるため、市区町村において新たに外字を作成する必要が生じたり、外字が存在することによって戸籍事務と他の事務との間でやり取りをする場合に個人の特定に苦慮したりといった不都合がございます。

外字の使用割合や外字の処理のための費用についても御指摘ございましたが、この使用割合について承知しておりませんが、氏名等に使用され得る文字、すなわち市区町村の戸籍情報システムで管理する文字について、独立行政法人情報処理推進機構が行政機関における情報処理のために整備した文字情報基盤に照らし合わせたところ、基盤外となった文字が約五万文字ありまして、そのうち現在の戸籍で使用されている文字は約一万文字でございます。この一万文字がいわゆる外字に当たるものと考えてございます。

外字処理のために掛かっている費用については承知していないところでございます。

〇山田太郎君 ということで、一万文字が把握しにくい状態の中で、デジタル化、今後どうしていくのかということも議論として残っております。

防災のときも、例えば私の秘書、オヤマというんですけど、コヤマと読んじゃったらもう全然違う人になっちゃったりするわけですよね。結局、白板なんかに書いて片仮名で読んだりするんだけれども、読み方が違えば自分と違うということになってしまったりとかということもありまして、まずこういったこと、もちろん文化的ないろんな問題もありますから機微な議論も必要だと思いますけれども、デジタルにおいては、やっぱりマスターを仮名にしていくというのは一つの考え方なんだろうということで、今後の、今回の改革はもう是非進めていただきたい、こう思っております。

もう一つ、ただ、今回の議論の中に少し範疇として忘れているんじゃないかと思っておりますのが、旅券法の改正ということをやらないんですけれども、パスポートのローマ字表示と氏名の関係がずれちゃったときどうなるんだろうかということだというふうに思っております。

私自身も山田太郎で、太郎の郎がTAROなんですけど、Uが付くのか付かないのかということも含めてそうですし、実はこれまでは漢字が正でしたので、仮名で振ったり、又はローマ字で振ったものというのはある意味で、任意というと怒られちゃうかもしれませんが、何でもよかったわけですよね。もっとぶっちゃけてしまうと、山田太郎をジョージ・クルーニーと書いちゃっても別にオーケーだったということで、まあそういうケースが本当にあるかどうかは別として、それを今後直していくのかどうか、どう寄せていくのか、結構このローマ字表記と仮名表記との関係というのの整合をしていくのは大変だと思うんですけれども、この辺り、今後どういうふうに考えていらっしゃるのか、御答弁いただけますでしょうか。

〇政府参考人(松尾裕敬君) お答え申し上げます。

旅券の氏名は、旅券法施行規則第九条第一項において、戸籍の氏名について国字の音訓及び慣用により表音されるところによるとされております。さらに、同条第三項において、その表音をヘボン式ローマ字によって旅券面に表記することとされております。国字の音訓及び慣用とは、旅券法施行規則上定義はございませんが、漢字の音読み、訓読み及び慣用とされる読みであると解されております。旅券の申請者は、これらの規則などに従い、戸籍の氏名の読み方及びそのローマ字表記を申請書に記載して申請することとなっております。

戸籍法が改正され戸籍自体に氏名の振り仮名が付される場合には、旅券法施行規則の関連規定の改正を含め検討を行うこととなると考えております。

〇山田太郎君 本会議で共産党の伊藤先生が、ガクなのかタケシなのかという議論をされまして、私は別の読み方をされるのは嫌だと言われて、そういう方もたくさんにいると思うんですけれども、これ、通称というか、自分自身はガクなのに、たまたまパスポートにタケシというふうに届けていた場合に、仮名の方がガクというふうになったらば、これはタケシの方のローマ字はどう変えていくべきなんでしょうかね。

〇政府参考人(松尾裕敬君) 戸籍法改正後に検討することとなるため、現時点で仮定の質問にお答えすることは困難ですが、そのような前提で申し上げますと、戸籍の氏名の振り仮名により、旅券の氏名のローマ字表記をすることが考えられます。

もっとも、旅券は外国当局に対し国籍及び身分を証明する文書であり、既に旅券を所持している方については、戸籍の氏名の振り仮名を届け出ることとなった場合には旅券に記載されている読み方に合わせるように呼びかける必要が生じると考えておりますが、詳細については今後関係府省と協議してまいりたいと思っております。

〇山田太郎君 時間になりました。

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