2026.6.8

【ネウボラ議連】妊娠期からすべてのこどもと家族を支える、日本版ネウボラの実現へ!

6月5日、私も発起人の一人である「妊娠期から家族を社会で支える議員連盟(ネウボラ議連)」において、「自治体の親子の支援モデル事業と今後の課題」をテーマに議論し、提言を取りまとめました。今回の会議では、東京都調布市および福島県伊達市から、妊娠期から子育て期に至るまでも切れ目のない伴走型支援について、現場の実践をご報告いただきました。

「ネウボラ」はフィンランド語で「アドバイスの場所、相談の場所」。妊娠期から就学前までの子育て家庭を支援する制度や支援拠点のことを指します。

私自身、「0歳0か月での虐待をなくしたい」という強い思いから、この日本版ネウボラの推進を訴えてきました。過去の発信は以下にまとめています。

〇「子育ての孤立に寄り添う、日本版ネウボラの推進を!」https://taroyamada.jp/cat-kind/post-360/
〇「こども家庭庁(こども庁)構想のきっかけは?【自見はなこと山田太郎のこどものみかた03】」https://youtu.be/XjeB0LuGOUY?si=d6aB-ggLqVn5Xb4l
〇変えなければいけない「こども政策」【山田太郎×細野豪志】
https://youtu.be/sKV8X6-wp9A?si=t9YZscWfKbxlELB0

 

■なぜ今、予防的支援が求められるのか

日本では、児童虐待相談対応件数が年間22万件を超え高止まりする一方、2020年以降、産後うつが起因するとみられる自殺が妊産婦死亡の原因として最多となる等、こどもと家族を取り巻く環境は深刻な状況にあります。

これまでの支援は、年齢や既往歴等をもとに一部の高リスク家庭に対象を絞る「ハイリスク・アプローチ」が中心でした。しかし、それだけでは予防効果に限界があることが明らかになっています。

だからこそ今、必要なのは、困ってから支援するのではなく、困る前につながる支援です。ネウボラ議連では、妊娠期から全ての妊産婦・子育て世帯を対象に、継続的に寄り添いながら問題を未然に防ぐ予防的支援の全国実装を目指しています。

これは単なる福祉政策ではなく、産後うつ、自死、虐待、こどもの貧困、家庭の孤立を防ぎ、こどもが安心して育ち、家族が持続的に幸せでいられる社会を実現するための基盤づくりです。

■調布市の取組 ― 母子保健×児童福祉による伴走支援

調布市からは、東京都の「予防的支援推進とうきょうモデル事業」を活用した、「妊娠期からのパートナーシップ事業」について報告いただきました。調布市では、母子保健と児童福祉が連携し、妊娠届出の段階から専門職が関わる体制づくりを進めています。

従来のように、問題が顕在化してから支援につなぐのではなく妊婦面接、妊娠期からの継続支援、産後早期の訪問などを通じて、妊産婦や家族との信頼関係を築き、孤立や虐待リスクを未然に防ぐことを目指しています。

■伊達市の取組 ― 「日本版ネウボラ」の先進事例

福島県伊達市からは、「日本版ネウボラ」の先進事例について共有いただきました。福島県伊達市については、「Childrenfirstのこども行政のあり方勉強会」でもお話を伺ったことがあります。

妊娠期から担当保健師等が継続的に家族と関わり、18歳まで切れ目なく伴走する体制を構築しています。特徴的なのは、妊娠届出時の面談から始まり、18歳まで担当保健師が関わるという継続支援の考え方です。「相談先が明確になることで安心につながる」との声も多く、妊娠期から継続的に関わる支援の重要性が示されました。

子育てにおいて最大のリスクの一つは「孤立」です。

携帯電話による相談や、全戸訪問など、気軽に相談できる体制の構築により、支援を受けることへの心理的ハードルを下げ、親が安心感を持ちながら子育てできる環境づくりが行われています。結果として産後うつ予防や、親子の安心感の構築など、こどもの良い育ちにつながることが報告されました。まさに、日本版ネウボラのモデルとなる自治体です。

■今回の議論を踏まえた提言(案)

今回の会議では、こうした自治体の先進事例を踏まえ、ネウボラ議連として政府への提言案についても議論を行いました。
提言の柱は大きく3点です。

1.妊娠期から伴走する専門家育成と全国展開

妊娠期から「全てのこどもと家族」に伴走し、予防的支援を担う専門人材の育成について、国内外の好事例を踏まえた調査研究を進め、全国展開につなげること。

2.「全ての妊産婦・子育て世帯」を対象とした伴走型支援の全国実装

妊娠届出時から産後・乳幼児期までの定期面談(8〜15回程度)を軸に、東京都のアーリーパートナーシップ制度をモデルとし、「同一の専門家(もしくは専門家チーム)」が継続して家族に寄り添う仕組みを全自治体で整備すること。また、その実現に必要な人材確保の予算措置を講じること。

3.こども家庭庁における制度具体化の検討

こども家庭庁・こども家庭審議会において、妊娠期からの予防的支援の具体化を進めること。

「生まれてきてくれたこども」を社会で支えるために

少子化が進む今だからこそ、生まれてきてくれたこどもたちを社会全体で大切に育てる仕組みが必要です。

妊娠期から温かい関係を築き、必要な支援を早期に届ける。
親を孤立させない。子育てを一人ぼっちにしない。
そして、全てのこどもが健やかに育つ社会を実現する。

ネウボラ議連の一員として、制度の具体化と全国展開に向けて引き続き取り組んでまいります。