2022.2.26

重要!改正児童福祉法改正で、こども達にとって何が良くなるのか?

2月22日(火)自民党の「厚生労働部会・虐待等に関する特命委員会・障害児者問題調査会合同会議」にて、今国会に提出される、児童福祉法改正案の概要審査を行いました。

今回の児童福祉法改正は、こども家庭庁の中身となっていく非常に重要な内容です。大変前向きな改正であり、大きな一歩であることは間違いありませんが、しっかりと効果を持った制度になるよう、詳細を詰めていく必要があります。

私は、こどもまんなかの社会を実現していくために、下記の5つの要望について強く訴えました。

①日本版ネウボラを実現するための「こども家庭センター」

今回の改正で市区町村において、すべての妊産婦、子育て世帯、子どもが気軽に相談できる身近な相談機関「こども家庭センター」の設置に努めることになります。

しかし、こども家庭センターの設置が「努力義務」になっていることに対して「必置義務」にすべきだと要望を出しました。全国1,718市町村の人口の中央値は約23,000人です。人口1万人に満たない市町村が3割ある現状ではこどものことだけに取り組む部局がない自治体があるのが現状です。自治体には格差があることを踏まえ国がしっかりと介入していくべきです。

産前産後のケアにおいてもいくら受け皿を作っても、支援を必要としている人は自ら支援を受けにくることは困難です。すべての自治体が先進的な伊達市のように、妊娠期から保健師が家庭と一対一の切れ目ない支援を行うことは難しいかもしれませんが、どこに住んでいても質の高いサービスを受けられるように、国のユニバーサルサービスとしての位置づけで考えていくことが大切であることも強く訴えました。

図)今回の児童福祉法改正案

②児童相談所での非行と被虐待児の分離の徹底

2つ目は一時保護所でのこどもの置かれた環境の問題です。今回、一時保護や児童相談所の処遇や支援、妊産婦等の支援の質向上、民間との協業による親子統合の事業が実施されます。

しかし現在、虐待を受けたこどもと非行により保護されたこどもが同じ一時保護所に保護されています。保護される必要のあるこどもという点では同じですが、虐待を受けたこどもの隣に非行により保護されたこどもがいる環境というのは、こどもにとって安心・安全な環境とは言えません。施設関係者や虐待サバイバーなど、現場の誰に聞いても、「被虐待児と非行少年を同じ空間で保護することは好ましくない。」と言います。厚労省は場所とリソースの問題でできていない、と言っていましたが、「私は明確なガイドライン等を出すべきだ」、と強く主張しました。

NPOやNGOとの協働の必要性

今回の児童福祉法改正案では、施設入所の措置を解除された人(措置解除者)の実情に合わせて、支援の対象年齢要件の弾力化ができるようになります。これにより、20歳で支援がぷつりと切れてしまうことを防ぎます。措置延長の必要性は、私は2016年から訴えていましたが、ようやく実現されます。

しかし、社会的養護経験者の自立支援や里親支援制度においての議論では、常に入り口はあるが、中口・出口の議論がなされていません。里親家庭で育ったこどもたちはいずれ里親家庭から自立していきます。成長した先の出口についても今後活発な議論をしていかなくてはなりません。

社会的養育経験者の自立支援

今回の児童福祉法改正案では、施設入所の措置を解除された人(措置解除者)の実情に合わせて、支援の対象年齢要件の弾力化ができるようになります。これにより、20歳で支援がぷつりと切れてしまうことを防ぎます。措置延長の必要性は、私は2016年から訴えていましたが、ようやく実現されます。

しかし、社会的養護経験者の自立支援や里親支援制度においての議論では、常に入り口はあるが、中口・出口の議論がなされていません。里親家庭で育ったこどもたちはいずれ里親家庭から自立していきます。成長した先の出口についても今後活発な議論をしていかなくてはなりません。

図)今回の児童福祉法改正案

画像)2016年に私が、菅官房長官(当時)世耕官房副長官(当時)に提出した要望書

⑤一時保護の司法審査導入

 また、先日起きた痛ましい大和市4児死亡事件も徹底的にレビューする必要があります。亡くなった雄大くんは『母親に投げ飛ばされて、口から血が出た』と説明しており、児童相談所は『自宅に戻すべきではない』と判断していました。しかし、家庭裁判所はこの申し立てを却下し、雄大くんは自宅に戻され亡くなってしまいました。今回の司法審査は、なぜこのような判断になってしまったのか、しっかりと明らかにして、今後の運用に生かしていかなければならなりません。

今回の児童福祉法の改正が、現場でこどもの最善の利益につながるよう、引き続き、しっかりと取り組んでいきます。

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