2022.5.31
内閣委員会:こども家庭庁設置法案・こども基本法案〜デジタル大臣政務官答弁〜(2022年5月24日)
2022年5月24日-内閣委員会:こども家庭庁設置法案・こども基本法案(デジタル大臣政務官答弁)(未定稿)
○自見はなこ君 おはようございます。自民党の自見はなこです。どうぞよろしくお願いいたします。
本日、質問をさせていただく機会をいただきまして、関係各位の皆様に心から感謝申し上げます。また、八十分という長い質疑時間となっておりますので、最後までお付き合いくださいますようによろしくお願いいたします。
さて、本日から、参議院本会議での質疑を経て、こども家庭庁設置法案及びこども基本法等が内閣委員会で審議に入ることとなりました。この間でありますけれども、多くの関係者の皆様で本法案を岸田政権の重要法案として位置付けていただき、また与野党を超えた議論を運んでいただいたということにも心から感謝を申し上げたいと思います。本当にありがとうございます。
さて、いわゆるこのこども家庭庁の話ですが、非常に長い歴史があるとも思ってございます。多くの与野党にかかわらず、国会議員のみならずですね、国民の皆様が、子供関連予算を増やしてほしい、子供施策を充実してほしい、子供は国の宝だ、こういったことをずっと思ってきてくださったからこそ、今日のこういった日があるんだというふうにも思ってございます。
さて、今回のこのこども家庭庁の話自体の発端は、昨年のちょうど二月の二日になりますけれども、自民党の若手有志の勉強会から始まっております。今日、政務官として御参加いただいておりますけれども、参議院議員の山田太郎先生と私、自見はなことで、共同事務局として、チルドレンファーストの子どもの行政あり方勉強会というものを開始いたしました。共同事務局には、木原誠二先生と、そして牧原秀樹先生に座っていただいたということであります。たまたま太郎とはなこでございますので、太郎とはなこの勉強会というふうに通称呼んでおりましたが、この勉強会は、あえて若手だけで始めておりましたが、最終的には九十名を超える、自民党の期数を問わない先生方に多く参画いただいた勉強会として今でも成長し、また三十回以上を超える勉強会の回数を今でも重ねております。
元々、御案内のとおり、私、小児科の勤務医でありましたけれども、ちょうど六年前に初当選させていただいたときに、当時の日本医師会長からの宿題は、横倉義武先生からの宿題は、小児保健法という三十年以上にわたって、小児科の先生方、産婦人科の先生方が、あるいは助産師の方々が、子供に対しての議員立法を作ってほしい、子供は医療だけでは幸せにならないので、医療、療育、教育、福祉というものを一元的に結ぶ、そういう理念法を作ってほしいという御要望を頂戴しておりました。それを、ちょうど目黒区の結愛ちゃんの虐待死の事案というものがあって、それこそ与野党を超えて、対立法案はあるけれども、子供たちのために議会として何かしっかりとした示しをしようという機運が高まったということがありまして、二〇一八年に超党派の議論を深めた結果、これは成育基本法というものが制定をいたしました。
その一年後でありますけれども、今度はそれを行うための具体的なプラットフォームが非常に重要だということで、産後ケア法案というものを二〇一八年の一年後の二〇一九年に成立をさせることになります。これも超党派の成育基本法の推進議員連盟中心になって行いましたけれども、実はその法案説明のときに山田太郎先生に大変な御尽力を賜りまして、その際、今まで山田先生が児童養護に熱心に取り組んできたということを知りまして、一緒に活動するようになりました。
この産後ケア法案も非常に重要な法案でありまして、日齢ゼロで日本では虐待死の死亡事案が一番多いとされております。どうしてかというと、やはりそのお母さんたちは、ほとんどの場合、若年妊娠であったり非常に家庭に困難を抱えていたり、通常であればかかるはずの妊婦健診にかかれなかったり、いろんな福祉のサービスなどにもつながれなかった結果、自分で産んだ赤ちゃんをその場でどうしていいのかも分からなくなって殺してしまうということでありまして、加害者の九割がお母さんです。
また、日本では産後のうつが非常に多い国として知られています。日本の妊婦さんの亡くなる原因というのは、一位が自殺であります。これは諸外国の、特にアジアの中でも実は突出して高い数字になっておりまして、この妊娠期のうつ、産後うつを何とか減らすということ、また子育ての負担感も減らすということがこの産後ケア法案の通した意義、また産後ケア施設が通った意義だというふうに、今千七百四十の自治体に対して設置の努力義務が課されておりますので、こういった領域、大きく皆様とともに前進をさせることができたのではないかなというふうに思っております。
そして、このいわゆるチルドレンファーストの子どもの行政のあり方勉強会、太郎とはなこの勉強会でありますが、これは工夫をさせていただいておりました。私と、そして山田先生とで始める前に、自民党の関係の先生方八十人の方々に事前に思いを伺いました。中には、新しい省庁つくるなんて百年掛かっても無理だよと言われる先生もおられたんですが、その会話の直後に、いや、でも実は僕もつくりたいんだよねという思いというか夢を語り始めていただきまして、いろんな現実的な今までの過去の経緯からなかなか難しいんだということは先輩たちから教えていただいたんですが、ただ、皆さんの気持ちがとてもある話だなということも分かることができて、そして、議論を開始する土壌を与えていただいたんだと思っております。
勉強会は自民党の話でありますが、若手が、これは四期生以下、衆議院は、参議院は当時二期生以下ということを中心に呼びかけておりまして、あえて大臣経験者ですとかは中央には据えなかったということであります。そうしますと、最終的にはやはり組織論、政局論に引っ張られるような議論はしたくなかったということがありまして、私たちは、あくまで子供目線の政策をきちんと語りたいという有志の勉強会として今も存続しているわけであります。
また、デジタル民主主義という言葉も大事にしております。ホームページを作っておりまして、全ての資料は実は公表しております。ホームページで公表しています。また、登録していただいた方には事前に御案内を送ってズームで参加することもできますし、また、見逃した方にはズーム録画で配信をしています。このデジタル民主主義という言葉自体は山田太郎先生から教えていただきましたが、これを実践をしたということであります。
また、講師陣も第一線の方々、当事者及び、また、私たちのこだわりは、国には、永田町、霞が関には子供の現場がないということでありました。子供の現場はあくまで市区町村という基礎自治体が一番身近なサービスを行っておりますので、市区町村や都道府県などの地方議会の先生との打合せや知事会などとの打合せも重ねてまいりました。こういったプラットフォームづくりというのも同時に行ったわけであります。
また、第一回目の勉強会に来てくださいましたのは明石の泉市長でした。とても熱い思いのある市長でありまして、台風のような本当に大きな渦が巻いたわけでありますけれども、思いをぶつけていただきまして、ここで大きな熱伝導が起こったというふうにも思っております。今、法務副大臣しておられます津島先生もこのとき一議員として参加していただきまして、大変建設的な御議論を多くの皆様としていただいて本当に良かったなと思いました。本気になれば市長でここまでできるんだということも分かりましたが、しかし、同様に、ここまで熱心な市長でも制度の壁に悩んでいるんだなということも分かったわけであります。
また、我々の勉強会は四万八千件のインターネットで意見を集めたということも一つの特徴でありました。それが二十代から九十代の女性が九割という答えたアンケートでありまして、一番皆さんが悩んでいたのは何かといいますと、教育であります。この教育は何が一番悩んでいたかといいますと、二人目、三人目産みたいんだけれども、日本では教育費が高すぎてこの二人目、三人目を産むことができない。何とか安心して二人目、三人目を産めるようにしてほしいという教育に対する項目が、実は六千件を超える六千六百三十件という一番大きい御意見が賜ったということであります。また同時に、この教育のところは、是非とも公教育の質の向上をしてほしいということでありました。また、先生方を支援してほしいというお声もたくさんいただいたわけであります。
このアンケートが大きく大きく物事を動かしていったんだと思いますが、各政党からの代表質問ありましたが、どの政党も私は同じ指摘をしていたと思います。とにかく子供関連予算が足りないんだと、これは倍増してほしいというのが私たちの要望でありますが、そこについてはおおむね共通であったのではないかと思います。
我々の勉強会で出した要望は、強い権限、専任大臣、予算倍増でありますが、菅政権、菅総理にこれをまず受け止めていただきました。菅総理は若い世代への思いが本当にお熱い先生、政治家で、かつ、縦割り打破というのが政治姿勢でありましたので、この二つがマッチする形で菅総理・総裁が大きく決断をしていただいたんだと思います。昨年の四月の一日に要望を持っていった直後に、自民党の中には「こども・若者」未来輝く創造本部を当時の二階幹事長の下に設置をいたしまして、その中に実現会議、当時は野田聖子座長、今は加藤勝信座長でありますが、を設置していただきまして、具体的な議論を進めてまいりました。
昨年六月に閣議決定された政府の骨太方針の中には、本当に有り難いことに一ページ半にわたって政策が書き込まれ、早急な着手が望ましいということが書き込まれたわけであります。官邸の中には作業部会が昨年の七月七日に設置されたわけであります。
その後にでありますが、自民党の総裁選という大きな政治的な試練がございましたけれども、四人の総裁候補者をお招きして公開討論会を経て、そして結果として岸田文雄先生が総理、野田聖子先生がこども政策担当大臣となられたということで、政権が交代しても引き継がれたということで本当に有り難かったと思っております。
また、その公開討論会のときには、全国知事会の会長である平井知事、それから三日月知事にも御参加をいただいております。新しい平井知事、新会長ですが、の下でモットーがございまして、それは、今の日本の知事会は非常にロビー活動が強くする必要があると、米国の知事会のような強いロビー活動を行う知事会というものを新しく目指そうということで、就任直後に国民運動本部を立ち上げておられます。
それで、私も初め驚きましたが、自民党の総裁選のそれぞれの候補に要望活動を行っておりますし、衆議院の選挙のときにも各政党に要望活動を行っておられます。知事、三日月知事には知事会に対してアンケートを行っていただきまして、そこでは設置に対する反対がゼロだったということも御紹介いただき、また知事会の要望として、少子化対策の要望の一丁目一番地にこども庁設置というものを掲げていただいたということであります。
現在、自民党の中の本部は茂木幹事長、そして実現会議は加藤座長、木原稔事務総長、橋本岳事務局長の下で審議が尽くされておりまして、今回の運びになったということであります。
また、今回でありますが、名称について一言、国会でも発言をさせていただきたいと思っております。
実は、我々の勉強会は初め、チルドレンファーストの行政の在り方勉強会、で、副題がありまして、子ども家庭庁の設置、創設を目指してということでありました。子ども家庭庁の設置ということで我々進めておりましたけれども、実はこの勉強会の中で当事者を呼ぶというところで、風間さんという女性の方にお話を聞きました。彼女は虐待の経験者御本人であります。今は二人のお子さんを育てながら保護司ということをされていますが、非常に言葉に力のある方、女性でありました。
風間さんのお話からは、本当に普通では考えられないことではありますが、十年前の今日ですね、自分は自殺未遂をして心肺停止になりましたと、その十年後の今日にこういった会に呼ばれることにも大きな意味があると感じていますというところから始まりまして、様々な御苦労を御家庭でされたということが分かるわけでありました。
その中で、自分たち、いわゆる虐待サバイバーは家庭というところから逃げなければ生き残ることができなかったんだということから、仲間が、被虐待児の、虐待児が虐待者となってサバイバーと呼んでおられますが、仲間がいて、できたらこの子ども家庭庁の中から家庭という文言を取り除いてもらえないかという御提案をいただきました。
私たちの、自民党の有志の勉強会は、私自身も家庭が非常に重要だ、これ誰も疑う人はいないんだと思います。赤ちゃん生まれまして、一人では歩けませんし、お母さんやあるいは養育者のおっぱいなりミルクを飲んで育ちますから、いきなり独り立ちはできませんので、やはり家庭という単位の中で、まずは幼少期、まあ乳児期から始まって幼少期育っていく、あるいは家庭的養育というところで育っていく、これも誰もが疑わないんでありますが、そのとき自民党の中の一人の先生が手を挙げられまして、何をおっしゃるのかなと思いましたら、当事者が嫌がるのであれば家庭という言葉は外しませんかとおっしゃいました。そのときに、ただ、子どものコも、そのとき我々漢字で話しておりましたが、子どものコも平仮名にしていただければ子供も読めますよね、ですから、子供に読めるようにこども庁にしてはいかがですかというところで実は大きな拍手が起こりました。
私も、子供大臣というのがいたらいいな、保育園で子供大臣遊びがはやると我が国の子供たちは政治に対しての関心も高くなるのかなとかですね、あるいは、家庭がちょっとつらい子でも、自分の家庭はつらいんだけど、国が、子供大臣あるいは読めるこども庁というものがあれば、誰かが自分のことをちゃんと見てくれているんじゃないかという強いメッセージが届きますので、こども庁という言葉は非常に好きになりまして、この言葉を使っておりました。
その後、自民党の中の様々な議論を経て、そして家庭という言葉が入りましたが、先ほど申し上げたとおり、家庭という言葉は非常に重要です。ですから、これが正式名称として審議されているということ、私は一つのこれ喜ばしいことだと当然思いますが、同時に、このこども庁という言葉も愛されていたということも感じたわけであります。これは個人的な希望でありますけれども、仮にこども家庭庁ができたときには、こども家庭庁の略称はこ家庁ではなくこども庁でお願いできたらいいなとは個人的には思っているということだけちょっと申し上げたいと思います。
さて、そういったいろんな思いが、いろんな方々のいろんな思いが受けて本当にここまで来たということでありまして、とにかく感謝、感謝でございますし、何とかこれを形にしっかりとして、また審議をしっかりと深めた上でよりいいものに仕上げていくということがこれからの国会に与えられた大きな宿題であるのかなというふうに思っております。
さて、そういったところでございますけれども、一問目、加藤先生に、提案者、こども基本法の提案者にお伺いしたいと思います。
今、皆様のお手元にもこども基本法案の概要が資料の一としてお示しをされています。その中で、お伺いしたいことでありますが、全体の概要も書いてございます。日本国憲法及び児童の権利条約の精神にのっとって、子供一人一人がひとしく健やかに自立した個人として成長することができて、そして将来にわたって生活、これが幸福なものになる、これが送ることができる社会の実現を目指すということ、また、定義にも、これは非常に重要でありますが、実は、この度、余り例がなかったと思うんですが、子供施策の二のところに出産という言葉も書いてあります。
出産が非常に、実は医療というところに今閉じこもっておりますが、助産師さんたちのケア、これも重要であります。我々の勉強会でも、LMCといいますが、ニュージーランドのお産の制度を勉強しました。世界で一番お産が幸せだと言われている国であります。かかりつけ助産師制度というものがありまして、妊娠期から生後ある一定まで、たしか五週だったと思いますが、一人の助産師さんがずっと継続でケアをしてくれます。
日本の場合は、周産期医療が、これ厚労省医政局で医療という枠なんですが、このケアになりますと、母子保健課といってそこでケアをするんですが、ここに実は分断があるんですね。また、お産の、周産期医療の安全性という意味から、これケアが実は余り入っていない。助産師さんが本来助産師になるのが、看護課程を終えて更に研さんを積んで助産師になるんですが、いざ助産師さんが病棟で働こうと思いますと、これはなかなかお産とか子供たちだけに特化できないんですね。これは診療報酬に原因があるんですけれども。大体夜中に、混合病棟と言いますけれども、化学療法をしている病棟とかのケモ、化学療法の点滴の換えとかをしながらお産を見たりとか、混合病棟なんです。ですから、助産師さんが本来の役割を専念してできるような、ケアに特化するということも非常に重要であります。
日本の場合は、小児科医でありますが、お母さんたちがお子さんが病気になってそして外来に来るときに、必ずお母さんが謝ることが多いんです。私のせいで風邪を引かせてしまったとか、自分を、とにかくお母さんは自分を責めがちです。
やはり出産の経験というものがポジティブな幸福の経験であるということ、非常に重要です。私が小児科を選んだのは、出産、オペ室で帝王切開ですね、オペ室で唯一おめでとうございますと言える科なんですね。ほかは皆さん、がんですとか脳出血ですとか心筋梗塞、様々な重症の病気だから基本的にオペ室にいるんですが、いわゆる帝王切開は、赤ちゃん生まれるとおめでとうございますと言えます。また、がらがらがらっと赤ちゃんをクベースというものに入れて運ぶんですけど、みんな、通りがかる患者さんも含めて、ああ、赤ちゃんだ、おめでとうと言ってくれるわけでありまして、こういう喜びにあふれるというのが本来の出産なんですが、どうもお母さんから見ると、ここは継続ケアの欠如というところが問題になりますので、出産体験が、安定した環境の中でケアが充実しているということが、その後の子育ての自己肯定感、お母さんの、つながりますので、ここに出産が入ったということも非常に重要であります。
また、基本的施策、そして義務、白書、大綱、そして基本的施策と、また、ちょっと済みません、義務と、その後に子供施策の推進とありますが、この中でいろんな質問は衆議院でも出尽くしたのではないかと思いますが、改めてお伺いしたいことがございます。それは、基本的施策の第十一条であります。
ここについてでありますが、ここが、基本的施策の一番目に、左側の緑のところ、書かれておりますが、「国及び地方公共団体は、こども施策を策定し、実施し、及び評価するに当たっては、当該こども施策の対象となるこども又はこどもを養育する者その他の関係者の意見を反映させるために必要な措置を講ずるものとする。」というふうに書いてございます。
これについての認識なんですが、これは国及び地方公共団体の義務という認識でよいのかというところを確認させていただけたらと思いますし、また、改めてこども基本法についての意義とそのほかの関係法案との関係を教えていただければと思います。
○衆議院議員(加藤勝信君) 今、自見先生から、この至るプロセス、特に太郎とはなこの勉強会、また、自見先生また山田太郎先生始め関係者の皆さん方が本当に熱心に御議論いただいたこと、改めて敬意を表したいと思います。残念ながら、私は対象外に置かれておりましたので勉強会には入らせていただけませんでしたが、同じ思いをしておりましたし、当時、官房長官をさせていただき、そうした御提言もいただき、また今こうして御審議をいただくことにつながっているというふうに思っております。
その上で、子供施策、少子化社会対策基本法等、あるいは子ども・若者育成支援推進法、こうした様々な法律に基づいているもの、あるいは予算措置に基づくもの、様々なものが既にあり、これまでも逐次その充実を政府において図ってきたところであります。
ただ、実際それぞれの施策がどういう効果があったのか、またその推進に当たって政府全体として統一が取れていたのか、あるいは、各地方公共団体、さらにはこうした子供に関する様々な活動をされている皆さんと連携が取れていたのか、こういった点についてはいろいろと反省すべき点もあるというふうに認識をしておりますし、また、実際、この間少子化の歯止めが掛かっているわけではありませんし、また、児童虐待、不登校、いじめ、子供の自殺、まさに子供をめぐる様々な問題、コロナ禍、更に深刻化していると、こういう状況であります。
そうしたことをしっかりと踏まえて、やはり子供のことを第一に考えて、子供に関する施策に横串を通し、そして総合的に推進していく必要がある、そういった観点から今回基本法の制定が喫緊の課題であるとして提案をさせていただきました。また、児童の権利に関する条約の批准後、いろんな基本法が国会で出てきている中で、子供に関する基本法という、こうした求めもあったというふうに認識をしております。
この法案では、少子化対策、あっ、少子化社会対策基本法、子ども・若者育成支援推進法など子供に関する政策横断的な言わば法律、また児童福祉法、子ども・子育て支援法など子供の日常生活に関連する個別の法律、こうした様々な法律をも踏まえ、子供政策全体を貫く基本理念、これを定めさせていただきました。
この本法案の立案に当たっては、子供施策全体に当てはまる共通項というものは一体何なんだろうかと、こうした議論、検討の中で、例えば自見先生が成立に大変御尽力された成育基本法の中の重要な観点である、子供の一連の成長の過程に対する切れ目のない支援、こういった観点も取り入れさせていただいたところであります。こうした子供に関する基本法の制定により、様々な子供に関する政策がこうした共通理念の下でこれまで以上に一体となって強力に推進されることを期待をしているところであります。
また、本法案十一条の国及び地方公共団体の義務なのかという御質問がありました。
条文を読まれたように、必要な措置を講ずるものとすると、こう規定をしておりますから、これはおっしゃるとおりでございます。子供の視点に立った政策が具体的に展開されていくためにも子供の意見をしっかりと反映することが必要であり、そのために必要な措置を国や地方公共団体がそれぞれの立場で講じなければならないというふうにしたところであります。
○自見はなこ君 ありがとうございます。
本当に改めて加藤先生には、この間、元々官房長官というお立場で政府の中におられましたが、自民党に戻ってこられましてからは座長というお立場もあってお取りまとめいただきましたこと、改めて感謝、御礼を申し上げたいと思います。
また、このこども基本法でありますけれども、本当に、この義務を課したということ、地方公共団体に対しましても、この子供の意見を聞く、これはすごく大きなことだと思いますので、是非これから実行されるときにそれを、仮にこれが成立いたしますれば、受け止めていただく地方公共団体、また中央官庁も含めて、皆様でどういった方法でこれをしっかりと受け止められるのかということを考えていっていただきたいとも思いますし、また、このこども基本法でありますが、衆議院において議論をしていただきまして、立憲と国民と維新の皆様にも御賛同いただいたということでありまして、本当に有り難いというふうに思います。
加藤先生は、これで御退席お願いいたします。
○委員長(徳茂雅之君) 発議者におかれましては、御退席いただいて結構です。
○自見はなこ君 ありがとうございました。
さて、関連でありますけれども、政府の方にお伺いいたしたいと思います。
この子供の視点に立って政策を進めるというものは、先ほど来から議論に出ておりますように、国だけではなく各自治体においても子供から意見を聞くことが改めてやはり重要だということだと思っておりますが、この国及び自治体における子供からの意見聴取、果たして一体どのように進めるべきなのか、政府のお考えや取組があれば教えてください。
○政府参考人(長田浩志君) お答えいたします。
国におきましては、昨年末に閣議決定した基本方針におきまして、今後の子供政策の基本理念として、子供の意見が年齢や発達段階に応じて積極的かつ適切に子供政策に反映されるように取り組むことを掲げますとともに、こども家庭庁設置法案の任務規定におきまして、子供の年齢及び発達の程度に応じ、その意見を尊重し、その最善の利益を優先して考慮することを基本とすることを明記をしたところでございます。また、子供政策の具体的な実施を担うのは地方公共団体でございますので、国のみならず、地方公共団体において子供の意見を聴取し子供政策に反映をしていただくことが極めて重要だというふうに認識をしてございます。また、先ほど委員からも御紹介がございましたように、当委員会で御審議をされていますこども基本法案におきましても、国、地方公共団体が、子供施策の策定、実施、評価に当たって、子供等の意見を反映させるために必要な措置を講ずるものとすると規定されていることも承知しているところでございます。
こうしたことを踏まえまして、国におきましては、こども家庭庁の創設を待たずに、令和四年度におきまして、子供の意見の政策への反映に関する調査研究を行うこととしてございます。
その結果を踏まえまして、子供や若者から意見を聞く仕組みや場づくりについてしっかり取り組んでいきたいと思っておりますし、また、地方公共団体におきましては既に先進的な取組を行っているところもあると承知をしておりますので、今申し上げました調査研究を通じて収集した好事例を横展開をすることを始めといたしまして、調査研究の成果をしっかりと地方自治体とも共有し、地方自治体における取組を支援、促進してまいりたいと考えております。
○自見はなこ君 ありがとうございます。本当にお取組に感謝を申し上げます。
是非、子供本人からアンケートですとかヒアリングですとかいろんな形でお話を聞いてくださる機会も設けていただくと思うんですが、その際に、子供が励まされるといいますか、エンカレッジされることが非常に重要だと思います。
役所あるあるですけれども、いわゆる意見聴取しましたといって、こういうメソッドでこういう人たちの対象者でこの程度、この時間話を聞きました、以上というアリバイづくりのための子供の意見聴取ではなくて、子供がみんな生き生きと、僕もこの意見言いたい、あの意見言いたい、言ったら聞いてもらったという好循環のコミュニケーションが子供と自治体の中で生まれるような子供の意見聴取の在り方を是非心掛けていただきたいと思いますし、また同時に、本当に小さいお子さんになりますと、物がまだ言えません。言語というものがまだ発達しておりません。ですので、小児科医もそうですし、助産師もそう、あるいは母子保健に関わる保健師の方もそうですし、NPOの方々もおられます。是非、子供の日頃近くで接している人たちから必ず意見を併せて聞いていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。
次に、文科省にお尋ねをいたします。
お手持ちの資料の四の一を御覧ください。こちらでありますけれども、チルドレンファーストの子どもの行政のあり方勉強会で、我々がお願いをして伊達市にお話を聞いたものの資料が一枚、二枚というふうにあります。取組の経過というものと組織体制であります。
先進的な自治体はいろんな取組をしておりまして、既にいわゆる教育部局と福祉部局の融合というものが始まっているということが分かる取組の経過です。元々伊達市は、まち・ひと・しごと、そして右側の子ども・子育てということで別建てでありましたが、それを時間掛けて市長のリーダーシップの下で融合させてきた歴史、かつ、令和三年四月からは教育委員会のところにこども部ネウボラ推進課というものがあるということであります。
資料の四の二を御覧ください。
伊達市版ネウボラでありますが、ここに先ほど申し上げた組織図が描いております。教育委員会の部局の中にいわゆる母子保健の相当する部分が移管をされているということでありますが、もちろん市長部局との連携というのはあるというわけであります。これ、一つの例であろうかと思っております。
今回のこども家庭庁の話の非常に大きなテーマは、やはり、どの類型にお子さんが通っていてもいなくても、あるいは、全ての子供に教育と医療と療育と福祉、特にこの教育と福祉を融合した形で質の高いものを両方に提供するということが一つの大きなテーマであると思っています。そういう意味で申し上げればでありますけれども、文科省も大変今まで重要な取組をしていただいております。
ちょっと資料遡って恐縮ですが、資料の三の一と三の二がございます。そして三の三までございますが、これ、文科省が行っている様々な、特に幼稚園、保育園、認定こども園、どの類型に行っているということにかかわらず、幼児教育の質の向上と小学校の教育との円滑な接続を求めるということで各種取組をしていただいています。これ、非常に重要な取組でありまして、まさに今回のこども家庭庁の事業に資する、本当に接続していただけるものだと思っています。
資料の三の一のところに○○県(市)幼児教育センターというものが書いています。これもたしか予算規模は二億円程度だったと思いますし、また、今回のここの資料の三の一にあります幼児教育推進体制を活用した地域の幼児教育の質の向上の強化事業でありますが、これ二・七億円なんですね。私の中では、二百億円の間違いじゃないかといつも言うんですが、これもう少し、やはり私たちの国としても、もう二段階、三段階ギアを上げて、この子供たちの教育の部分、しっかりと後押ししていきたいというふうに考えていますが、そのお気持ちをお伺いいたしたいということと、また同時に、今回の法案審査の中で、幼稚園の教育要領と保育所保育指針の改定を行う際には文科省と共同でということが書いています。改めて、その連携における決意をお聞かせいただければと思います。よろしくお願いします。
○副大臣(池田佳隆君) 自見はなこ委員にお答えをさせていただきたいと思います。
幼児期の教育というものは、生涯にわたる人格形成の基礎を培う極めて重要なものでありまして、そうした幼児期の教育の成果を小学校につなげていく、それは大変重要なことであると考えております。
このため、幼稚園、保育所、認定こども園といった施設の類型を問わず、地域において幼児教育の質の向上に取り組む体制を整備する、そういった観点から、文部科学省といたしましては、自見委員御指摘の幼児教育推進体制を活用した地域の幼児教育の質向上強化事業、こういったものを実施しておりまして、現在、半数以上の都道府県において幼児教育センターなどを設置していただくなど、取組の展開が見られているところでございます。
加えて、本年度からは、幼保小の接続期の教育の質的向上に向けまして、全ての子供の多様性に配慮した上で、学びや生活の基盤を育む幼保小の架け橋プログラム、こういったものにおきまして、モデル地域における実践と全国的な取組を並行して推進しておりまして、幼児教育推進体制との連携によって、より一層の取組の充実が期待されているところでございます。
また、政府提出法案におきましては、幼稚園と保育所の教育、保育内容の基準の整合性を制度的に担保する、そういったこととしております。具体的な進め方はこども家庭庁とよくよく相談してまいるところでございますが、例えば、三歳から五歳児の幼児教育の内容について更なる整合性を図るといったことや、幼稚園における子育ての支援機能について一層の充実を図ることなど、学びと育ちに係る互いの専門性をしっかりと生かしながら密接に連携してまいりたいと考えているところでございます。
また、施設類型や地域、家庭の環境を問わず、全ての子供に対して格差のない質の高い学びを保障し、小学校教育との円滑な接続につなげられるよう、引き続き、必要となる予算の拡充も視野に入れながら取組を推進してまいりたいと考えているところでございます。
以上でございます。
○自見はなこ君 最後にすごく力がこもったのを感じました。拡充という言葉が聞こえてまいりましたけれども、池田副大臣におかれましては、実は、副大臣になられる前に、チルドレンファーストの行政のあり方勉強会を山田太郎先生と私がしているということで、いつも御参加いただいておりましたし、また、今回はDBSの議論もありますけれども、教職員の方々に先に議員立法で小児の性犯罪に対しての取組していただいておりますが、これは本当に池田先生と衆議院議員の山田先生が汗をかきながら、特に池田先生が副大臣になられる前ですが、これをやるために俺は政治家になったんやという言葉を忘れることができませんで、そういう強い思いの副大臣がいるということ、本当に心強く思っておりますので、是非政府の中から予算要求を是非是非していただいて、こども家庭庁ができましたら、もう本当にこれは、二・七億とか二・一億じゃなくて、二百億ぐらいの規模で是非展開していただけるように心から、心から、心からお願いを申し上げます。
御退席いただいて大丈夫でございます。ありがとうございました。
○委員長(徳茂雅之君) 池田副大臣は御退席いただいて結構です。
○自見はなこ君 それでは、次の質問に当たります。法務省にお伺いしたいと思います。
CDRについてお伺いをします。
お手元の資料が、CDRについては資料の五の一と五の二というものが、ちょっと字が多いものがございますが、これを開いていただきながらお話を聞いていただければと思います。
これは、資料を提出しておりますのは、子供の死因究明に関します意見ということでありますが、つい先日、自民党の政調の中にございます厚生労働部会の中にあります死因究明推進に関するプロジェクトチームで提出をしていただいたものでありまして、文科省の研究事業をしていただいておられるこれ法律の学者ですね、法学者の先生方が中心になっています。医学者は、医者はこの中で沼口先生だけでありまして、いずれも刑事訴訟法の専門家ですとか法律の専門家の先生方の御意見であります。これも文科省の取組に感謝をしたいと思います。
その上で、大きな大きな問題点ということで御指摘をいただいておりますのが、資料の五の二に書いております。CDRということは成育基本法の中に書き込みをさせていただきまして、その後、また議員立法で成立をいたしまして、皆様にも審議をしていただきましたが、死因究明の基本対策推進法、ここの中でも議論をしていただきまして、現在、厚労省の中で、母子保健課の方で子供の死因、予防のための子どもの死因検証体制整備モデル事業というものをこれ全国でやっていただいておりまして、令和二年度は七自治体、令和三年は九自治体でモデル事業を現在行って、いろんな課題を抽出していただいております。
また同時に、整備事業ということで拡充をしていただいておりまして、CDRのプラットフォームの事業をつくったり、あるいは死亡事故に関する広告ですね、これ広告と啓発事業についても予算を取っていただいたということで、本当に感謝をいたします。
元々、私は、これ、吉川優子さんという遺族のお母さんですね、吉川慎之介君のお母さんでありますが、五歳で水辺の事故で、特に私立幼稚園の事故でお子さんを失ったお母さんからお話を聞いたところが課題が始まっています。
自分の息子がお泊まり保育に行って、突然電話が掛かってきて、慌てずに来てくださいといって、その後もう対面するのが亡くなった子供なんですよね。そのときにいろんなことが分からなかったので、どういう状況で子供が死んだのかと、これは警察が持っている情報がありまして、ここについての情報を求めようと思ったんですが、ここは刑事訴訟法の四十七条というものがありまして、これは当然ながら非常に重要な法律、これ自体は文言でありまして、基本的に警察が持っている情報というものは、その後の様々な裁判などで使われる可能性があるので公にしてはならないというのが大原則であります。
ですから、警察の方にどういう状況でうちの子が死んだんですかと聞いたんですけれど、残念ながら、すごく親切な方で、すごく協力的だったんですが、そこの部分はなかなか御協力得られなかったと。そして、保護者の皆様で、これは本当にどうかなと思いますけど、ここまでさせるのかなと思いますが、再度現場検証を一緒に行っているんですね、子供たちや保護者の方々と、こういうこと。また、そして、お母さんは、何で、子供がどういう状況で死んだんだということで県庁に行きますと、県庁ではないと言われて、文科省だと。文科省かなと思って文科省に行くと、文科省ではないと、これはライフジャケットを着ていなかったので、水辺の事故はこれ消費者庁だと言われて、たらい回しにされると、これがそのお母さんの経験されたことであります。
今はゼロ歳から六歳までのこういった事故については、内閣府の方で随分と取組が個別事例に対応して進んではおりますが、今でもまだ水辺の事故が絶えませんし、また、これから夏にもなります。ライフジャケットをしっかりと着けるということが非常に重要でありまして、日本子ども安全学会が推奨しておりますかわいい絵本も、「かっぱのふうちゃん」というかわいい絵本も森重さんという熱心に活動してくださる方が作っておりますので、こういう啓発事業もしつつ、ただ、我々は一方で、政治あるいは国政を預かる立場として、あるいは皆様は政府全体を預かる行政の立場として、このCDR、総理・総裁、総裁というよりは総理が自分でやりますということを明言を今年の一月の施政方針演説でもしていただきましたので、是非ともやっていただきたいというふうに思っておりますが、やはり壁がありまして、さっき申し上げた刑事訴訟法の四十七条であります。
資料の五の二に書いています。これはごもっともであります。気持ちが強くて情報を開示してくれと言ったって、どういう根拠でどういう手続でそれをすればいいのか分からなければ、情報を渡したいと気持ちで思っても警察は提供することができない、それはごもっともです。
ですので、この提言につきましては、そこの手続をルールを徹底し、そこについての調査の義務なども含めて、現場での裁量というものが極力ない形でやっていただけないか、これは法制化をしてくれないかということが大きく大きく書いてくださっております。
これは、私は、DBSがこども家庭庁が仮に設置をされますれば是非とも法制化していただきたいと願っておりますが、その次に、これ関わる省庁がほとんど似ているんですね。当然ながら子供の現場様々ありますが、そこと同時に法務省とそして警察庁ということであります。
そこで、法務副大臣の津島先生にお伺いしたいと思うんですが、このCDR進めていくに当たりまして、法務省がまず腹決めをしていただいて、この刑事訴訟法四十七条をしっかり整理しますという決意表明がなければ、ここから先、実は進まないんです。ですから、今日の質問は、どのように今後議論を進めていくのかということについてお考えをお伺いできればと思います。
○副大臣(津島淳君) チャイルド・デス・レビュー、CDRについて非常に熱心に御活動されている自見はなこ先生から御質問をいただいて、まず大変感謝申し上げます。
この重要性について、そして今の御質問で、このCDRについて非常に具体的かつ建設的な問題提起をまずしていただいたと、そのように今感じております。
その上でお答えを申し上げていきますが、このCDRについては、あらゆる子供の死を検証し、再発防止策を検証、検討するものとして必要性が指摘されておりまして、死因究明等推進基本法の附則等においても、その仕組み等について国として検討を加えることとされているものと、そのことを承知しております。
法務省としても、子供の死を検証し、再発防止策を講じていくことの重要性、十分認識してございます。
他方、委員の御指摘にもありました刑事訴訟法の四十七条本文は、訴訟関係書類の公判開廷前における非公開の原則を定めております。同条のただし書には「公益上の必要その他の事由があつて、相当と認められる場合は、この限りでない。」と規定しているものの、刑事手続により得られた情報の外部への提供については、関係者の名誉、プライバシーや今後の捜査、公判への影響等についても十分考慮する必要があって慎重な検討を要するところという、そういった整理をしております。
これは私の思いとして申し上げるならば、未来を支える子供の命を守るということは、これは本当に重要なことだと思っているんです。私自身、救えた命はあったはずだという思いを強く持ってございます。
今後、チャイルド・デス・レビューの枠組みに関する検討の状況を踏まえて、先ほど申し上げた各種の検討課題がうまく整理されていくように、厚生労働省等の関係省庁とも十分連携し、そして協力しながら、法務省としてもしっかりと必要な対応をしてまいりたいと、そのように考えてございます。
○自見はなこ君 大変心強い、必要なことはやりますという御答弁ありがとうございます。
是非、これは刑事訴訟法という非常に重要な法律そのものの根幹にも触る話でございますので、我々の気持ちだけでは進めませんので、是非とも専門家の先生方、法律の専門家の先生方などしっかり入っていただいた上で、関係の皆様が納得する形でまず法務省として整理をしていただきたい、そうしないと実は進まないというところがございますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。
またあわせて、調査法という解剖がございますので、この解剖、今日は質問いたしませんが、その調査法研究、この調査法の解剖がしっかり進まなければ、いかに多くの子供たち、あるいは、これは高齢者もそうでありますが、日本で亡くなっても、日本の死因究明制度そのものが底上げがされないといけないという別の課題もありますが、まずは法務省には刑事訴訟法四十七条との整理をしっかりとしていただけたら有り難いと思います。
ありがとうございました。では御退席ください。
○委員長(徳茂雅之君) 津島副大臣は御退席いただいて結構です。
○自見はなこ君 次に、デジタル庁にお伺いをいたします。山田政務官、よろしくお願いいたします。二問お願いしたいと思いますが、一問ずつ別々にということで考えております。
一問目でありますけれども、今回のこども基本法の中の議論においても、またあるいは一般の国民からの皆様の意見の中でも、子供のデータについての取扱いというのをどうされるんだというような不安の声もありました。一方で、我々が行ったお母さんたちの意見、四万八千件の中で、とにかく何度も同じ書類を書かせないでほしいと、もう毎回、一つの事案で一回市役所に行くのに課が違うと三回ぐらい同じことを書くと、何とかワンスオンリーにできないかという声もいただくんですね。この二つのことをベストマッチしつつ、かつ個人情報に配慮するということ、非常に重要であります。
ここは様々な関係団体があります。教育、保育、福祉、医療というこういった分野でもありますし、さっき申し上げたような貧困と虐待というふうなことも関わりますので、本当に様々なステークホルダーが関わってまいりますが、これは是非ともデジタル庁として明確なガイドラインというものを国が示すべきではないかなというふうに思っておりますのと、また、現在実証事業を行うということで聞いております。この公募の状態や、今後どのようにこの実証事業を進めていくのかについてお答えいただければと思います。
○大臣政務官(山田太郎君) 自見はなこ先生にお答えしたいと思います。
まず、私も、こども家庭庁、こども基本法、ここまで来たというのは大変感慨深げであります。本来であればそちらの質問席で政府に対しての質疑をしたいぐらいの思いでありましたけれども、立場がデジタル政務官ということなので、その枠を超えない形でもってしっかり答弁させていただきたいというふうに思っております。その他の思いはもう全部自見はなこ先生に今日は託して、しっかり政府をただしていただければと思っております。
さて、子供のデータ連携ですけれども、本当に子供たちは虐待あるいはいじめに遭った場合に声が上げられない。ただ、その端緒を何とかしてつかまなければいけないのだということで立ち上がったプロジェクト、政府の中でも子供の情報連携ということで、副大臣クラスを中心に今進めさせていただきます。ただ、そのときに、自見先生の方から指摘がありましたように、やはり個人情報保護法との壁、どういった情報をお互いの役所等含めて交換できるのか、大変大きな議論になっております。
特に、NPO、NGOが参加しようと思った場合に、その辺りのガイドラインがしっかりしていないとなかなか情報を交換できない。子供の自殺に関しても、虐待に関しても、子供食堂の問題に関しても、非常に民間の方々は一生懸命やっていただいているんですが、要対協の状況なんかを見てみると、その組織率は、極めて連携率は低いという課題があります。まさにこの個人情報保護法における子供の命とあるいは個々の情報の個人の連携、どういうふうにバランスを取っていくのか、大変難しい問題だというふうに思っております。そんな中、これに関してはしっかりガイドラインを作っていこうということで、その辺りの計画もしっかり今政府の方でさせていただいております。
特に、来年の四月から個人情報保護法に関しての地方自治体におけるいわゆる施策というのが新たな新法によって起こりますので、その前に、年内を目途に、しっかりとしたその個人情報保護の観点と、それから子供たちの命を守るというところの連携を図るということの議論、そして、ガイドラインのきちっとした明示もさせていただきたいということで進めております。
さらに、自見先生の方からも質問がありましたその実証事業ということでありますが、これも四月に七団体を採択させていただいております。六月からの実証事業の開始に向けまして、しっかりと、データの管理とか、何が必要なのか、そういった項目の議論もやらせていただいております。
デジタル庁といたしましても、しっかりとした必要な助言も行いつつ、採択団体とともに実証事業を成功させて、それを全国横展開をして、一人でも子供たちの意見、命、そういったものを守っていければというふうに考えております。
○自見はなこ君 ありがとうございます。
是非、このデータ連携、なかなか難しい課題があると思いますし、また、アウトプットをどこに明確に持っていくのかという設定は是非見失わないようにお願いしたいと思います。
今七つの実証事業ということでありますが、医療の世界に例えて恐縮ですが、医療の場合は、地域ごとの医療ネットワークをつくってくださいと厚労省が随分前に申し上げたところ、二百六十もあってそれぞれがベンダーがばらばらで、今もう補助金がなくて運用できないというようなことにもなっていますが、そういうことではないんだろうなと思うので、あくまでやっぱり明確なガイドラインを作るということにまず御努力いただきたいと思いますし、また、関係者、当然ながらの守秘義務というものが非常に重要になってくると思いますので、関係をする方々のカテゴリーの分け方、守秘義務の掛け方、安心してお母さんたち、そして子供たちも相談できるということが大事ですから、あなたの秘密は守られていますということを必ずお話の中でも言うということが重要だと思いますので、是非その利用者に届くような説明の在り方も含めてガイドラインを作っていただきたいと思います。
さて、資料の六の一でありますが、から六の二、六の三まではデジタル庁の皆様からいただいた資料になります。ワンストップの子育てサービス、これはぴったりサービスという名前ということで聞いておりますが、ここがいよいよいろいろと動き始めているということで、六の一と、そして六の二、そして六の三であります。
マイナポータルで取得できる事項、自分の情報様々書いているということで大きく利便性が向上するということも期待されておりますが、このプッシュ型というのは非常に重要だということを山田政務官、まだもちろん政務官になる前からこのプッシュ型、自分でリーチアウトしなくても物が手元に来る、ここに対するこだわりが大変大きくあると思うんですが、是非、このプッシュ型の情報提供についてどういうお考えで進めていこうとされているのか、お知らせいただければと思います。
○大臣政務官(山田太郎君) 今、自見先生の方からもこの資料を提示していただいた子育てワンストップサービス等を含めて、大変、子供たち、そしてそれを育てる親御さんたち、実は困難を抱えている方々にとっても大切な論点だというふうに思っております。
例えば、シングルペアレンツの方々が、子育てをしながら仕事も持ちながらいろんな申請をするというのは非常に困難です。もっと言ってしまうと、まさかそういういわゆる形になると思っていなかった、そして国と自治体の支援を受けたいという場合に、どこに何が書いてあるか分からない、毎回役所にいろんな書類を整えて呼び出されると、もう困ってしまっているという声はこれまでもたくさん届いていたところ、国にも届いていたところであります。
そういった意味で、何とかこういったもの、ネットでもって、あるいはポータルでもってサポートできないかということで、子育てワンストップサービスということで、マイナポータルを中心に今デジタル庁あるいは各関係府省庁と連携しながら一生懸命進めて、何とかこういった困難を抱えている方々も含めて子育ての方々に利便性向上ということを目指している部分であります。
実は、千七百四十一ある市区町村のうち、一つでも仕組みとして取り組んでいただいているのは千市町村まで来ましたが、ただ、まだ児童手当、保育、一人親支援、母子保健というふうに分類した場合に、それぞれのカテゴリーにおいてまだこのワンストップが実現できているというところはまだまだ少ないのが現状であります。一端言いますと、児童手当だと九百七十六団体、保育だと五百八十九団体、一人親支援だとたった三百六十団体、それで母子保健五百九十九団体ということで、まだまだ一般的にはなっていない。これを何とか、我々デジタル庁も一緒になって各関係府省庁と連携しつつ、今、自見先生が御指摘いただいたようなことで一つでもお役に立てるように、そして困難を抱えている人たちにどうやって利便性を高めるかということについてはしっかり対応していきたいと、こういうふうに思っております。
○自見はなこ君 ありがとうございます。
これ、今、デジタル庁とこども家庭庁というのは非常に親和性が高いということで一緒にやっていただいていると思うんですが、ここすごく難しいことにこれからなってくるんだろうと思います。
プッシュ型で何かをやるということであると、例えば、よく今総務省から勧告が来ていますけれど、厚労省の方に、産後ケアなども基礎自治体でサービスやるのはいいんだけど、広域連携ができていないので何とか改善するようにという勧告を総務省が今厚労省にしていると思いますが、例えばですけど、港区で赤ちゃんを産んだんだけれども文京区の産後ケア施設を伝えたいと、こういうことはよくあることでして、それは都会でもそうですが、もっと地方の方に行って、例えば富山とかですね、そういう地域でも横で、山梨もそうですが、いろんな横で連携しているところがあるし、していないところもあるんですね。
ですから、このプッシュ型でものが届くためには、縦割り、横割り、年代割りの打破といって今まで進めてきた改革のうちの横割りの壁が物すごくはだかる話を、ある意味行政的に整理しないとプッシュ型の通知はできないはずですので、ここは腰を据えて、仕組みをつくると同時に腰を据えて、こども家庭庁の方で行政の手続のところから介入していってやらないと、多分仕組みをつくるだけでは解決しないんであろうと思いますので、むしろこれをつくることでこの課題がありますよというところを、逆にデジタル庁からこども部局の方に言っていただくということが今後のプロセスとして最も大事になろうかと思いますので、是非ここは横割りの打破と密接だというところから全力で応援をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、山田政務官、どうぞ御退席ください。ありがとうございました。
○委員長(徳茂雅之君) 山田政務官は御退席いただいて結構です。
○自見はなこ君 それでは、古賀篤副大臣、大変お待たせをいたしました。厚生労働省に三問、まず副大臣にお伺いをさせていただきたいと思います。
まずは、これは資料でいいますと七の一から続く資料をちょっと御覧いただきたいと思います。
これは、先ほど冒頭申し上げました明石の泉市長が第一回目の勉強会に持ってきてくれた資料なんですね。分かりやすいです。こども家庭庁の必要性、地方から見た子供行政の課題ということで、縦割り、横割りということで書いていただいて、次のページ、おめくりいただきますと、横の課題ということで、未就学児のこれ居場所、小学校の放課後の居場所、この後最後に聞こうと思いますが居場所という課題、また虐待の防止というところで省庁が分断されていますよねということが書かれています。
その次に七の三、資料の七の三でありますが、そういったところの現状を解決するために是非つくってくださいという御要望は非常に有り難く受け止めておりまして、その次の次をおめくりいただきますと、具体的に縦の課題、資料の七の五、とあります。ここのところの一の子育て世帯への経済的負担の軽減のところで、熱心に取り組んでいる市長さんだからこそでありますが、子供医療費の無料化に対する国の減額措置(嫌がらせ)というふうに書いております。これは、地方自治体に対する子育て罰だなんておっしゃっておられましたけれども、ここについて質問をさせていただきたいというふうに思います。
この子供についての医療ということでありまして、多くの自治体が今未就学児についてまで取り組んだということもありまして、国民健康保険制度では、市町村が自己負担を独自に減免することで増加していく医療費の分ということは当該市町村で全額負担すべきという理由で減額調整というのを行うことというふうにされていますが、少子化の観点から、平成三十年度からでありますが、小学校に入るまでの子供の部分については対象外とされ、例外が認められた、これは本当大きな大きな一歩だったと思いますが、この明石の市長にもありますように、熱心にやっていればいるほど、それ以降も、例えば中学生までとか高校生までということで、無料ということでうたっているんですが、そうするとやはりペナルティーが掛かってしまうのではないかということで、これを、減額措置を是非とも廃止してほしいという声がございます。
私は、このこども家庭庁が発足するタイミングで是非ここは見直しを行っていただきたいというふうに思っておりますが、いかがでしょうか。
○副大臣(古賀篤君) ただいまこの国民健康保険の減額調整措置について御質問いただきました。
この減額調整措置につきましては、市町村における医療費助成によって窓口負担が減額される場合、国保財政に与える影響や限られた財源の公平な配分等の観点から、増加した医療費分の公費負担を減額調整しているところであります。
今御紹介いただきましたように、子供の医療費助成、そして平成三十年については、平成三十年度より未就学児までを減額調整措置の対象外としておりますが、その観点、ポイントとしましては、この医療保険制度の窓口負担が未就学児までは二割となっている、そして未就学児までは全ての市町村において何らかの助成が実施されている実態等を踏まえたものでございます。今委員が御指摘あったように、これを更に中学校卒業等と拡大すると。
自治体の方でいろんな取組をしていただいていることは承知しておりますけれども、今申し上げたように、それから以降のお子様が三割負担になる、あるいは市町村で、全ての市町村で行われているのかどうかと、こういったことを実態調査、本年度していきたいと思っておりますし、各自治体における医療費助成の現在の実施状況を把握した上でまず第一歩だと、それが第一歩だというふうに考えているところでございます。
○自見はなこ君 これは有り難い答弁だと思います。実態調査を国がするということは、基本的にやるぞという気持ちが見えていると私は今感じましたので、目と目で感じたところでありますので、是非これはお願いしたいと思います。
また同時に、これはやはり子育て基点、子供基点で子供政策を考えるというような市長さんたちの会がございまして、片岡市長、総社の片岡市長が会長を務めておられますが、ここからも強い要望が来ております。とにかく子育てに熱心な市長さん、首長さんたちの言うことは耳を傾けていただきたいと思いますし、これが、法律が成立をした場合に、来年の四月一日から新しくこども家庭庁がオープンということになると思うんですが、そのとき是非、一段高い立場からと野田大臣が何度もおっしゃっていただいているように、一段高い立場からこれを厚生労働省に是非ともお願いしますということを、引き続き強く働きかけを関係各位にお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
次の質問でありますが、資料の九であります。病児保育に就いて働く保育士さんなどの処遇改善のことについてお話をさせていただきます。資料の九の一と九の二であります。
岸田政権の下で、本当に有り難いことに、保育士、そして幼稚園教諭等に対する三%程度、月額九千円の処遇改善ということで、これ目玉の一つであったと思いますし、多くの関係者が本当に喜んでいます。また同時に、子供の保育三団体含めまして、九月までの間ですので、その後の財源の確保も当然しっかりやっていただけますよねということも御要望でいただいておりますので、ここは繰り返し要望として申し上げたいと思います。これ本当に大きなことでありますが、その次を見ていただきたいんであります。
この資料の九の二です。この対象職員なんですね。これ、ちょっと残念だなというふうに思っております。全ての保育士ではないということなんです。例えば、今現場から要望が来ておりますのは、残念ながら延長保育や預かり保育で働いている、これいわゆる通常の教育、保育以外のみに従事している職員は対象とならないということや、あるいは病児保育で働く保育士さんは対象外なんです。これは、病児保育を所管している、今厚生労働省でありますが、それは、病児保育は医療側の整理で出来高払だから等々の理屈は分かるんですが、さすがにこれはないんじゃないかなと思って、今まで深政務官に対しましても、全国病児保育協議会の大川先生始めとした関係者、何度か陳情に行っています。
ここの対象に、是非ここに書いてある延長保育や預かり保育等の通常の教育、保育以外のみに従事している職員と同時に、病児保育で働く保育士さんも処遇改善の対象としていただけないでしょうか。
○副大臣(古賀篤君) 今、自見委員の御指摘というのは、同じ保育士さんであっても働く場所によって処遇改善が図られていないという、こういうことだというふうに思っております。
御指摘のとおり、現状につきまして保育所の保育士さんは累次の処遇改善をして、今回三%更に上がっていると。一方で、病児保育事業の処遇改善は今回対象外となっているのが現状でございます。これは、病児保育への財政支援が、必要経費の積み上げにより公定価格が設定される保育所とは異なり、事業の実施経費の一部を補助する性格のものであることなどが理由となっていることであります。
ここでちょっと病児保育について少し説明させていただきたいと思いますが、ふだん保育所を利用している子供が病気のときに子育て家庭の支えとなる重要な事業だと考えておりまして、利用者数の変動が大きいこと等から収入が安定しないと。その安定的な運営を確保することが課題と考えておりまして、令和三年度予算におきましても、利用児童数によらない基本単価の引上げだったり、あるいは利用児童数に応じて加算を細分化することによって安定的な事業実施が可能となるように改善を図ったところであります。
病児保育施設で働く保育士さんが処遇の、処遇改善が対象外となっているのは、先ほど申し上げたように事実でありますが、一方で、その安定的な事業の運営を図るために補助単価の改善も行ってきたところであります。
現在の事業の運営状況について改めて調査、把握をした上で、引き続き、関係者の御意見も伺いながら、安定的な事業実施とともに、質の高いサービスの提供に必要な支援について検討していきたいと考えております。
○自見はなこ君 ここは是非とも諦めずに粘り強く私も頑張っていきたいところだと思います。
なかなか納得のいく答弁は得られない状況が続いておりますけれども、やはり子供目線で考えていただきたい。制度のための制度ということは、もうこれ、厚労省の仕組みとしては、いろんな理屈があるのはよく分かるんですが、同時に、これは今回の議題ではありませんが、介護報酬のプラス、処遇改善についても、医療機関で働いている介護職員がこれ対象外なんですね。ですから、どんどん医療機関で働く介護士さんの、介護の職員の方たちが介護施設に行って離職するという事態も招いています。
制度の立て付けという理屈はたくさん分かるんですが、それは現場でどういう人の流動性をもたらしているのかということも含めて、よく今後も考えていっていただけたら有り難いと思います。
次の質問に移ります。産科医療補償制度についてであります。
もうこの件は今まで幾度、今までに私は財政金融委員会でも質問させていただきましたし、ほかの政党も含めて幾度もこの課題はここ最近国会でも質問が相次いでいると思いますので、問題意識については御理解を賜っていると、厚労省には御理解賜っていると思います。
資料の十一、十二、そして資料の十三であります。
この制度は、産科医療補償制度でありますけれども、とにかく産科医療を守るためという立て付けから始まっているというところがまず認識をしなければいけないことであります。それは、紛争の早期解決を図るということと、事故分析をして産科医療の質の向上を図る。これ、まあ大野事件などがありまして、産婦人科の医療の現場から産婦人科医がこのままではいなくなってしまうと。また、脳性麻痺というお子さんたちが原因がなかなか分からないということからこういう制度が当時立ち上げられたわけでありまして、平成二十一年から今までいろんな運用を補償対象においてもしていただいております。
その中で、当初、分かりやすく言うと、狭い範囲から始めて、そしてエビデンスが積み重なったということでその補償対象を広げてきたということが今までの経緯でありますが、特に今年に入ってからのこの補償を変えたときに、今までであれば補償の対象にならなかった子たちが実は対象ですよという事態が生まれたというのが、分かりやすく言うと、今回の問題であります。
資料の十一にはそのスキームも書いておりますが、保険者がこれは妊産婦に対しまして出産一時金を払うときにこの分娩費のところに掛金を上乗せして払ってくれているということであります。
その次のページを御覧いただきたいんですが、これは新聞の記事、西日本新聞の記事であります。
この間、厚生労働大臣の質疑も変わってきております。全く取り扱えませんと、制度は制度ですからというところから、検討しますという御答弁までいただいております。
また、私は二十六日の参議院の財政金融委員会のときにお伺いしたんでありますが、これは運営組織というものがありまして、それが日本医療評価機構に入っております。これ、契約者なんですが、これがいろんな中身を決めるんですが、実際に運用してくださっているのは民間の保険会社なんですね。ここに対する積立金というものが、次の、めくっていただきますと、資料十三でありますが、二〇二〇年の十二月四日の時点とありますが、六百三十五億円プールがあるということであります。また、金融庁に質問いたしましたところ、このプールされている基金をどのように使うのかということは、これは特段ルールが、国が作っているということではなく、国というのは金融庁が何かを言っているというわけではなくて、これは、民間保険会社の規則監督上、特段、金融庁の立場から問題はないんだということでありまして、金融庁としてはこれは問題がないということであります。
そこで、厚労省でありますけれども、この件でありますが、私は当時、医政局として地域医療の特に産科医療を守るのだという立て付けから始まったということは承知をしています。それを理解してくれた保険局が、保険者との間の折衝の中でこういった特異な仕組みをつくってくださったということも承知をしています。立て付けが産科医療を守るのだとなっているんですが、私はやっぱり立て付け自体を見直す時期にも来ているんだろうと思うんですね。これは、脳性麻痺の子供たちをどのように本当に守っていくのかというところの観点が実はちょっと欠如しています。
ですから、ここは運営組織でいま一度、私は、これ五百人の方が対象から漏れているんですけれども、それが十二月三十一日に生まれた子と一月一日に生まれた子で対象が変わっちゃっているんですよね。ですから、これって何なのって当然思うと思うんですよ、五百人もいますから。ですから、是非、いま一度この救済については、私は、この保険者の御理解いただくのはごもっともなんですが、考える時期に入っていると思います。
前回も御答弁いただいたときに思ったんですけれども、基本的にはすごく大事な点が欠落しているんです、厚労省の答弁に。それは何かといいますと、その保険料を払っているその被保険者に脳性麻痺の家族がいるということです。そこの感覚がないまま、保険者の持っているお金は保険者のものですよ、もうそれ以上は保険者との間で我々は交渉できませんからという答弁なんですけど、そうじゃないでしょうと、脳性麻痺の家族も被保険者でしょうという観点がないんですね、御答弁の中に。
是非とも、脳性麻痺のお母さんたちが今いろんなデモといいますか、署名活動をされていまして、私はそれは本当に申し訳ないことだと思っています。脳性麻痺のお子さんたちを抱えているお母さんたちが一番にしたいのは子供の養育です、療育です。そこをさせない現状というのは速やかに私は改善すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○副大臣(古賀篤君) 自見委員からこの産科医療補償制度について以前より御質問いただいているわけでありますので、制度の説明はもう不要だと思っておりますが、まず、大変問題意識を強く持っておられることに、受け止めさせていただきたいと思っております。そして、今冒頭御紹介いただいたように、やはりこの制度自身が安心して産科医療を受ける環境整備、そして地域医療を守るという趣旨だということも十分御理解いただいての御質問だというふうに理解しております。
この制度について少し丁寧に御説明したいと思いますが、先ほど保険制度で保険者という御指摘もありましたが、医療保険者が実質的に掛金を全て負担する制度の中で実施されているところでありまして、その中で補償対象基準について、各々の時点での医学的知見や医療水準を踏まえて審議会で決定してきたという歴史がございます。その際に、掛金とともに決定しているところでありまして、こういった保険制度の中で医療保険者の協議により定められた掛金の中には、今まさに御質問あった、事後に遡及して補償するということは想定されていないというわけでございます。
その上で、六百三十五億円という剰余金の御指摘もありました。剰余金の使途につきまして、社会保障審議会医療保険部会においても複数回にわたって議論をしまして、この剰余金の使途をどうするのか、そして、結果として、安定的な制度運営の観点から、この医療保険者の合意の下で将来の保険料に充当するというふうに決定されたわけであります。ですので、剰余金はあるものの、使途の変更をして活用するということは容易ではないということは是非御理解いただきたいと思います。
何より、何回も御質問いただいておりますが、脳性麻痺で苦労して子育てをされているお母様、お父様方、そして、そういった中でいろんなこの制度の見直しの中で対象外になったという思い、これはしっかり受け止めさせていただく中で、制度の仕組みについて御理解いただくように説明してまいりたいと考えております。
○自見はなこ君 ありがとうございます。
引き続きこれは議論を続けていくべき案件だと思っております。時代が大きく変わっているので、過去の審議会で決めたからそれで終わりですということではもうないんだと思いますから、それは政治家として受け止めていただければ有り難いなと思います。
古賀先生、副大臣におかれましては御退席いただいて大丈夫です。
○委員長(徳茂雅之君) 古賀副大臣は御退席いただいて結構です。
○自見はなこ君 続きましてでありますが、装具について御質問させていただきたいと思います。
障害のある方でありますが、医療的ケア児のお子さんもそうでありますが、義肢装具士の方々が作られる装具というものを使っておられますが、実はこれの支払の仕組みなんですね。これ、経験ある方は分かると思うんですが、この装具を作ると、今、体にちゃんとフィットして、今というか昔からですが、作ってくださっていますので高額なんです。
これを窓口で全額払うということが求められている中で、やっぱり一人親、そして厳しい家庭の、経済的に厳しい御家庭ではこれが難しいということで、是非ともここは、利用していただく患者様の御家族の負担がないような支払の仕組み、すなわち受領委任の支払を導入すべきだというふうに考えております。これは義肢装具士の協会の方々の悲願でもありますが、同時に、障害を抱えるお母さん方のすごく大きな負担感になっています。三十万、四十万という額をまず払わなきゃいけないんです、窓口で。
ですから、是非ここは御検討いただきたいと思いますし、プロセスとしてはしっかり踏んでいただいていると思いますが、ここに対して御見解を厚労省からお伺いできればと思います。
○政府参考人(榎本健太郎君) お答えを申し上げます。
今御質問いただきました療養費の、治療用装具の療養費の受領委任の関係でございますけれども、この療養費の受領委任払いにつきましては、健康保険法において償還払いが原則となっております中で、一つは架空請求や水増し請求といった受領委任払いによる弊害の生じる危険性が乏しい、それから導入の必要性や相当性があるといった場合の特例的な措置であるというふうに考えているところでございます。
このため、その治療用装具療養費に対する受領委任制度の導入という御提案をいただいておりますけれども、これにつきましては、療養費の請求をいただく方が患者本人でなく事業者になるということで、架空請求や水増し請求が行われないかどうか、それからまた、治療用装具療養費の代理受領に応じている保険者、これ、ちょっと前に調べた状況では二%ほどしかないという状況でございますけれども、導入する必要性、相当性があるかどうかといったような点について、保険者も含めた関係者の御理解が必要であるというふうに考えておりまして、まずは治療用装具療養費の支給基準や手続等のルール作りを進めるということが重要であると考えているところでございます。
このような中、私ども厚生労働省におきましては、治療用装具療養費検討専門委員会におきまして、義肢装具士や保険者等の方々に委員として御参加をいただいて、治療用装具療養費の在り方について検討しているところでございます。
これまでの取組として、平成二十八年九月からは、治療用装具療養費の支給対象とすることが適当である既製品の装具をリスト化し、公表、周知しているところでございます。本年三月、二十七品目を追加して、合計四十七品目としたところでございます。そして、療養費を支給する際の基準価格も併せて設定させていただいております。
また、平成三十年二月には、治療用装具療養費の支給申請手続を明確化しまして、医師による証明書の発行、事業者による領収書の発行、そして療養費申請書への装具の写真の添付などを求めるといったことをいたしております。
今後、今申し上げました治療用装具療養費検討専門委員会におきまして、関係事項全般にわたる留意事項通知について検討するなどして、引き続き、治療用装具療養費が適切に支給されるためのルール作りに取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
○自見はなこ君 ありがとうございます。適切なプロセスを踏んで、是非ルールの明確化をしていただいた上で、実現に向けて頑張っていただきたいと思います。
それで、宮路政務官には来ていただいたんですが、大変申し訳ないです、私の時間の運びのことで、誠に申し訳ございません、野田大臣に最後一言御決意をいただいて終わることになるかと思いますので、関係の皆様もお許しいただきたいと思います。
医薬品の開発で、子供の小児がん、特に多いんですけれども、医薬品の開発は、子供の医薬品の開発を同時に行うことを義務化している欧米と比べて日本は大変遅れておりますので、そこの問題意識も受け止めいただければと思います。
野田大臣にお伺いします。
最後でございますが、宮路先生にも、政務官にお伺いしたかったのは、とにかくこの児童手当、特別児童扶養手当など障害児の方々への手当も所得制限があります。そういった観点から、こどもまんなかを本当に実現しようと思いますと、やはりちゃんとした財源確保が必要でございます。今回のこども家庭庁の設置法案の中で、幾度もこの財源問題は出てきていると思います。この財源問題について改めてどういう御覚悟、御決意で臨むのか。そして、地方自治体からの人事戦略ですね、本当に有機的にこの省庁をなしていくにはどうするのか。
特に、時間の関係がございますので、財源確保の御決意だけ最後端的にいただいて、終わりにしたいと思います。
○国務大臣(野田聖子君) 今日は自見委員から様々、子供についての御見識を賜りました。これだけの問題があるということはこれだけのポテンシャルがあるということで、前向きに捉えていきたいと思います。
当然、財源については、必要なことでありますから、総理がいつもおっしゃる人への投資というのがございます。やはり、今まで人へ投資をしづらかった国にあって、子供はやはり投資すべき最優先課題の日本の仲間たちという意識を持って、しっかり取り組んでいきたいと思います。
○自見はなこ君 ありがとうございます。
所得にかかわらずですね、これは制限というものありますが、是非撤廃する方向を目指して中長期的に取り組んでいただければと思います。
こどもまんなか社会の実現に向けまして、私も尽力し、成功とをお誓い申し上げて質疑を終わります。
長時間ありがとうございました。