2013.11.11

食材表示偽装問題について質疑を行いました。

11月6日(水)、参議院消費者問題に関する特別委員会にて質疑を行いました。

http://www.youtube.com/watch?v=wRBHaNjt2HU&feature=player_detailpage#t=5274

議事録(未定稿)
○山田太郎君 みんなの党の山田太郎でございます。
 本日は、大臣所信に関する一般質疑ということで、今大きく問題になっております食材偽装の問題ですね、それから消費者委員会の建議と消費者庁との対応の関係についても質疑に当たらせていただきたいと思います。
 まず、食材表示の偽装問題でありますが、例の阪急阪神ホテルズで発覚した。その後、もう本当に次々と様々なホテルで、どのホテルでもやっているんではないかというぐらいの、当たり前のような状況になりつつある大社会問題になっている、このことが報道されています。
 もう何件の事件があるのか分からないぐらいになっているんですが、大変だと思いますけど、この問題に関して消費者庁はどのように把握されているか。報道や内部告発などで何件ぐらいの事例を今把握していらっしゃって、消費者庁の調査に着手したのが何件で、例えば裏を取れたのが何件で、白黒付いたのが何件か、この辺、是非教えていただきたいんですが、よろしくお願いします。

○国務大臣(森まさこ君) まず、報道等で確認をいたしております件数が約五十件でございます。また、調査をしている件数につきましては、まだ調査中でございますので、お答えを控えさせていただきたいと思います。

○山田太郎君 是非、調査着手、どれぐらい消費者庁頑張っているかというアピールにもなると思いますので、今後その数字を出していただければなというふうに思っています。
 それでは、食品偽装の件、これ、景品表示法その他の法律に触れるということでありますけれども、どんな法律のどの条文に触れるかということを今回是非明らかにしていただければなと思います。その場合、だまそうという行為は要件なのかどうかといった辺りですね、この辺についてもお話しいただければと思います。

○国務大臣(森まさこ君) 景品表示法に違反をする場合がございます。この場合は故意、過失を問いません。その他の法令については、様々ございますけれども、その個別の案件によって、例えば詐欺罪等が考えられると思います。

○山田太郎君 森大臣、さすが弁護士だということもあって、この辺はお詳しいかと思いますけれども、法律に違反するかどうかちょっとはっきりしないんですが、例えば、ホテルのレストランで、和牛、黒毛和牛ステーキと称して顧客を勧誘してオージービーフステーキを提供した場合、景品表示法第四条一項一号違反にはなるんでしょうか。

○大臣政務官(田中良生君) 不正競争防止法におきましては、商品、役務等にその原産地あるいは品質、内容等について誤認させるような、そういった表示をする行為に対しましては、差止め請求等の民事上の措置を規定するとともに、罰則規定を設けております。不正競争防止法の適用に関しては、最終的には裁判所で個別事例ごとに判断されるものであります。
 がしかし、一般論として申し上げれば、ホテルの料理の提供に当たりまして、その原産地、品質、内容等について誤認させるような虚偽の表示をした場合は、不正競争防止法第二十一条第二項第五号に該当すると考えられます。

○山田太郎君 ちょっと、今私が質問したのは景品表示法の方なんですね。景品表示法の第四条一項一号違反になるかどうかということについてはいかがでしょうか。
 今のは不正競争防止法の話を答弁されていましたけど、ちょっと回答が全然次のところを答えちゃったと思うんですけれども、訂正していただければと思います。

○国務大臣(森まさこ君) 景品表示法においては、事実に反する表示をしたと、今の御指摘どおりであれば、事実に反する表示をしておりますので、優良であると誤認をさせるものであると思いますので、適用があると思います。

○山田太郎君 大臣、さすが弁護士でございまして、そのとおりかというふうに思っております。
 二点目、不正競争防止法についても抵触するかどうかという質問は、逆に先に答えられてしまいましたので、政務官の方から先ほどの答弁がそのとおりだったという認識をさせていただきたいと思います。
 それでは、この不正競争防止法二十一条二項五号の商品若しくは役務にレストランで提供される料理は含まれるかどうかということをもう一度確認したいんですが、いかがでしょうか。

○大臣政務官(田中良生君) 失礼いたしました。
 先ほどの答えと同じなんですけれども、やはりホテルの料理の提供に当たって誤認されるような虚偽の表示をした場合は、不正競争防止法の第二十一条二項五号に該当するものと考えられます。

○山田太郎君 さて、今回、景品表示法の目的ということも非常に消費者庁としては重要なところだと思います。
 中身をもう一度見てみますと、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれのある行為の制限及び禁止について定めるものだということを規定されておりまして、一般消費者に被害が出ないうちに不当な表示はやめさせようというのが法律の趣旨だと思います。つまり、何か問題が起こる前に、事前に防止をするんだということが実は法律の趣旨だということであります。
 そういった意味で、消費者庁に対してこれ求められている内容は、不当な表示を速やかに見付けて正していくと、これが、消費者の要は不利益になる前にいわゆる手当てをしていこうということが本来的な役割だというふうに考えております。そういった意味で、今回、食品表示の偽装という問題が報道されてから動くというのでは多分遅いのかなというふうに思っておりますので、この辺り、消費者庁の考え方というのも聞いていきたいというふうに思っております。
 そうした観点で、この問題、過去に消費者庁が自分で動く機会もあったんではないかということ、これは非常にもう一つ重要なポイントになると思っております。
 そこで、お伺いしたいと思いますが、全国の国民センターや消費生活センターに消費者から寄せられる消費生活相談は国民センターにデータベース化されているということを聞いておりますが、全体の相談情報から外食の表示に関する相談ということで抽出することができるそうであります。そこで、外食の表示に関する相談は毎年三百件から四百件ぐらいあるということも事前のレクでお伺いしておりますが、この問題となっています阪急阪神ホテルズの表示に関する相談は平成二十年度から二十四年度の五年間の間でどれぐらいあったんでしょうか。

○国務大臣(森まさこ君) 阪急阪神ホテルズグループ、たくさんございまして、こちらの方の、今の御質問ですと外食の表示に関する相談が五件ございますが、そのうち原材料の偽装に関する相談はございませんでした。

○山田太郎君 お手元の方に今回資料をお配りさせていただいています。年度別の相談総数とか外食表示に関する相談件数で、二枚目開けていただきますと、この例の阪急阪神さんのケースは毎年一件ずつ、こんな感じで相談件数があると。一方で、もう一つ話題になりましたリッツ・カールトンさんはゼロだったということであります。
 じゃ、その中身について、相談事例はどうだったかということに関しても、これ、消費者庁さんを通じて調べさせていただきまして、五件、こんな内容だったということであります。料理が価格に見合っていないとか、メニューの半分しか料理が出ていないとか、宴会料理の内容が事前の説明と違うとか、セットプランの価格がパンフレットと違う、チラシの写真と比べて料理が貧弱といった相談内容なんですね。やっぱり、これを見て何となくおかしいなと、食材偽装にもつながるような、まあ厳しい言い方をすれば詐欺にもつながるような重大な相談内容はなかったのかと。何かここで起こっているんではないかなというようなことを例えば考えて、現場の国民生活センターや消費者センターでは相談を、乗るとかいう形でこういう情報を得ているわけですけれども、消費者庁自身はどんな対応をされたのかと。
 いずれにしても、同じ系列でこれぐらい、ほかはほとんど出ていないんですが、五件あったということでおかしいと思わなかったのかどうか、この辺もお答えいただければと思います。

○国務大臣(森まさこ君) PIO―NETの情報、年間九十万件寄せられているわけでございますが、年ごとに一件ずつございました。
 このような表示の問題につきましては、消費者庁では業界団体の研修に相談員を派遣するなどして表示についての適正化の指導をしてきているところでございます。

○山田太郎君 この件に関してもう一つ、消費者庁長官の方が十月二十三日の記者会見で、阪急阪神ホテルズが十月七日に消費者庁に報告するまでこの問題に関しては全く情報はなかったとおっしゃっているんですね。お手元のとおり、ある程度の情報はあったんではないかというふうに思うんですが、この辺の事実関係はいかがなんでしょうか。

○国務大臣(森まさこ君) 阪急阪神ホテルズの原材料の偽装に関する情報がなかったということをお答えした趣旨であるというふうに受け止めております。

○山田太郎君 本件、元々消費者庁長官御本人をここで呼んで直接御本人からお伺いしたかったんですが、他の同僚の理事の方からも説得されまして、慣例上長官は呼ばないということを言われたので、不本意でございますが私も認めまして、代わりに大臣に御答弁いただきました。
 さて、もう一つ、このデータベース、非常に消費者庁としても大切だということでありますが、まさに八十万件、九十万件という大量のデータになってきますと、どうやってこれを活用していくのかと。ためているばっかりでは仕方がないというふうに思っております。ただ、やっぱりこの中には、先ほどから申し上げているような偽装につながるヒントというか、事前に防止をしなければいけないという内容は入っているわけでございまして、この辺をどうしていくのか。
 あわせて、実はこれもお伺いしたんですが、表示対策課さんですね、ここに四十八名の職員がいて、うち、この調査というんですか、担当する方は僅か二十名しかいないと。確かにこれでは表示対策に関しても十分な対応ができないんではないかと、こんなふうにも思っております。法律があったとしても人の対応ができなければなかなか変わっていかないと思いますが、この辺りも、大臣、いかがでしょうか。

○山田太郎君 先ほどの件で一個だけ、もう一回お伺いしたいんですが、阪急阪神ホテルズの件です。逆に言うと五件あったという件、実際にこれだけ社会問題の発端にもなったので、これについては大臣の方からどのような指導をされたのか、一般論というか、具体的にどんなことをされたのかも教えていただけますでしょうか。

○国務大臣(森まさこ君) これについては、まず一つは、しっかりとこの法律の違反事項があるかどうか調査をして、違反事項がある場合には迅速に厳正に処分をするようにという指示をいたしました。もう一つは、その調査が全て終わるのを待たずに、その前に、このような事象が広がっていることを踏まえまして、業界にこの法律の趣旨の徹底、それから、これまでの違反事例を一覧表にいたしまして、それに対する消費者庁の考え方も記載をいたしたものを本日配っておりますけれども、そして、今後、業界ごとにしっかりとこのような事態が生じないようにどのように取り組んでいくかということを報告するように要請をするよう指示したところでございます。

○山田太郎君 済みません、もうちょっと突っ込んでやりたかったんですけど、時間がありませんので、次のお話に移りたいと思います。
 消費者行政の要は根幹にかかわるところとして、消費者委員会の建議が消費者庁に無視されているんではないかという事態について少し質問させていただきたいと思います。
 消費者委員会が作っている資料があるんですが、未公開株とか老人ホームの利用権などを材料にした詐欺的な投資勧誘の相談件数というのが結構ありますと。平成二十三年度で二万二千件、平成二十四年度で一万六千件ということでかなり大きな数になっています。消費者委員会としては、これを何とかしようということで、今年の八月に詐欺的投資勧誘に関する消費者問題についての建議ということをまとめたそうでありまして、これについて、この詐欺的投資勧誘に対抗するために特定商取引法の改正を提言したと。ところが、消費者庁の方は、特定商取引法の改正は必要ないんだと、この建議の内容を実行しないということであります。
 そこでお伺いしたいんですが、消費者庁としては、特定商取引法の改正は必要ないという御見解なんでしょうか。

○国務大臣(森まさこ君) 私は消費者委員会も消費者庁の方も両方見ている大臣でございますけれど、まず消費者庁についてお尋ねですので事実関係を御答弁いたしますと、この建議がありました際に、消費者庁は、法制面、実行面の双方から慎重に検討していく必要があると考えているというふうに考え方を消費者委員会に対して示したというふうに報告を受けております。

○山田太郎君 今日は消費者委員会の事務局長にも来ていただいているかと思います。消費者委員会としてはどのような意図でこの建議をまとめたか、お答えいただけますでしょうか。

○政府参考人(小田克起君) 消費者委員会におきましては、詐欺的投資勧誘の対策、これは決め手がないということでございますので、関係法令の執行強化、制度整備、犯行ツールに関する取組の強化、消費者への注意喚起や高齢者の見守りの強化と、こういった施策を組み合わせて総動員して取り組むことが必要だということでございます。そうした対策の一つとして、特定商取引法の指定権利制の在り方の検討というものを建議いたしました。
 この特商法の規定では、契約時の書面不交付、虚偽・不備記載、不実告知などの不適切な勧誘行為に対して警察による取締りが行われるということから詐欺的投資勧誘の対策の一つとして一定の効果を持つと、こういう考えで建議に至ったと、こういうふうに聞いております。

○山田太郎君 同じ消費者庁の中で、消費者委員会の方は特定商取法の方まで改正して対応したいと言っておいて、一方で消費者庁本体の方はこれは要らないんだというような形です。
 ただ、消費者庁の中にもいろいろ御意見あると思うんですけれども、消費者委員会の建議という極めて重要な御意見を尊重するべきなんじゃないかと。消費者庁と消費者委員会の両方を所轄する大臣として、もう一度、これちょっと、どのようにされていくのかという、多分、大臣の御決断というのも一つ必要かと思っておりますが、その辺りもお聞かせいただけますでしょうか。

○国務大臣(森まさこ君) 今、山田委員、同じ消費者庁の中でというふうにおっしゃったと思いますが、そこのところを御説明させていただきますと、消費者委員会は、消費者庁の外にございまして、独立して消費者庁に対して建議をすることができる権利を持っております。
 この消費者委員会と消費者庁、そして先ほどから出てきております国民生活センターの三者が適切な連携とそれから緊張関係を保ちながら消費者被害を救済、防止をしていくという理念の下で設置をされたわけでございますので、消費者委員会の方から建議がなされた場合にはしっかり尊重をしていくべきだと私も思っておりますが、消費者庁としては、実際に執行をしている、実務をしていく中での意見もしっかりそれは示しながら、両者、そして国民生活も含めて三者が連携をして消費者被害を救済、防止をしていくように私としてもしっかり指導をしてまいりたいと思います。

○山田太郎君 時間になりました。最後に申し上げて終わりにしたいと思うんですけれども、是非、消費者委員会の建議がしっかりと消費者行政に反映されるように大臣にお願いしたいと思っております。
 やっぱり、消費者庁は新しくできた組織なんで、なかなかいろんなところが大変だと思いますし、今非常に大きな消費者問題、食材偽装の問題とかはなっています。一方で、大臣の方はNSCとか特定秘密法案とかいっぱい集中しているので、その辺も内閣全体としてはバランスを持って、どれも大事だとは思うんですけれども、特に今、国会の方はその日程でかなり影響を受けておりますので是非政府としても考えていただいて、最大限、国会、それから政府一体となって国民のために当たれるように今後ともよろしくお願いしたいと思います。
 以上でございます。ありがとうございました。