2013.11.7

「山田太郎と行くASEANツアー」報告 ~ミャンマー編

8/24~30の7日間、ASEAN(カンボジア・タイ・ミャンマー)3カ国を訪問しました。
各国の日本国大使館、現地企業、日系企業、工業団地、経済特区等、経済成長著しいASEANの現状を、各所視察してきました。

■ミャンマー -ヤンゴン
5:00AM。バンコクのホテル出発し、空路ヤンゴンへ。
ヤンゴン空港。到着ロビーには、多くの出迎えの人々であふれていました。
ロンジー+サンダル姿の男性。これまでの2カ国と全く違う印象でした。
空港内を歩きながらの驚きの1つは、空港内にATMが設置されていたこと、昨年10月には無かったそうです。ちなみに、手数料は5,000チャット(約500円)。

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市内に入り、また、車の多さ、そして何より走っている車の種類の変化に、再訪者の皆さんは
更に驚いていました。
これは、自動車輸入規制緩和により、自動車台数が一気に増大。この影響により、これまでの大昔のタイプの車から、大半が綺麗で新しい最近の日本車に変わったようです(昨年秋頃は、自動車の床がなく、道路が見えていた40年前の日本中古車だったとか・・・)

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そして、空港から近いミンガラドン工業団地へ。これまでの2カ国からすると、まだまだこれからの工業団地というイメージでした。
衣料縫製工場がメインに、日本・香港・シンガポール等アジア諸国の企業工場が入居しているそうです。
この工業団地は、まずミャンマー国と日本の商社による共同開発販売でスタートしましたが、2006年に日本商社が撤退、日系食品メーカーの工場建設も休眠状態等、アジア通貨危機や米国の経済制裁等の影響を受け、今後については拡張予定もないそうです。

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その後、ミャンマー人経営の縫製工場へ。体育館のような広い工場内にずらっとミシン台がならび、多くの若手の男女がミシン台につき、日本向けの秋冬物のコート、ジャケットを黙々と縫っていました。日本の昔の工場もこんな感じだったのだろうと、勝手にイメージしていました。この工場には、500-600名ほどの従業員が働く中規模工場。現在は、日本企業とのライン契約を締結して、工場内には日本人スタッフ1名が常駐し、細かくスタッフに指示を出していました。
製造ラインは6ライン、1ラインに60名、1日で130着程度を縫い上げるそうで、その日に製造していた日本向けの婦人ダッフルコート完成までの工程は85にも及ぶそうです。

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午後は、在ミャンマー日本国大使館へ。大使とJETRO投資アドバイザーより、現地情勢ブリーフィングを受けました。それぞれの国の大使館へ訪問しましたが、ミャンマーの大使館への来訪者の多さが印象的でした。
急激なスピードで経済成長をしているヤンゴン市街について、「国民の欲望に火がついてしまった」という国民生活の変化、また日本のODA支援に関して等、予想以上のスピードで変化が起きている、ヤンゴン市内の現状について伺いました。
ODA支援に関しては、中国・韓国等のライバル国が多く、案件受注の道のりは厳しいようですが、日本ならではの強みを生かした、日本にしかできない案件の獲得を願います。
そして、ここ1年弱のうちに、宿泊代・事務所賃料の急激な高騰、交通渋滞の激化、また民族衣装のロンジー姿が減り、ジーパン姿が増え、女性がハンドバック持つ等、早く欧米のようになりたいと思う国民。また、海外企業が次々に進出し、日本企業も100社超進出しているが、投資は増えておらず、まだウインドウショッピングで様子見、タイミングを見極めているような状況のようです。また、日本人の駐在・出張が激増した影響の1つとして、日本食レストランも50軒程度に増加したそうです。そして、現在は5紙のフリーペーパーもできたそうです。

次に、ミャンマー人経営の企業を訪問。
水産加工販売、食品加工販売、映画作成・配給、化粧品輸入販売等、幅広く多角化ビジネスの企業です。親日家であるオーナーですが、ミャンマー国民の生活が豊かになり、ミャンマー国の発展につながるような事業を次々と立ち上げていく、決断力、積極的、前向きな姿勢等、芯の強さ、力強さを感じました。

6日目は、早朝から日系IT開発企業へ。
バスを降りて、オフィスビル外脇には自家発電機、電力不足対策の代物を発見。
渡航前から聞いていた電力不足を実感。確かに、前日深夜にホテルの部屋で非常灯が突然ついて、驚いて目が覚めました。停電が2回ほどあったようなかすかな記憶が・・・。

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移転したての真新しいオフィスにお邪魔すると、朝8:00、スタッフエリアから日本語の「ラジオ体操」の音楽が。スタッフ全員で朝一番のラジオ体操をしてから、朝礼が始まりました。こちらの会社は、社内公用語が日本語であり、「おはようございます」でスタート。会の中で開催されるスタッフのプレゼンテーションも、もちろん日本語。この日は見学者も多かった為、女性スタッフは、かなり緊張した面持ちで発表されていました。プレゼン終了後してほっとしたのもつかの間、なんとその場で他のスタッフから直接評価を受けるというシビアな光景でした。

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こちらの企業は、ミャンマー人の新卒を採用。ミャンマーではコンピューター学科が人気があり、優秀な人材の確保できるそうです。これは、クライアントが全て日系企業の為、日本式ビジネスを理解できる人材が必要なことから、中途採用者では厳しく、社内で一から日本式を教育していくそうです。
また、ミャンマーの独特さを感じたのは、学生が企業を決める基準。両親を尊敬し、実家住まいが多く、「親が知っている会社=いい会社と判断」するそうです。その為、採用増大に向けては、社のブランド力向上が課題だと話していました。最後に・・・オフィスのトイレには、日本メーカーのウォシュレットを発見。

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その後、ティラワ港・ティラワ工業団地(建設予定地)へ。
まずは、ティラワ港へ。オフィス棟で概要説明を受けた後、敷地内へ。

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海沿いの広大な敷地には、路線バス・大量の日本車・ショベルカー等の輸入品、木材等の輸出品が様々並んでいました。
 

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ただ、この港の水深は9m、3万トンの船までは対応できるものの、大きな船は入れないという問題点が。日本からの船は、マレーシア・シンガポール等で小さな船に積み替えが必要な為、時間もコストもかかるそうです。

その後、ティラワ工業団地(建設予定地)へ。
鉄道も通っているとのことで、バスを降りてみると、頼りなさげな線路が一本。そして、赤い屋根の駅舎が。1日朝夕2本が運行されているそうです。

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工業団地建設予定地と言われる2,400㏊(東京ドーム約500個分)の土地は、青々とした広い大草原。前回訪問時には無かったと言われる電線・電信柱が延々と伸びていました。2015年完成予定と言われる2年後はどうなっているのだろう、、、また訪れてみたいと思いました。

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ヤンゴン市内に戻る中、大草原の風景に、建設物の一群が。よく見ると、真新しい一軒家が建ち並ぶ住宅街を建設中。これは、先ほどの工業団地完成に先行して、高級住宅が建設されているそうです。価格を聞いてみると、一棟=4,000万円超とも言われ、日本並みの価格でした。

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また少し車を走らせると、一大マンションタウンが建設が進められていました。販売状況を聞いて見れば、既に大半が契約済みとのことで、こちらのタウンからは、ヤンゴン市内とフェリーで通勤可能な海路構想、ゴルフコースまで併設、モデルルームもきらびやかな家具・寝具等で飾られていました。ちなみに冷蔵庫等の家電の多くが韓国製でした。

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ツアー最後の訪問先は、シェラゴンパゴダ。今回は、フリータイムゼロのハードスケジュールの中、最初で最後、唯一の観光スポット訪問です。
小高い丘に、黄金で輝く仏塔圧巻。中でも高さ98mの巨大な塔。金箔で被われ、6,000個を超えるルビーやダイヤモンドの宝石がちりばめられているそうですが、実見できないのが残念。
夕暮れ前の敷地内には、外国の観光客はもとより、多くの地元の人々も。
人口の約9割が仏教徒といわれるミャンマーでは、聖地なる場所。袈裟をまとった丸坊主の僧侶や、ロンジー姿等の人々が、床に座り、手を合わせて祈りを捧げている姿を見て、信仰心の深さを感じました。

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帰国日。この日も変わらず朝一番の集合で、空港へ。ヤンゴン空港―バンコク空港を経て、羽田空港着、無事帰国しました。

7日間という限られた日程の中での訪問でしたが、今回は3カ国を訪問したことで、経済・工業・生活・国民性等、それぞれのポイントごとの違いを感じることができました。
その中で、それぞれの国に共通した点は、親日的で、絶えず笑顔、前向き、アグレッシブであること。そして、各国に進出している日本人の皆さんも、それ以上に明るく、フレンドリー。ポジティブで行動力・決断力・スピード感を持ち、アグレッシブ。日々、新しいことにチャレンジし、思い描いたビジネスを次々に前進させていくという点でした。もちろん、ご苦労されていることも多々あると思いますが、そういったことを微塵も感じさせない皆さんの明るい笑顔がとても素敵でした。急成長を遂げるASEANのスピードに乗り遅れないよう、各国の人々の成長も著しいものだと感じました。